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7大魔境、昔で言う6大魔境②

結果から言えば、人食い鬼と吸血鬼の王の前には3人のみがたどり着けた。迷宮で2人が消え、1人が迷宮内の戦いで命を落とした。2人がこちらの世界にたどり着き一呼吸しただけで死んだ。そして入り口には我々は食わんとする数千の人食い鬼と吸血鬼が待ち受けている。人間界トップクラスに実力者である我々にはさすがに及ばない実力。それでも数の差は大きい。2人死に残り3人になったとき、吸血鬼の王により我らを連れてくるように言われる。王からの招待の為、人食い鬼も吸血鬼も手を出せない。迎えに来た鬼たちは入り口付近の下位の者ではない、我らの想像もつかない実力者である。私は人類ではたどり着けない境地をみた。吸血鬼の王は美しい少女だった。正確にはこの世界には王というものはいない。人間が来た場合はこの世界で5指の実力のあるものの誰かが相手をすることになっている、この少女はその中えも最も実力のあるものだった。

「もう帰してください。」仲間の一人生き残った唯一の女性魔術師は泣きながら土下座をしている。私もそうしたかった、もう一人の男もそれに続いた。先を越された。けれども私の口からは「どのような試練を行うのでしょうか。」少女は少し驚いた顔をしていた。「そんなに怖がらなくてもいい、何も取って食おうというわけじゃない。」という会心のどや顔である。人食い鬼、吸血鬼の王だから普通に取って食うのわけじゃないのにという当たり前のことをいのが全然当たり前じゃないというギャグだ。ふと目をやると迷宮で死んだはずの3人が抜け殻のようになってここにいる。古の盟約とやらを思い出すが、中で死んだ者だけがこちらに来ているようだ。「ごめんなさい、ごめんなさい」女魔術師は狂ったようにくりかえす。「試練を超えることができたらその3人を返してもらう事はできるだろうか」私はそのように問いかける。その言葉をきき、残りの2人は少し冷静さを取り戻した。吸血鬼の王が話の通じない相手ではないと判断したのだろう。助かるかもしれない。その希望を少しだけ取り戻した。吸血鬼の少女は「それは無理、ここにいるのはもう食べかすだ。皮膚だけ食べる者、爪だけ食べる者、衣服だけ食べる者、感情を食べる者、色を食べる者、わたしのように血を吸うもの、未来も過去もドッペルゲンガーもパラレルワールドも含めて全存在を食べた。それに我々は個人的な願いはかなえない。」と答える。


吸血鬼の王は玉座から降りる。一歩あるくごとに、体がぶれてみえる。1匹でも人間の世界に紛れ込めば世界を滅亡させる実力を持つ眷属が体からあふれては消滅しているためだ。

私は意を決して、「私はこの探検隊のリーダーをしている、もし試練を突破することができたらこの世界の事を教えていただきたい。」と願い出た。吸血鬼の少女が手を伸ばす。滅亡させる力ではない。世界を消滅させる力を持っている。強すぎる力により、消滅してしまうのではない。当たり前のこととして消滅する。この少女は1次魔法に達している。「世界には私を倒し得るかもしれないものが19人、・・・いや私より強い者が4人いる。お前たちが6大魔境の先と呼ぶ世界はすべてつながっている。7大とお前たちは思っているようだがエルフの世界はただの勘違いだ。お前たちの世界の中の出来事。」

わたしは思わず「信じられない」とつぶやく常識を覆す出来事、驚く私の顔を吸血鬼はうれしそうに見つめる。恐怖で怯えていた仲間二人も興味をひかれている。

衝撃の事実である。

月の光で育つ樹木でできた森。その森では長居してはいけない。

エルフの国につながる大魔境大魔境はそういわれている。大魔境の中でもかなり高難度とされているが、その先にいるエルフは上位存在ではなかった。

「人族はぜい弱だから魔境を通らねば他の種族と会う事はできないが、お前たちの言う1次魔法に近づいたものは好きに行き来できる。だがお前たちの仲間マナ、エリー、シエルは愉快な者たちだった。あ奴らはドラゴンの世界で暴れまわった。」

これについては人族魔族の世界でも有名な話だ。魔族と人族が争うのは魔族領ドラゴンが出る為、そこから逃げるためというのは小さくない要因だった。「それは聞いております。彼女らは人々よりいまだに尊敬を集めております。」と答える。吸血鬼の少女はいまだにという言葉に自分たちとは違うときを生きるものという感慨を持ったよう。

エリー一行は最初ドラゴン退治により勇者と呼ばれる存在になった。大魔王シエル、カエルの特徴を持つ美しい魔族の女王、マナやエリーの親しみやすいかわいさ、美しさとは違う神秘的な美貌を持っていた。強すぎる自らの力を恐れ、幽閉を願い出た傾国の美女、魔族領で語られる。3女神の物語はシエルの臆病さが優しさへと変わっていく物語が主軸となる。

中でも大きな業績として人族と魔族の争いを止めるため竜の王に会いに行った少女として知られる。


「私より強い者の一人ドラゴンの王の試練を突破した、マナ、エリー、シエル、そして竜の王その4人で試行錯誤し、灼熱の門を作った。それまでは魔族領にはドラゴンがすきにやってきていた。ドラゴンの被害は当然大きい。だから魔族の王である大魔王シエルは必至で門を作った、エリーはすぐ飽きた。マナはドラゴンの王が手をぬくと、すごく怒った。私より強いドラゴンの王がマナにおこられてたじたじだった。あの時は愉快だった。エリーは要所要所で手を出してはいいとこを持て行く、要領の良い娘だった。世界自体を捻じ曲げ狭めて、灼熱の門を通らなければ二つの世界を行き来できなくしたのはエリーの発想だ。」

神話になりつつある物語を実体験として話している。少女のような見た目をしていてもやはり究極の力を持つものの一人なのだ。あるいは、3女神の影響を受けて少女の姿を取っているのかもしれない。話しぶりからして、3女神はこの吸血鬼の少女とも会っているのだ。

「我々の世界に伝わる彼女らの印象とそっくりでございます。」私は知らずに涙をこぼしていた。私の妻もカエル特徴を持の魔族であった。神話の時代からの世界のつながりが今の自分を形作っている。命は繋がって行くと感じる事ができた。

「これくらいは話してやれるが、試練を突破すればさらに詳しく聞かせることもできる。試練は失敗しても害のすくないものにしてやろう。吸血鬼は人食い鬼の中ではましなのでな。私は血を吸った相手を眷属にできる。それを精神力と魔力で耐えきって人のままでいられたら。試練を突破したとしてやろう。失敗して私の眷属になったら人族の世界に返すわけにはいかないが人食い鬼たちも手を出せなくなる。試練を突破したなら安全に送り返してやる。この世界については最後に一つだけ教えておこう、今後お前たちが他の大魔境にいどむなら、どの世界に言っても安心するといい。下の実力者は、ともかく王は人間を襲わない。全員マナ、エリー、シエルを気に入っているからな。」といった。われわれはいまだに3女神に守られている。二人は試練に挑戦することを選び眷属となった。成功する見込みがないが命を惜しんだのだ。挑戦するほうが安全な試練もある。私だけは挑戦を断った。

某有名あやしい屋マンガの影響で、人を食べない人食い妖怪の話は作ってみたかった。吸血鬼の王は結局普通に食べてるけども。


この話の後悔

探検家のドライな関係がちょっと唐突すぎた。

精神状態が乱れると呪いを受けやすくなるのでというのが後に出てくるんですが、この話のドライさへの後悔からできた設定です。本来単純に力量にしたかった。3女神が頻繁に出るようになってしまったのは、物語づくり難しさを過去のキャラを出すことで逃げた形です。


感想アドバイス等ございましたらお願いいたします。


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