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妹番外編②

さてさて、お姉ちゃんが大事件を起こしたわけだが、私はどうするべきだろうか。お姉ちゃんは死刑に決まった。魔術師には珍しい事だ。

魔術師の起こし事件は魔術師協会が介入しかなり小さくされる。

それでも死刑に決まったのは事件が大きすぎたからだろうか。

父と祖母、次男は自害、母と魔女じゃない姉、長男と三男は捕まった。捕まった家族の死刑は免れないだろう。

もちろん演出だ。自分達でどちらにするか話し合った。

他国にいる私は相談は出来ない。

他国に嫁いだ姉妹まで死刑、それどころか大きな刑罰を受ける事は恐らくない。

けれど何もしなければ嫁いだ先の家へのダメージは避けられない。

小さめの罰を受けるか、肩身狭くこちらの家で生きるか、出家し神の家に向かうか。そしてやはり自害するのか。

こちらの家族に暗殺されるかもしれない。それなら自害がいいのか?と私の考えはそちらに傾く。

死ぬのは本当に、本当に恐ろしい事だけれど、いくらキリ側とはいえ国のトップの家系にうまれたのだからしょうがない。負けたのなら反撃の機会をうかがっていると言う事もできるが国民を多数殺すクーデターを起こし失敗したのだ、何も責任を取らなければ国が崩壊し、国の皆が他の国から孤立し死ぬか奴隷になる。

そうならない為に死ぬ事は避けられない最低限の役割だ。


けれど私は他国に嫁いだ事で選択肢が生まれた。


今はとりあえず、家から出ていない。全く自由に出られるが、幽閉という事になっている。こちらの家族はじっくり考えて決めるといいと言ってくれた。優しさが身に沁みる。それでもじっくりといってもあと半日もないだろう。


私の心はきまる。

出家し神の家に向かうと言い家から抜け出し、途中で自害する。それが私のプランだ。


私は「そろそろ出てきたらどう?」とつぶやく。

姉の偽の恋人が見張っている事くらいは私でもお見通しだ。姉の事件が収まり10日後の事だ。

予想とは違い2人の人間がでてくる。

姉がたまに話していた女魔術師。難儀な正確で妹や弟達には抜群に優しかった姉はヤキモチを妬いていたことを必死で隠しながらこの女魔術師の事を喋っていた。小柄で可愛らしい見た目だが魔法使いは年を取らない。私より一つ年上だ。

仲の悪そうな師弟が私の前にたつ。私はこりゃ無理だよお姉ちゃん、こんなの女神だよ。と心の中で容姿で対抗しようとしていた姉にツッコミを入れる。

私は死ぬ。弟子の魔術師は可愛い顔で必死に私を睨みつけているけれど全く怖くならない。

こんな責任をとって死ぬとか死なないとか言ってる姉妹とは格が違う。


なぜかこの女が後の世で世界三大美女と呼ばれる事がわかる。三大美女に選ばれるには美しさもだが歴史に名を残す事も必要なのだ。この女が国を再興させたという事だ。姉が殺した人は生き返らない。けれどその事は私の心を少しだけ楽にした。







少し妹が魔術師に近づきつつある。

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