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錬金術師と魔術師は仲が悪い (0次魔法シリーズ①)  作者: sisousi.kenta


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マナ番外編② 大魔王と大勇者⑦

魔法使いの使う剣は魔が宿る。

私が剣を振るえば、世界中のあらゆる場所、そして過去も未来も関係なく、そして実態を持たない精霊や妖精どころか世界そのもの、いや、世界より丈夫な不死身の肉体を持つ巨人まで切り裂かれる。剣とはそういうものなのだ。


剣士達は今のちょうど斬れる鋭さで刃が当たったとこにいる実体のあるものだけが斬れるなんて誤解をなぜしているのだろう?


そう思う一方でそれらをすべて集約させて、全力を、全気迫を込め当て実際になければマナには効かないともわかる。


私は大きく下半身に力を込め、大剣を振り回す。


私の剣より早く、私の頭をマナの杖が叩く。速さでは負けた、それでも私は剣を振り抜く、杖の痛みで止まる前に。私の大剣は何かにぶつかり止まる。


マナは足を振り上げミュールのかかとで受け止めていた。私はそのままふらつき膝をつく。ようやく痛みが巡ってくる。


武器の戦いでも勝てなかった。

私は「まだ、負けてない!」

と言ったけれどすぐに立ち上がる事も出来ない。マナの追撃はない。もう決着はついたのだ。私はマナに全力をださせる事も出来なかった。


エリーは「サンダルは武器じゃないからマナの反則だね」と言ってマナを見た。


武器の勝負は格闘戦で勝てなかった私が勝手にそうしただけ。そんな事はわかっている。

だけど私は

「そうです。今のは反則です」と言った。


マナはエリーに文句を言おうとしたのを辞めこちらを向く。怒ってはいない、だけど後ろめたさだろうか恐怖を感じる。私は涙目になりながらマナの言葉を待つ。


マナは「ここまでは一勝一敗、魔法の勝負で決着をつけましょうか」という。


その言葉は予想できたはずだった。だけど私の顔から血の気が引いていく。

私はあわてて「やっぱり私の負けでいい」と言った、剣でさえ世界を余すことなく消しさるのだ。本業の魔法となればそんなものじゃない。剣と魔法では格が変わる、私の使う剣は所詮破壊と消滅。魔法を使わない者には理不尽に見えても魔法を極めた者から見れば理屈がわかる。

けれど私の強大な魔法は私でさえ因果を見いだせない。私は自分の力を制御出来ない欠陥魔術師だ。マナと戦えば私は意図せずとも全力を引き出される。そしてきっとマナを殺してしまう。巨人退治に同行した三人は天寿を全うさせられるなんていう死に方をしてしまった。あの時と同じ。


けれどマナは「あなた、魔法制御しきれないんでしょ?でも私にはあなたの魔法なんて手に取るように分かるから全力で撃ってきなさい」といった。私は気付く。マナもエリーも私より魔法使いとしてはるか高みにいる。

エリーは私を優しく見つめる。

そして二人は私の恐怖を知っている。二人は私を救いに来たのだ。


私は初めて全力の魔法を放つ。私より圧倒的に強いマナは軽く放った魔法で私の魔法を打ち消す。私はようやく恐怖から解放されるのだ。

私のやるべきと思い込んでいた事は私のしたいことだったと気づいた。


エリーは

「ちゃんと魔法の修行もしないとだめだよ」と言った。

私の使う事を恐れた全力の魔法さえたいした事はなかった。

マナも「修行不足だね」と言ってくれた。

私は幽閉生活を辞め修行の旅に出る事に決める。今までどんな魔法使いにも作り出す事さえ出来なかった未来を手にいれるのだ。片方が滅ぶはずだった、魔族も人族も生き残る。そして三人一緒にいられる未来。マナはそのために会いに来た。私は涙を流しながらマナに抱きつく。マナは女の子にしては大きめで抱きしめるようにはならない。

マナがお姉さんぶって私の頭を撫でる。私は気持ちよさそうに目を細める。エリーはマナを取られたみたいで少し不満そうだ。

エリーは「なによ、デレデレしちゃって」

といった。エリーもよろこんでくれているようだ。




魔法の格と因果の話

魔法の格とはつまる所、何に因果を見出せるかという所になります。そして魔法の密度とは、それにどこまで干渉出来るかになります。

炎に焼かれたから熱いというのを例にとると、ふるい魔術師は魔術により炎を出そうとしました。魔法の格があがると炎という原因がいらなくなります。魔法を使えない人からみたら、ふるい魔法は炎をだした方法がわからないですが、格があがると何が起きたか分からないというふうにより理解を離れて行きます。

威力も炎を出すと炎に依存しますが、出さないと好きに上げれます。ただし見合わない格だと、普通に炎を出す以下の威力になります。これが魔法の密度と呼ばれます。


ここから更に格があがると何かをしたことさえ分からないになり、ここか一人前と呼ばれるラインになります。一人前という響きの割には数百人に1人しかなれません。

このあたりから時間が止まっていても物事を認識出来るようになったり魔術を使ったり出来始めます。もう時間的な前後に因果を見つける段階は卒業します。


更に二段階くらい進むと、本当に何もしなくてよくなります。そこが2.5次魔法の壁とよばれ、2次魔法に近い実力者にしか超えられません。

現代の魔法使いで常に出来るのはカトリーナ1世、エリク、ハンナ以外には10人いるかいないか程度です。

邪道な言い方ですが

2.9次魔法 時間的な因果関係に縛られる

2.8次魔法 時間的な因果関係に縛られない(エリー以降の一般的な魔法使い)  

2.7次魔法 因果関係を自ら作れる(一人前)

2.6次以降概念を語ることも難しいとなり、普通の魔法使いは2.8次付近で上がったり下がったりしています。


2次魔法使いについて歴史上でも20人もいないとされるというようなぼかした書き方をしてきましたが、2.5を越えた事を持って2次魔法に達したと言っている人はもっといるため本当に2次魔法に達した人数は正確には伝わっていないからということを表しました。


長々と後書き書いて思ったことはこれを本編の授業シーンに入れなくて良かったなという事です。

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