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最終話 錬金術師と魔術師④ 

某年某月某日

オマール様は私のそばに、カティア様はお兄様の傍に、試練内容に気づいた私はもう泣きそうだ、お兄様は微笑みを浮かべている。オマール様は私に語り掛ける。とてもやさしく、語り掛ける。

「エリー、君の病気は我々でも治せない。ただ、私は君の病気の悪化をおさえることができる。体内にたまった呪いの影響を抑えることができる。それを治したというなら、治した言ってもいいが、呪いに勝てる君には君自身がなるべきだ。もし君から発生した呪いが別世界とつながっても天使であれば被害を出さずに抑えることができる。」

何か私が呪いに負けて死んでも天使の世界であれば世界は滅びない・・・、呪いもこれ以上悪化しない。お兄様でもハンナお姉様でもできない事。だけどそれは

「妹をお願いします。」お兄様はそういってオマール様に頭をさげる。

オマール様は「こちらこそ頼む、私の妹に君の世界を見せてやってほしい。カティアもあまりエリクくんに迷惑をかけないように」カティア様は1次魔法にまで達した天使、みためなど好きにに変えられる。カティア様は私と同じくらいまで外見年齢が下がっている。

「はい、お兄様」

とカティア様はオマール様に呼びかける、私の真似だろうか、昔はそうだったのだろうか。

オマール様はカティア様を撫ぜる。私のしるカティア様からは想像できない様子だが慣れているようだった。世界最強だから見せなかっただけの一面なのだ。自分より強いものを知ったことでその枷から放たれた。それでもきっと今日だけ見せる姿。明日からは いつものカティア様。

「さて、エリー、君の試練は先ほどの話にあったとおり、この世界にとどまり2次魔法者になる事だ。いや、そこまでは必須ではない。呪いに打ち勝つだけ力をつける事といい変えてもいい。」オマール様に告げられる。

私の目には涙がたまる。この試練は知っていた。それ以外ないと思っていた。オマール様は優しげに見つめている。お兄様もだ、カティア様は私を勝ち誇ったように私を見ている。それはきっと幼い私に対する優しさだ。もう私は聞かなければならない言葉を聞くしかない。

「お兄様は?」もう私は泣いている。ずっと一緒にいたお兄様の別れ。カティア様が、魔族と人族の世界に行くのだ。オマール様がたった一人で送り出すわけがない。お兄様とカティア様二人で戻るのだ。おいて行くのではない、オマール様に託していく、その事は知っている。それにカティア様の前で泣きたくはなかった。でももう止まらなかった。私は泣いた。出せる限りの声をあげて泣いた。泣けばなくほど余計につらくなる。お兄様は私を抱きしめる。こんなに大泣きをしてももう発作はない。オマール様であればそうできる。

「エリーが2次魔法に達したら僕より強くなっちゃうね。」そう言って微笑む。私が病気と知って心を入れ替えたお兄様、剣を振るのが下手で、私よりも下手で、私に勝とうとやる気を出したお兄様、トリシャ様とケイン様どちらが錬金術師だったかという話を思い出す。お兄様がニアさんに最初に聞いた話だ。病気になった私を勇気づけるために聞いた話。

エリー様とマナ様だってそうだ。私を作った狂錬金術師とだます者、私はやっと気づくことができる。錬金術師はきっと一人ではなれない。大昔からそうだ。魔術師も錬金術も関係なかった。泣き止んだ私はさも泣いていたことなんてなかったかのように

「天使様。頼りない兄ですが。私の一番大切な家族です。ぜひお助けください。」

とカティア様にいって頭を下げる。カティア様は微笑んでうなずく。ずっと微笑んでいた兄の瞳にひとつぶの涙がこぼれたことを私は気づかないふりをする。私も兄も錬金術師を目指していた。また巡り会う日の為に錬金術師を目指している。









最終回です!これまで見てくださった皆様ありがとうございます。

最終話の後悔 試練が予想通りだったからこそそれまでが準備になって泣いたということをもっとうまく表現したかった。感想アドバイス待っています

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