新しい魔法⑭
「0次魔法者がいたのですか!?」
兄は尋ねる。0次魔法者がいたことはそれだけの衝撃であり、オマール様さえ圧倒したことが本当ならあながちうそとも言い切れない。そんな相手にエリー様、私と同じ名前の伝説の存在は勝ったという。だけれど私はわからない。カティア様の話だけ聞くと、エリー様がなぜ勝てただろうか、それがわからない。カティア様はエリクお兄様を隣に座らせる。オマール様の驚いた顔を見る限り珍しいことなのだろう。ちらりと勝ち誇ったように私のほうをみた。気がする。
「お兄様」私は軽くお兄様の袖を引っ張るとお兄様は私の頭を撫ぜてくださる。今度は私がカティア様に勝ち誇った顔を見せるけれどお兄様は
「甘えん坊の妹です。生意気だけれどかわいいところもあるんですよ」と私を紹介した。今度こそ気のせいじゃない。カティア様は私に微笑みかける。
「もう!お兄様、子ども扱いしないでください」と私は厳重に抗議する。
「0次魔法の事だけどね。いたわよ、オマールも、シエルも勝てなかった。私とエリー・・・あなたの妹じゃないほうの、は勝った。エリーは出しゃばって先に戦ったけど、順番通りに戦ってても私は勝ったわね。マナは普通に負けた。」とこともなげにそう言った。カティア様は人族の文化の大勇者などは進んでは使わない。
「カティアも頑張ったのだよ、何をやっても効かない相手に絶対降参しない。エリーはとても、スマートに勝ったけど、カティアはどんなに相手のほうが強くても降参しなくって、最後には相手が折れたんだ。その様子をエリーはずっと嬉しそうに見ていた、カティアの事を大切に思う私や、他の1次魔法者、エリー達、みんなカティアと同じ仲間になりたかった。大切な妹は1人じゃないそのことを伝えてくれた。」オマール様は思い出し涙を流している。天使は涙を流さない。そういう能力はない。オマール様は私の頭を撫ぜる。そうか次は私がこの人の妹になるのか。私はようやく試練の内容が分かった。
多分次か、次の次最終回。