剣聖と呼ばれる男と魔術師①
某国某年某月
ケインは今日も剣を振る。国内で最強の剣士ともくされる男だった、
他の国の者と戦う事は少ないが魔族の将軍にも勝っている。この国は魔族の国と隣接していた。魔族と人族の違いは他の獣や魔物の特徴が体に現れているかどうか。混ざっている獣の影響で体の大きさがかなり違う。人族と子をなせるため昔は誘拐事件が多発した。逆に魔族どうしでは混ざった獣によっては子ができないものもいる。おそらくだがほとんど全員が魔法を使える。魔族といわれるゆえんだ。ケインの倒した将軍は大型のネコ科の魔物と混ざっていた。2m50cmを超す巨体、俊敏でありながら破壊力のある金棒を振り回す。皮膚が厚く剣も弓もはなかなか通らない。盾をも起用に使いこなす。それだけでも強敵だが、口から巨大な火球をはき、体から熱波を放つ魔術師でもある。
巨大な火を口からはなち、ひるんだところを精鋭たる彼と彼の部下が突撃し、陣形は崩れる。もし火球をさけ近づけても熱波が来る。熱波と熱波の間にも金棒の攻撃。すべて直撃すれば生きてはいられない。こちらの剣は盾で防がれ、皮膚で防がれる。奴が攻めてきたら野戦では勝ち目がないといわれていた。そもそも魔族は人族に獣の力がプラスされているのだ。全体的に人族より優れているものと、何か飛びぬけて高い能力を発揮するものと、多くの事にとてつもない能力を発揮するものがいる上に、人族より多い兵を有している。
魔族は体の大きさが違うため規格化された武具がないことが人族にとっての救いであるが将軍ともなれば関係ない、何せ将軍が最前線で戦うのだ。最高の武具が支給される。その将軍を打ち取ったケインもまた天才といえた。
「別にあれは魔術師じゃないわよ」彼の恋人でもあり魔法学園の卒業生でもあるトリシャはそういう。口から火をはき、熱波を出す将軍だがケインに負けているが、魔法学園では可もなく不可もない成績であったトリシャ相手にケインは勝ったことがない。私に勝ったら結婚してあげると恋人になる際に言ってしまったために未婚であり戦のたびに気が気でなかった。
ケインは「火を吐くし、戦になったら一緒だね。ドラゴンとゴブリンの例えと一緒さ」といった。中級程度までのドラゴンは魔術師がいなくても大人数で被害を顧みず戦えば、倒すことができる。妖精の一種であるゴブリンは魔術師か、払い方を知る者がいなければ倒すことはできない。剣士の剣はゴブリンを傷つけることができない。しかし、ゴブリンはいたずら妖精の一種、あらわれてもせいぜい2~3人の被害で済むしその2~3人も大怪我もしないし、飽きるか満足したら勝手にいなくなる。ドラゴンが火炎をはき、嵐を呼び、強靭な体で暴れれば数千人の被害が出てしまうという例えだ。「まぁそうかもねえ」とトリシャはくすくす笑う。幸せな恋人同士であったがいつ結婚できるのか、ドラゴンとゴブリンの例えで剣士の剣がゴブリンを傷つけることができないように、剣士の剣は最低限の実力をもつ魔術師の傷つけることができない。その意味でケインによって倒された魔族の将軍は魔術師と認められていない。トリシャは最初は交際を断るつもりで勝てたら結婚といっけれど、いつか自分のほうが心惹かれ、今は早く結婚したいと思っているのであった。
「それでは今日も胸を貸してもらおうか」ケインは大きな胸を凝視しながら言った。
すでに剣士として名声を持つケインも魔族の将軍と戦った時は激戦の末の勝利だったしそれまでに3度負けている。それても今なら10回戦えば10回勝つ。その後は敵の他の将軍はケインとの戦いは避けており、圧倒的な力をもる将軍がその能力で中心となり短期決戦を仕掛け、無理攻めはせず着実に領土を増やすことを戦略の肝とする魔族とは大きな戦自体起きていない。
火球を避け、敵の精鋭をかいくぐり、熱波はエネルギーはため始めたときに飛びくないで妨害し、威力と範囲を狭める。くないにしたって、速度がなければ盾や皮膚で防がれる。何とか近づいても相手は金棒をこちらの剣と同等の速さで並みの剣士使うの剣以上も自在に降り続ける。そしてまともに打ち合えばこちらの剣が折れる上に当然威力も違う。さすがに剣と戦いながらとなればためがないため威力と範囲は抑えられるが熱波もある。ケインにとってはとにかく熱波が厄介だった。こちらのクナイは近距離では勢いをつけられず、相手は全く意に介さない。敵が体を固め剣に耐え熱波を放つことは常に気をつけなばならない。1度は金棒を切り返すことは想像できずに負け、2度は迫った後に熱波にやられている。ギリギリその後の金棒の直撃を避けれただけだ。魔術師の恋人の治療がなければ長期離脱は避けられなかった。
魔術師の戦争への参加は大きな制限があるが、トリシャは敵の将軍より強い。ケインとの朝昼夜に行われる勝負ではまだ全力を出すにもいたっていない。とりあえず今は剣士の剣が魔術師を傷つかないことは気にしない。
牽制のくないは防衛魔法で防ぐ。将軍の火球はまっすぐ飛ぶがトリシャの魔法は相手のいるその場にできる。よけた先には次の魔法が待ち受けている。あらかじめセットしたもの、動きを見てあらたにはつどうしたもの。ケインはすべて回避して見せた。1発目のその場にできる魔法さえ避けられるものは国内にケイン一人しかいない。トリシャが試しで何もない時に出してもよけたので勘ではなく発生を察知してよけている。
トリシャは動きを阻害する魔法を放つ。近づくものは動きが遅くなる。ケインはそれすらエリア外にかわしてみせた上くないを放つに至ったが、くないは防壁で防がれる。今後は近付けばそれに合わせて体が重くなる。すでに敵の将軍以上の攻撃だが二人の差をより大きくする違いはここからだ。熱波は一度防げばスキができる、盾は使わせれば防ぐために動きを制限できる。ただトリシャの魔法は一度はられた防壁ははられたままであり。動きを阻害する魔法も出たまま、この上さらに魔法を重ねることもできる。最後に四方から隙間なく魔法の壁が迫ってくる。その日の決着はついた。
ケインはつたない魔法の知識で魔力が足りなくなったりしないのかと聞いたが、3女神の時代にエリーによりもたらせた技術により、普通に魔法を使う分には魔力は回復するほうが早いという事だった。どころか、エリー以前でもこれくらいの魔法なら・・・とも言っていた。さらに最強の剣士を圧倒するこれらの魔法は寝てても敵が出たら自動で出るとも付け加える。ケインが昔おとぎ話できいた、心を無にしたり心眼とかをやってみたが発生した。そして、最後には剣が魔術師の体を傷つけることができないという縛りもある。剣士が魔術師に挑むなど最初から無理がある。しかしケインはあきらめる気はなかった。
この話の後悔
マンガ的と思われるかもしれないけど、敵の魔族の将軍をもっと人間性にも触れて敵だけど認めている感じにしたかった。
感想アドバイス等待ってます。