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大勇者と勇者④

タリアの魔力が消える、姿が老婆へと変わっていく。サラはうずくまり泣いている。

かつてタリアを殺そうとした、オマールまでその姿に目を背けた。

カティアは

「タリアは死んだ、もう戦う理由もなくなったわね。」といった。本位ではないのだろう。口調はくらい。命を捨てて戦いを止めた。こうなる事はわかっていてはずだ。本当はタリアの命なんてどうでもよかった、引くに引けなくなっていただけ。そのことが頭によぎっている。

大勇者エリーは

「やっぱりカティアは何にも分ってないね。人族の事も錬金術師の事も。マナとシエルは確かに私を止めようとそして戦った。本当に二人が本気だったら私は剣が砕けるまで戦っても勝てなかった。二人はホントに少しだけ私を送り出すための覚悟を決める時間が欲しかっただけ。そして、あなたはタリアは死んだといった。でもタリアは生きている。」エリーの言葉にカティアはタリアの魔力を探る。タリアは倒れたままであり、やはり魔力も消えている。エリーはそちらを振り返りもしない。

「諦めなさい。」エリーが現実を受け止められずに言っただけカティアはそうとらえた。

二人の会話は続く

「私はあの子の黄泉の国での体験を聞いた。あの子は最初老婆になった自分と戦ったといった。」

エリーのもったいぶった話にいら立ちを隠せずカティアは

「だから何?」と尋ねる。苛立ってたずねるというそれだけで、ここが天使の世界でなければそれだけで世界が亡びていただろう。

「ただ後で、彼女の師グリフィンの奥さんである。カエルの魔族だと気づいたという。黄泉の国は最強の自分に合う。黄泉の国を超えた後、タリアがグリフィンのでしになる。グリフィンの奥さんの気持ちはどうだっただろう。自分の愛した夫と仲睦まじい、年を取らない。彼のかつての恋人の娘。それが彼をしたっている。きっと嫉妬しただろうし憎みもした。タリアがその気持ちに気づかないはずはなくとも、もめることもなく。そして師匠の奥さんとして自分の事も、タリアは慕ってくれるし、もちろん少なくとも自分の生前にグリフィンに手を出すようなこともない。最後には彼女が折れた。年を取り落ち着きが出て、彼女を受け入れられるようになったのか、運命に追いつかれた感じたのか。受け入れる事が自分の死後も彼に手を出すなという呪いだったのか。彼女はタリアに一つの魔法を授けた。人族には使えないはずのカエルの魔族の魔法。」

エリーは語る。カエルの魔族は寿命が短いとはいえ10年以上ともに暮らしたのだ。互いに受け入れたと思いたいと。タリアには最後の切り札がある。

「それは何?」カティアがたずねる。タリアから大きな光が上がる。魔力はより密度の高いものへと変わる

「カエルの魔族は死に瀕した時1度だけ進化する。これは真の力を得るための試練、私はタリアを信じる。さてカティア、もう一つの話を覚えている?私はマナもシエルも本気で戦わなかったといった。砕けた剣は1本だけだった。」そう言いながらエリーは指さす。天使長カティアの胸にはクナイが刺さっている。極限の魔力の込められたクナイ、消滅の炎を吐きだしながらカティアの体を駆けめぐり全身を焼き尽くす。

「ケインが使ってたやつね。3本の宝剣の残り一つは、くないに魔力を移し替えた。」苦しみ血を吐くが、それでもカティアは倒れない。これくらいの事は何度もあった。これまでだって最強のライバルたちと戦ってきたのだ。

エリーだってすでにカティア以上の満身創痍、ともに傷口が強大な魔法を受け続けている。カティアはそこでふと気づく、マナとシエルは本気で戦っていないといっていた。ならばなぜエリーの魔力は大きく減っていたのか。戦いの最中エリーはずっと魔力を練り続けていた。1秒と永遠は同じ意味。それが1次魔法。いつでも最高の魔法を放てる。魔力をためたから強い魔法が撃てるようなものではない。その矛盾を超えた必殺の1撃。すべてそれを隠すための行動、エリーはずっと機をうかがっていた。

錬金術師の剣は魔術師にとっての杖、魔法を制御するもの。剣が砕けるというのは耐えられない魔法が放たれたという事、過去1次魔法者たちを倒してきた最強の1撃、エリーはその一撃をうかつにはなったりしない。カティアは1次魔法者の中でも最強の存在。それだけでは勝てない。勝てるタイミングそれまでため続けた。剣は砕け散り最後の魔法が放たれた。



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