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始まりの魔術師、始まりの錬金術師③

この話が書きたかった、ずっと。こういう悪乗りがすきです。

なぜ後ろ脚だけで立つことがオスとオスの戦いなのか追記。まぁ下ネタです。


The great father (結構序盤で落ちの読める話)


オレは体が小さい。それでも群れのボスを決めるトーナメントで決勝まで残れたのは石ころを前足に持って戦ったからだった。それでも苦難の連続だった。

「ウホ、ウホウホウホ」決勝の相手である一番大きな猿は戦いを前に語りかけてきた。




「もう、お兄様、今日は授業なんですから、冗談はやめてください。落ちが序盤でわかってしまったわ。」思わず笑ってしまう。お兄様も笑顔だった。石で群のボスになるならもうそれはただの錬金術だ。お兄様構わずに授業を続ける。




「ウホウホウホウホ!」オレはその挑発に臆することなく答えた。だか奴の前足にも石は握られていた。オレに負けたやつの取り巻きのサルたちはオレの敗北を思い、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。石を握るためには後ろ足だけで立たなければならない。そのナニかをみせつけるような姿勢を長く保てる方が有利。まさにオスとオスの勝負、体が小さいほうが何となく有利な気がする。だが奴はそれを補う方法を準備していた。奴はオレよりも倍は大きな石を持っていた。それも二つもだ。何とも魔術師らしい卑怯なやりかた。

「ウホッ、ウホウホウホ」奴は高笑いををしながら選手控えし・・・選手控え木の裏に戻っていく。

オレは「ウホウホウホー」と叫んだが奴には負け犬・・・負け猿の遠猿叫としか聞こえなかっただろう。


a little later (少し後)


決勝のゴング・・・決勝のなんかが鳴らされる。コング?

オレも苦し紛れで石を二つ持ってみたがバランスが悪い。オレは石を一つ捨てた

それを見たやつは「うほうほうほ、破れたり、うほうほうほうほうほうほ」と挑発をしてくる。

オレは石を両手に握りこんだ。「猿どもが!ウホウホウホうるせーんだ」と叫ぶ。猿に猿と言っても悪口にならない。ユーアルコントグリレス(猿を含むが猿より大きい動物群)が!といえばよかったと思う。猿は自分もユーアルコントグリレスのくせにそう言われると侮辱と感じるのだが後悔先に立たず。と思ったが案外奴は顔を真っ赤にしていた。いや猿だから最初から赤かった。

オレは握りこんだ石を天に掲げる、左後ろ脚を天に掲げる。その左後ろ脚が地につく力、天と地と一体になった力により、オレの石はやつめがけて飛んで行った。ただ正直なことを言うと、最後石は手の中で滑ってしまった。天と地だけでなく俺たちのごちそうバナナの力まで借りた一投は、錬金術師らしくオスだけにある急所、金をうちにぬいた。やつは猿らしくなく後ろ脚だけで立っていたことがあだとなった。奴は死んだ。比喩だが奴は死んだ。


群れのボスになった俺はたくさんのメスに囲まれる。その中にはウホウホいっていたのが嘘のようにオホホホホといういうやつの姿もあったが。怖くて目を合わせられなかった。


「それが始まりの錬金術師?」私は笑いながらたずねた。「人ではね、あの猿が石ころで手に入れたのは今の人類の歴史だ。ただ錬金術師にとってこれは永遠のテーマともいえる」というのが師匠の答えだった。魔術師にとってのテーマではない。錬金術師はこの考え方が根幹にある。生き物ではないものから生き物が生まれる。一つのきっかけでより強い生き物になったり、子孫の繁栄を手に入れる。

石ころも猿も、人も、精霊も魔法の一つ。その強化や変化を望むままに起こす。それが錬金術なのだ。長い間大事にされた道具が意志を持つという話は怪談話や感動話の定番だが、錬金術師も石を金に変えたり、ホムンクルスをなんとか作ろうとしてきた。そして、錬金術師に万病に効く薬や不老不死の薬の話はつきものだ。3女神は魔王が50年国を治め次の王に位を引き継いだ後、皆で集まり旅立った。当時の情報伝達速度もあるが、どこに行ったかはわからない。3人は出会ったときのままの姿だった。ひょっとしたらまだ生きてどこかにいるのかもしれないし、別の世界に旅立ったなんて話もある。


兄は「エリー、今日の授業はここまでにしよう。寝る前にはちゃんと薬を飲むんだよ」

といった。私の名前はくしくも3女神の一人大勇者エリーと同じ名前だった。くしくもといったけれど、この国で一番多い名前だ。みんなエリー様にあやかりたい。

「はい、お兄様。」と答える。

私の薬の材料は兄の恋人であるハンナお姉様の御家族のなさっているお店でしか手に入らない。ハンナお姉様がお優しい方でよかった。兄はとてもおモテになるので私の薬をだしに恋人関係を迫られていやしないかと心配だったれどハンナお姉様はそんなお方じゃない。もし私がいなくなっても安心してお兄様を任せられる。


お兄様の作ってくださった、薬はとても苦かった。

「お兄様やっぱり気に入らない・・・間違えた。お兄様やっぱり気に入らないウホ」






この話が書きたかった、ずっと。

こういう悪乗りの回の最後に不穏にする感じが好き。

唯一後悔のない話


序盤に一度現代シーンをはさんだのは、ダジャレシーンを兄が少し恥ずかしがりながらも、妹にのせられて悪ノリで言っていることを想起させるための伏線なんですが伝わってくれたら嬉しい!


感想アドバイス等待ってます

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