決断
「ていうかそもそもここってどこ?」
「わかりません。」
リーフがニッコリ笑ってかえしてくる。
「え……。まあとりあえず進んでみるか。」
「もう3日も経つのに人にも魔物にも合わないんだが?」
「おかしいですね。いつもなら魔物の一匹ぐらいであってもおかしくはないんですがね。」
「ギャー!」
するとどこからか叫び声が聞こえてきた。
「リーフ。行くぞ」
「はい」
叫び声がした場所に行ってみるとそこには大量の魔物が行進していた。叫んだと思われる人はどこにもいなかった。
「リーフ。これってどういう状況?」
「おそらくトレファルにロトニアスが攻め込んでいるものだと思われます。なので、魔王もここにいるものだと。」
「じゃあ倒しに行くしかないな。」
ぶっつけ本番だが今倒ししかないだろう。
リーフと俺は魔物軍に向かって走り出した。
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〘魔物軍にて〙
「魔王グリナス様、敵兵1千が迎え撃ってきましたが、一瞬で全滅させました。こちらの被害は100です。」
「よかろう。この調子ならばあっという間に人など滅ぼせるぞ。これで神の願いを成就させることができる、邪魔が入らなければ…」
その瞬間、勢いよく血だらけになった伝令が入ってきた。
「魔王様、敵襲です。こちらの被害は増大、敵の人数は、2人です。」
「何!2人だと!こちらは1万もいるのだぞ!数で押し込め!」
「はっ、はい」
その瞬間、見張り役だったオークがものすごいスピードで飛んできた。
「意外と大したことなかったな。」
と、殴った本人は笑いながら言った。
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俺は魔物の軍に突っ込むとリーフが覚えている緑魔法を使ってみた。
『リーフスラッシュ』
そう唱えると葉っぱが現れ、魔物の群れに向かって飛んでいった。
「ギャーー」
「大体100匹ぐらい今ので倒せたのではないでしょうか?どんどんこの調子で行きましょう!」そうリーフが励ます。
『リーフスラッシュ』
『リーフスラッシュ』
『リーフスラッシュ』
あっという間に1万匹ほどいた魔物の群れは俺たちの魔法の前に、かすり傷もおわすことができずに全滅していた。
「本陣に乗り込むか」
「そうですね」
本陣らしき所に行くといかにも魔王らしき人がいた。
「貴様が魔王か。ここで死んでもらう。」
「ご主人様、カッコつけすぎです。」
リーフにそう言われ、顔を赤くする。
「お前らがたった二人で一万の魔物を全滅させた奴らか。だがこちらは神の命によりヒト属を滅ぼさねばならないのだ。ここで負ける訳にはいかぬ。」
ん?神の命?魔族と人間が勝手にやり合ってるのではなかったのか?
「神の命とはどういうことでしょうか?わたしそのようなこと聞いたことありません。」
「お主らが知らなくともいい話だ。」
「私はリーフ。植物の神です。」
「なんと、神であったか!しかしなぜあなた様は人族とともにおられるのか?」
魔王が驚いた顔をして言う。
「今はそれどころではありません。神の命について教えてもらえませんか?」
「いいでしょう。数ヶ月前のある日私は寝ていたのですが、夢の中に大神様が現れ人族を討伐するようにとおっしゃられました。そのため我らは人族の国へ攻め込んだのです。」
「そんな話聞いたことがありません。大神は人と魔族は勝手に争っている野蛮な民族だといっていました。」
「要するにだ。魔族はその大神というやつに騙されてせめこんでるってことか?」
「おそらくは…」
リーフが苦虫を噛み潰したような顔をして言う。魔王は驚愕した顔をしていたが、
「私は騙されていたのか…。ならばいっそのこと大神を倒しに行くか…」
と呟いた。
「ならば私も大神を倒しに行きます。」
リーフが力強く宣言した。
「なら俺も!」
こうして俺らは大神を倒すことになったのだった。