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トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第16章 こちらは、こちらで頑張ります
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グリーンイグアナ

「ふぅ……空きました」

「ええ!!何番やったの?」

 ムウさんに、三嶋っちが問いかける。

「お嬢様の……唱子お嬢様の誕生日です。……若しかしたら、いるのかも……」

 小さな声で答えたムウさんは、緊張しているのかもしれない。

「よし!じゃあ、入りましょう」

 


 扉を開けて、入った部屋の中は暗い。

 小さく吐いたムウさんの落胆のため息が聞こえてくる。

 こんなに暗くては、人が居る可能性が低いからだ。

 一先ず電気を探して、壁際をスマホのライトで照らしてみる。


「うぎゃ!!」

 三嶋っちが上げた奇妙な叫び声に、俺もビクッとした。

 振り返ると、ぼんやりとしたスマホの明かりの中に、誰かの影のようなものが浮かび上がっている。

「うっ、うわぁ!」

 俺も、三嶋っちと同じように驚いてしまった。

 けれど、人の影だと思ったのは、自分たちの影だった。


 その部屋は、ドアを開けてしばらく行った場所に、さらにもう一枚の板を嵌めた部屋があったのだ。

 光を反射する素材の板に、ぼんやりと明かりがついたことで、自分たちの影が映り込んだと言う訳だ。

「あーーー、びっくりした」

 そう呟きながら、壁際にあったスイッチを付けると部屋全体が明るくなる。


 結論から言うと、その部屋には、もう一つの部屋以外は何もなかった。

 もう一つの部屋には、またもや扉がある。


「どうして、地下にこんなに迷路みたいな施設があるんだろうね?」

 飽きっぽい性格の俺は、嫌になってきてボヤく。

「恐らく、かなり昔に作られた、からくりだったのではないかと思われます」

 ムウさんは、俺の呟きに答えてくれる。

「昔から力が強く体が丈夫で、怪我をしても短時間に治ってしまう。

 そんな我らの血を怪しむ者がいたのです。

 その者たちから身を守るために、竜家の者が住む屋敷は、カラクリが多く仕掛けられていたと聞いています。

 その名残かと……」


 なるほど。

 地上より上は建て替えられたけれど、地下にはまだ、カラクリが残っているってことか。

 その証拠にその部屋は、床よりもほんの少しだけ高くなっている。

 一体何の跡だったんだろう?


「それにしても、また、扉があるやん。番号入れなあかんやつちゃうん?」

「ええっと、やってみないと分かりませんが、恐らく大丈夫だと思います」

 ムウさんは、スタスタと扉の前まで行くと、ピピピピと暗証番号を入れて開けてしまった。

「わぁ!ホンマやわ。開いたわ」

 三嶋っちは、さっさとその扉を開けて中に入ろうとした。


「うっわ。この扉、めっちゃ重いで」

 彼女は、ドアをうんうん引っ張っている。ムウさんが代わりにドアをグッと引っ張って開ける。

 すると、中から


 フワァンーーー


というFANが回る高い音が聞こえてきた。

 俺は、走り寄って扉の中を覗く。


 見つけた!!

 サーバーだ。かなりの台数がある。

 薄暗い部屋の中、無数のLEDライトがチカチカ光っている。

 部屋の中を冷やすために、業務用のエアコンがガンガン回っている。

 元々取り付けられている天井取り付けタイプのエアコンのほかに、縦置きのエアコンもあるのを見るに、急遽サーバーをここに置くことにしたのかも知れない。

 部屋の壁には、スポンジみたいな吸音材がくっ付けられている。

 FANの回る音を吸音して、サーバーがある事を隠したかったのかもしれないな。


 壁側のスイッチを手探りで探して、明かりをつける。

 各自、持っているUSBメモリーをサーバーに挿そうとした時だった。立ち並んでいるサーバー機の隙間をノソリノソリと、薄い緑色の体のトカゲが出てきた。


「グリーンイグアナやないの!なんで、こんなとこにおんねん!」

 三嶋っちが驚いた声をあげる。そのすぐ後に、ムウさんが叫んだ。

「唱子さん!!」

「「え??」」

 俺と、三嶋っちは、それこそ驚いた声をあげた。


 唱子さんって人を見た事ないけど、ねぇちゃんや、琉旺さんの話から人間だと思っていた。

 トカゲだったのか?


「あかん!寒いんやわ。イグアナは寒さや乾燥に弱いねん」

 唱子さんが、人間なのか、トカゲなのかはさておき、三嶋っちは自分の着ていたパーカーを急いで脱いでイグアナの体に巻きつけている。

 ムウさんも素早く自分のジャケット(先の戦闘で、所々破れているけど)を脱いでイグアナの体に巻きつけた。

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