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トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第14章 トカゲ姫 竜にのる
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竜の鱗は、81枚

 ザワザワと竜の体の鱗が動いて、


 パキパキパキ


と小さく音を立てる。

 シュワッっと音を立てて、鱗の隙間から、金色に輝く細かい水の粒子が四方に霧散した。

 辺りには、良く熟された果実酒のような甘い香りが匂い立ち、まるで酔っ払ったように良い気分になる。

 ただ、酷くお酒に弱い私が、ベロンベロンにならないってことは、アルコールではないのかもしれない。


 それでも、見れば、先ほどまで琉旺さん達を攻撃していた戦闘員たちは、グデングデン状態になっている。へべれけになって倒れている人も何人かいるし、そうでない人も、立っていられないのだろう、座り込んでいる。

 若しや、麻薬か何かの類のものなんだろうか?


「ふむ。なかなか、よい仕事をした。

 ひなこよ、しばらく乗っておれよ。お主が近くに居れば、我の力が安定するからの」

 つまり、私と竜が近くに居なければ、力が発揮できないってこと?

「よし!では、やるぞ」

 ベロンベロンになっている戦闘員たちを、竜の背中から(いぶか)しげに眺めていた私に、ロンちゃんこと金色の竜が声をかけてくる。


「へ?何を?」

「決まっておろう。この場所に張り巡らされた、竜の力を阻害しておる源を断つのよ。

 そのせいで、我の力も安定せんからの」

 竜は、体を畝らせながら、長い尾を振って近場の壁をぶち抜いた。

 竜の体が畝る度に、大きな竜の鱗が


 パキパキ、ピシピシ


と音を立てて、左右に振れたり、逆立ったりする。


 ウハーーーーッッッッ!!!まさか、こんな至近距離で、竜の鱗の動く様を見れるとは……。

 私は、さっきまで、高いところは怖いだなんだと言っていたことを、すっかり忘れて、竜の鱗に大興奮し始めた。

 頭の中だけでなく、鼻の粘膜も熱くなってきたけれど、気合いで血を止める。鼻血なんて出している場合じゃない!!!!!!

 ことは、竜の鱗にかかっているのだ。

 私の血などで、この鱗の動いている様を寸分でも見逃すことになれば、後悔などと言う言葉では言い表せないほどの感情が嵐となり、私の心と体を散り散りにしてしまう事だろう……!


 まぁ、早い話が、鱗を愛でるのに忙しいのだ。


 竜の鱗は、81枚あるというが、本当だろうか?今は無理でも、後で鱗を数えたり、ゆっくり撫でたりする時間はあるだろうか?

 顎の下にあるという逆鱗はどんな感じに生えているのだろう?

 実際に触ってみたら、ロンちゃんはゲキオコになるんだろうか?

 若しかして……、私、殺される?

 イヤーーーーー、竜に殺られちゃうなら、むしろ本望だわ❤︎


「………ひなこ、ひなこ……。

 お前、色々と思うところはあるのだろうが、一旦置いといて、此方に集中してくれぬか?

 あまり時間がないと、我は言ったはずなのだが……」

 困ったように、竜に言われてはっと我に返る。

 いかん、いかん。すっかり私の世界に行ってしまっていたようだ。


「ひなこ、しっかり掴まっておれ。お前を、落としでもしたら、後で琉旺と戦わねばならぬ事になりかねぬからの」

 竜は、そう言いながら壁を尾で叩く。


 ドコン、ドコン


と、低く派手な音が響いて、壁は面白いように、ガラガラと剥がれ落ちて、大きな穴が開いた。

 竜は、上手いこと体をくねらせると、その穴から部屋を抜け出す。


 一応、私のことを気遣ってくれているのか、ゆっくりと危なげなく飛んでくれる。

「ヨシ!俺らも行くぞ」

「よし来た!うちらの出番やな!任せといてぇ」

 遼ちゃんと、三嶋さんがいつの間にか、なぜかムウさんを従えて、空いた穴から脱出している。


 琉旺さんと、シュウちゃんも後をついてくる。

 あんなにいた戦闘員たちは、グデグデになったままなのだろう。追いかけてくる様子はない。

「あやつらは、我の力でちょっと酔わせただけだ。酔いが覚めれば、また襲いかかってくるぞ」


 竜はそのまま迷うそぶりも見せずに、建物の中を進んでいく。

 時折、長いひげがフワリと揺れて、その度に鼻がヒクヒクと動き、大きな目がギョロリと様子を探るように動く。

 何か、目に見えない物を感知してるのかな?

 電波的な物?匂いがある?私も、クンクン匂いを嗅いでみたけど、サッパリ分からない。

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