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トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第14章 トカゲ姫 竜にのる
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私の夢が全部詰まってるわ

 あんなに、ラグジュアリーなお部屋だったのに、戦闘ですずらん型のペンダントライトはことごとく破壊され、壁を伝って天井にまで伸びた蔦が、絡まっている。

 洋酒がずらりと並んでいた鏡ばりの棚も鏡には大きな亀裂が入っているし、酒は地面に落ちて、瓶が転がっている。

 その瓶も、足元から生えて、どこから吹いているのかは分からない風にそよぐ草に埋もれかけている。

 大きなソファは、生えた木の根が高級そうなファブリックを突き破り、綿が見えている。

 残念ながら、今では元の高級感漂う雰囲気の部屋は、さっぱり見る影もない。


 その部屋に霧が満ち溢れ始め、視界が遮られるほどになり始めると、その中から限りなく黄色い色のしかし光の当り様によっては、金属のような金色にも光る鱗を纏った長い胴体?の一部が現れた。

 しかも、ソレは宙に浮いている様に見える。

 何?蛇?にしては大きすぎる……。

 そんな、太さじゃあない。


 霧は、部屋中に満ちていて、全く全容が見えない。すると、天井からミシミシと音が聞こえ、その音は、


 バシン バシ バシ


と言う何かが壊れる音に変わった。

 パラパラと何かが落ちてきて、

「こりゃ、いかん……」

と言う、声が聞こえてきた。


 ウネウネとくねっていた胴体であろうの動きが突然止まり、段々と霧が晴れてきた。

 霧の中から現れたのは、ギョロリとこちらを見る大きな目を持ち、口辺に長い髭を蓄え、頭には鹿に似た、曲がった角が二本。

 喉元には逆鱗が一枚。口は、ワニのようだ。


 竜だ……。

 初めて見た………(いや、当たり前なんだけど)。


「すごい……!私の夢が全部詰まってるわ………。

 ヤバい、、、、、鼻血出るかも?!


 でも……、思ってたより、小さいな……」

「小さいというな!途中で止めたのだ」


 私の小さな独り言を拾って、竜が返事をした!!!

 ファーーーーーーーーーーーーーーー!!!

 ナニコレ?

 私、竜と喋ってんの?


 鏡なんて見なくてもわかる。私は、きっと今興奮で真っ赤だ!


「我が、これ以上大きくなってみろ、この部屋は壊れてしまい、天井は抜け落ちる。

 ここにいる人間どもだけでなく、この上にいる人間どもにも影響するであろう?

 別に、危害を加えたいわけではない。気を使ったのだ……」

「竜って、………気遣いが出来るんだ……素敵❤︎」


「あれ?陽菜子???俺は?俺!俺も気遣いできるよ?」

 竜を視認して、驚きのあまりすっかり忘れていたが、皆ポカーンと竜を見上げている。

 そんな中、私の素敵発言に、素早く反応した琉旺さんが、私の元にやってくると、俺、俺、アピールを始める。

「はい。琉旺さんも素敵です。

 でも、今はちょっと黙っていてくれますか?」

 琉旺さんは、口元を尖らせると、じっとりとした目で私を睨む。

 子供かよ………。



「ロンちゃんは、竜だったの?」

 私にべったり張り付いている人は、一先ず置いておいて、ロンちゃんだったんであろう竜に質問してみた。


「陽菜子、細かいことは後で答えようぞ!一先ず、我の背に乗れ。あまり時間がないぞ」

 ロンちゃんは、鱗に覆われた、三本の指先についている鋭い爪で私をヒョイっと引っ掛けると、自分の背中にポイっと乗せる。

 思わず、頭の鬣にしがみ付いてしまう。

「ちょ……待って……。私、高所恐怖症だから、高いところは無理……」

 ギュウと瞑った目を、薄く開けて竜にしがみつきながら、訴える。

「ひなこ……、我が、お主を落とすとでも思うておるのか?

 まさか、そんな事は、万に一つもないわ」

 そう言われて、薄らと目を開けてみる。確かに、高いけれど、思ったよりは怖くない。

 怖さが、無くなった訳ではないけれど、気分的には落ち着いている。

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