表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第11章 王子 行方不明になる
48/89

個人情報保護法 違反

 琉旺さんが、どこかに行ってしまって帰ってこない。

 シュウちゃんを連れて……。

 

 シュウちゃんの携帯に電話がかかってきて、2人が慌てて出て行ったのが、3日前。

 ちょっと、出てくるって話だった……と思う。

 それを証拠に、琉旺さんやシュウちゃんの着替えも、荷物も、PCも、多分仕事の書類も全てそのままで、家の客間にある。

 しばらく帰ってこないつもりなら、せめてPCや仕事の書類なんかは持っていくだろう。

(もしかすると、書類は誰が見ても困らないような内容なのかもしれないけど……、勿論見ていないので、分からない)

 



 大学の研究室で、何処を見るでもなくぼんやりと宙を見上げていた私に、三嶋さんが明るく声をかけてきた。

「なぁなぁ、陽菜子ちゃん、今日、お家にお邪魔したら、あかん?」

「へ?」

 ぼんやりしていた私は、間抜けな声が出てしまった。



「……それが、琉旺さんはいないんです」

「お仕事?」

「いえ、………帰ってこないんです。もう3日目です」

 そう言った私に、三嶋さんは怪訝そうな顔をした。

「それって、出て行かはったってこと?それとも、あのおじいちゃんに連れて行かれたの?」

 私は、首を横に振る。

「分からないんです。シュウちゃんと一緒に、慌てて出て行って。

 ちょっと出てくるって話だったんです。

 PCだって、仕事の書類だって置きっぱなしで。なのに、3日経っても帰ってこないんです。

 大人だし、忙しい人だし、お仕事の都合か、家の都合かで帰ってこられないのかもと思って」


 私の話を聞いて、彼女は険しい表情になった。

「電話はしてみたん?」

「はい。私の携帯から、昨日の夕方と今朝に一回ずつ。弟の携帯からも、昨日の夜にかけてみました。

 でも、繋がらなくて」

「とりあえず、陽菜子ちゃんの家に行くわ。さぁ、帰ろ」

 サクッと言った彼女は、カバンを持つと、私の手を引いて研究室を後にした。



 家に帰って暫くすると、遼ちゃんも帰ってきた。

 琉旺さんとシュウちゃんが、何処にいるかの話し合いは専ら、2人が話して、私は2人に聞かれたことを話すというスタンスが出来上がった。

 どうも、私は戦力として力不足らしい。

 

 と言っても、竜家が元を辿れば恐竜の血を濃く受け継いでいるとか……、

 生命維持が困難な状況になると、トカゲなどの爬虫類に変わってしまうとか……、

 琉旺さんは怪しげな組織に狙われてるだとか……、

 の情報は、話せないので、何処まで話すか悩む。


 シュウちゃんはオオトカゲだけど、結局、琉旺さんって何になるんだろうなぁ……と、1人で想いを馳せていると、遼ちゃんが徐に客間から、琉旺さんのPCを持ち出してきた。

「え?遼ちゃん、そのPCどうするの?」

「どうするって、中身見るんだよ。

 警察に届けるったって、どうせ事件性がなけりゃ動いてくれないし、琉旺さんの家って、でかいんだろう?

 3日帰ってこないからって、勝手に警察に届けたら、その琉旺さんの爺ちゃんって人が、今度は何言ってくるかわかんないじゃん?」


 遼ちゃんは、先日のおじい様の襲来の様子を撮った動画を、(情報共有した方がいいという理由で)三嶋さんから見せられて、暫くキャンキャン喚いていたが、腹が座ったのか、遠慮が(元々あまり持ち合わせていない子だけど……)なくなってしまったようだ。


「でも、それって個人情報の塊だから、勝手に見るのは良くないと思うけど……」

 怖いので、遠慮がちに反対の弁を述べてみたけれど、口の端を歪めてチラリとこちらを横目で見た遼ちゃんに、私はそれ以上のことを言えなくなってしまった。

「じゃあ、このまま何もせずに、琉旺さんとシュウさんが帰ってくるの黙って待ってられるの?」

 正論を唱えられて、首を横に振る。


 そうなのだ。琉旺さんと、シュウちゃんが心配なのだ。

 でも、警察には届けられない。

 ましてや、竜家にコンタクトを取ろうにも、どうやって取ればいいのかも分からない。

 私たちに、残された選択肢は、琉旺さんが置いて行っている荷物を調べるくらいしか(多分………………)ないのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ