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トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第10章 トカゲ姫 悪者に会う
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いえ、私は浦 嶋子です

 あの飲み会から暫くして、研究室に顔を出すと、急遽、助教は違うキャンパスに行ってしまったようで、数人の女の子たちが、結構イケメンだったのにと嘆いていた。


 そうかな?

 そんなにカッコ良かったっけ?



 大して顔を思い出せない助教のことを疑問に思いながらも、三嶋さんを探して、お礼を言う。

 彼女は、すらりと背の高い、可愛い顔の美人さんだ。

 ふんわりした栗色の髪を後ろで一つにまとめていて、いつもシンプルで清潔感のある服装をしている裏表のないさっぱりした印象の人だ。


「三嶋さん、先日の飲み会でお世話になったみたいで、どうもありがとうございました」

「いいえぇ、どういたしまして。せやかて、みたいってことは、もしかして記憶がないのぉ?」

 彼女にそう聞かれて、へへへと笑って誤魔化した。

「ところでなぁ、雛形さんを迎えに来た、あのメチャクチャなイケメンさん、誰?

 雛形さんの彼氏?」

 そう聞かれて、顔が熱くなる。

「えーっと、はい。……多分そうです」

「へぇぇ多分………彼、何してはる人?

 細身に見えるけど、えろう鍛えてはるよね?

 片手で軽そぉうに、酔うてはる雛形さんを抱っこして、私から荷物を受け取ってはったもん。

 しかも、楢崎教授と知り合いなんやろう?

 教授が、今度ご挨拶に伺いたいって言うてたの聞いたもん。

 あ、雛形さんは、記憶がないから覚えてはらんのやね?どこから記憶ないのぉ?」


 あれ?誤魔化せてなかったみたい。

「あー……、喉が渇いてウーロン茶をガブガブ飲んだあたりから?」

「はや!お酒弱いんやんなぁ。あのさぁ、彼のこと紹介してくれへん?」


 三嶋さんに言われて、青くなった。

 琉旺さんがモテるのは分かっている。

 でも、今、琉旺さんは私と(恐らく)お付き合いをしているはずであって、他の人に琉旺さんを取られるわけには〜〜〜クゥゥ………。

「ふふ……おもろいね、雛形さんて、そんなに何考えてんのか、よう分かる人やったんやなぁ。

 今、イケメンさんを、私に取られてしもたら、かなわんって思うたやろ?」


 え??なんでこの人、私が考えていることがそんなに分かるの?

 もしかして、竜家の繋がりのある人?

 なんか特殊能力を持っている?


 青くなった私の顔を見て、三嶋さんはククククと笑う。

「雛形さん、どして自分の考えてることが分かんのかびっくりしたやろ?

 で、私が何か特殊な能力でも持ってんちゃうかと思った?」

「な、な、な、ナンデ、なんで?三嶋さん……」

「いやいや、ほんまに。雛形さんがこんな分っかりやすい人やったって、初めて知ったわ。

 ずぅっと、近寄り難うて、何考えてんのか分からへん人やと思とったのに。

 私が、読みを間違えるなんてなぁ……」

 彼女は、ぶつぶつ言ってるけど、本当に特殊能力持ってないのかな?


「ふふふふ……大丈夫やで。

 私、あんなイケメン、恐ろしゅうて相手にしようやなんて思わへんから。

 それよりもな、彼、コネクション多く持ってそうやん?そのコネにあやかりたいのよ」

 ……素直な人だな。いっそ気持ちがいい。


「えーっと、お世話になったので、紹介するのは構いませんよ。

 そもそも、三嶋さんにちゃんとお礼を言っとけと言ったのは琉旺さんですから。

 ただ、彼を紹介したからって、簡単にコネにありつけるとは思えないですけど……、いいんですか?」

「うん、全然問題ない。そこは、自力でなんとかする。

 出来へんでも仕方がないし。何もせんよりはマシやもん」

 とことん、気持ちのいい人だ。

 私は、何もしないよりはマシだと言い切った三嶋さんのキップの良さに、羨ましささえ感じた。

 私は、今までどちらかというと、何もして来なかったからだろうな。




 彼女の押しに負けて、私たち2人ともが3限で終わる日に、我が家の夕飯に招くことになった。

 今度こそ天ぷらだ!リベンジ天ぷら!

 私たちは、駅前のスーパーに寄って食材を仕入れてから、家路に向かう。

 すると、向こうから如何にも高級そうなスーツを纏ったご年配の紳士がやってきた。

 なんだか、嫌な予感がする。


「やあ。君が、雛形 陽菜子さんかね?」

 老紳士は、お年の割に体は厚く、背筋が伸びて、姿勢が美しい。

 身長が高く、私よりも頭ひとつ分ほどは高いだろうか。

 白くなった髪をゆったりとオールバックにして額を出している。

 髪と同じく白い眉の下には、鋭い眼光を放つ、茶色い目がある。


 何だか、どこかでこの人に通ずるDNAをお持ちの方を見たことがあるなぁ……。

 私は、たっぷり30秒以上その人を眺めて、やっと口を開いた。

「いえ、私は浦 嶋子です」

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