表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第5章 トカゲ姫 王子と暮らす
17/89

久しぶりの我が家は、落ち着き ません……

 シュウちゃんのご飯を作る私の周りを、琉旺さんはうろちょろして、珍しそうに眺めたり、時には手伝おうとしてくれたりする。

 (残念ながら、あまりお手伝いにはなっていないけれど……)

 私の、嫌がることはしないと言った琉旺さんは、あれから、あからさまに近づいたり口説いたりはしてこない。

 ほっとする反面、ちょっと寂しいような残念なような気持ちになる、この自分の心の中に巣食っている気持ちを持て余している。


 それでも、毎食私の作ったものを3人(二人と一匹?)で食べて、お茶の時間には、私が焼いた焼き菓子を摘見ながら、DVDで爬虫類に関する動画

(お屋敷の中のライブラリーに様々な専門動画が収められているのを見つけたのだ)を見るこの関係が、楽しくて離れがたくなってきている。

 このお屋敷に来て、今日で4日目だ。

 もうすぐ連休も終わる。今日の夜には、家に送ってもらうことになっている。

 

 シュウちゃんは、調子が戻るにはもう少し時間がかかるらしく(自分で大まかなことが分かるらしい)、調子が戻れば、人型に戻るらしい。

 その後は、動物病院ではなく、普通の病院で診て貰うそうなので、私はもう必要ない。

 

 このまま帰ったら、もう琉旺さんとは関係なくなっちゃうのかなぁ?

 そもそも、なんだか凄いお家の跡取り?さんなんだから、私とは縁のない人なのだ。

 私は、学生なのだから勉学に勤しみ、推し(トカゲ)を愛でる忙しい毎日を送る日常に戻ればいい。

 そうだ、そうだ、そうしよう。

 そう決まれば、なんだか、モヤモヤ悩んでいたのが、馬鹿みたいで笑えてきた。

 そもそも、他人様とのことで、私が悩むだなんて、実に私らしくない。

 私が、悩むのは、トカゲちゃんのことと、自分のこと。それから、遼ちゃんのことくらいだ。

 ここから、出ていけば、関わり合いにならない人のことで、ウダウダ悩む必要はないのだ。

 



****

 久しぶりの我が家は、とても落ち着く……。はずだった。

 なぜ違うかって?

 だって、琉旺さんが家に転がり込んできたからだ。


「陽菜子の家って、流行りの古民家ってやつか?」

「流行りかどうかは知りませんが、古い家なのは間違い無いですね……」

「ねぇちゃん、どうして、このでっかい人がくつろいだ格好で、家にいるの?しかも、この、この……オオトカゲは、何なんだよ!!」

 お姉ちゃんも聞きたい……。




 琉旺さんのお屋敷にいる間、琉旺さんは何も持ってこなかった私に(当たり前だ。大学の帰りに、拉致られたのだから)、着る物や下着、パジャマなど、必要なもの一式を用意してくれた。

 帰る時には、どうせ誰も使わないんだから持って帰れと言われて、迷ったけれど、ありがたく頂戴することにした。

 私は、思慮深く、遠慮深いけれど、地球環境のためにも、ECOにつながる行動を取らないといけないと、常々思っているからだ。


 その荷物を、お屋敷にお勤めのメイドさんが詰めてくれると言う。

 これに、甘えるべきではなかったのだ。

 しかし、「私の仕事ですから」と、キリッと言われたので、そうか、人の仕事を奪っちゃぁいかんのかなと、お願いした。

 

 何だか、えらく大荷物になったなとは思ったんだ。

 でも、すごく丁寧に梱包してくれたのかもしれないし、人にやっといて貰って、梱包が大袈裟だなんて文句をつけられる筈がない。

 丁寧にお礼を述べて、車に運んでもらい、我が家の前まで琉旺さんが送ってくれた。

 

 遼ちゃんは、大学のお友達と晩御飯を食べに行っているらしくて、まだ帰ってなかった。

 荷物は、俺が運んでやるよという、琉旺さんの言葉に、大きいから助かるなと思ったのも事実だ。

 彼は、わざわざ車を近くのコインパーキングに停めて荷物を運んでくれた。

 そこまでして貰ったのに、お茶の一つも出さないのは心苦しくて、

「どうぞ上がってください。お茶でも入れますんで」

と、誘ったのも私だ。

 

 で、上がり込んだ琉旺さんは、シュウちゃんも連れてきた。

 私的には、大歓迎だ。

 シュウちゃんは、今一番の推しなんだから、断る理由なんてない。

 でも、シュウちゃんが言ったんだよね。

「すみません、お嬢さん。お世話になります」

って。

 

 シュウちゃんも、お茶を飲むのかなぁ?と思った。

 だから、シュウちゃんの分のお茶も入れた。

 そうして、茶の間のテーブルにお茶を並べようとして、ふっと琉旺さんの方を見たら、なぜか彼は、お屋敷で見慣れたホームウェアに着替えて寛いでいた。


 あれ?

 何でだろう?

 お金持ちは、お茶を飲むのにわざわざ着替えるのかな?


「陽菜子、俺、どこで寝ればいい?俺は、陽菜子と一緒でも構わないぞ」

 彼は、嬉しそうに頬を染めて、私を見た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ