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トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第4章 トカゲ姫 王子に口説かれる
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もちろん 大好きです

 部屋に入って、少し冷静になると、大人気ないことをしちゃったなぁと後悔が押し寄せる。

 言うだけ言って、逃げるだなんて……、幾ら経験値が低くてもしちゃいけないことだった。

 戻って、ちゃんと謝ったほうがいいだろうな。

 けれど、意気地のない私は部屋の中をぐるぐる、ぐるぐる、毛足の長い高級カーペットがすり減ってしまう勢いで歩き回る。

 まるで、お腹の空いたクマのようだ。

 

 いや、本当にお腹がすいた……。

 お昼を食べる前に逃げてしまったから空腹だ。

 気がつくと、もうとうに3時を過ぎている。

 シュウちゃんのご飯を作らなきゃいけない。ついでに、何か摘もう。

 

 そう思ってこっそりとキッチンを覗くと、琉旺さんが待ち構えていた!!

 私は、咄嗟に逃げようとした。


「陽菜子、待て!話がしたい。お前……、シュウが好きなのか?」

 琉旺さんに呼び止められて足を止める。

 なぜか、琉旺さんの中では、私はシュウちゃんが好きってことになっているようだ。

 私が、トカゲちゃんが好きだと言って逃げたからか?


「……はい。まぁ、好きですね」

「…………え………」

 そう返ってくるとは思わなかったのか、ショックを受けているようだ。

「そりゃぁ……、もちろん大好きです。シュウちゃんはトカゲちゃんですから。

 しかも、オオトカゲ!希少種!

 なかなか、どこででもお目にかかれる機会のないシュウちゃんには、メロメロですね。

 そもそも私は、爬虫類は好きなんですが、特にトカゲが好きでして、彼らの美しい鱗や、瞼がかかって少し眠たげに見える金色の瞳。

 のそりのそりと歩く姿や、鋭い爪にも興奮を覚えます!」

 胸を張って、トカゲ愛を語った私を、琉旺さんは頬をピクピクさせながら見ている。

 暫く、そのまま固まっていた琉旺さんだけど、恐る恐る口を開いた。

「それって、シュウが好きと言うよりは、トカゲが好きなんじゃ?」

「え?だって、シュウちゃんは、そのトカゲじゃないですか」

「そう………そうか。そうだな」



「ところで、琉旺さん。さっきは逃げちゃって……、すみませんでした。」

 私の心の中は、罪悪感がチリチリと小さな火花をあげている。

 琉旺さんは、フウっと息を吐く。

「………いや、俺の方こそ、いきなり過ぎた。

 俺、色々と焦っちゃって。あの後、シュウに怒られた。

 陽菜子の気持ちを確かめてから、徐々に近づくべきだったんだな。

 すまん。もう、陽菜子が嫌がることをしないから、逃げないでくれ」

 琉旺さんにそう言われて、壊れた首振り人形みたいに、コクコク頭を振って頷いた私は、ようやくシュウちゃんの晩ごはんに取り掛かった。




 皆んなで机を取り囲んで、晩御飯を食べる。

 シュウちゃんは、低いテーブルを用意して、その上に平皿に並べたおかずを上品に食べている。

 オオトカゲなのに、とてもお行儀がいい。(まぁ、一時的にトカゲになってるだけなんだけど)

 琉旺さんも、私が作ったご飯を食べてくれている。

 お昼ご飯も、綺麗に食べてくれたようだ。

 今まで、遼ちゃんくらいにしかご飯を作ってあげた経験がないけれど、琉旺さんも、シュウちゃんも美味しいって言ってくれて、心が満たされた気分になった。




「琉旺さんはどうして、ルゥって呼ばれてるんですか?」

 疑問に思っていたことを聞いてみた。

「竜家の人間は、そもそも短い名前でずっと呼び合っていた。

 だから竜家の中じゃ、ルゥが正当な名前なんだよ。

 だけど、日本国籍なのに、ルゥだけじゃ不便なこともあるだろう?だから、琉旺って名前にしてるんだよ」


 シュウちゃんは、琉旺さんの側近で、小さい頃から、いつもそばにいるらしい。

 シュウちゃん曰く、琉は、リュウとも読む。

 旺は、そのまま王。竜の王という意味だと教えてくれた。

「じゃあ、琉旺さんが竜家の中で一番偉いんですか?」

「そうですね。正確には、No.2です。

 ルゥさまは、次期王です。

 現在は、ルゥさまのお爺さまが、王を務めていらっしゃいます。

 竜家は現在、竜凪、竜口、竜崎と三家に分かれていますが、経済活動はそれぞれの家で個々に自由に行っています。

 しかし、竜家に関わる重大事案が起こった際には、三家のうちで一番権力を持っている王が決定します。

 三家は、その王に従い力を合わせることになっています。

 王は、三家のうちで一番力を持つものが選ばれます。

 王の証に、体には消えない鱗が現れます。

 鱗が現れる時期は様々ですが、ルゥさまは、物心ついた頃には既に、鱗が現れていました」

 そっか、琉旺さんは、色んなものを背負ってるんだな。

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