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トカゲ姫と恐竜王子 〜襖に 頭突っ込みそうなほど、愛しいです〜  作者: 静寂
第3章 トカゲ姫 喋るトカゲと遭遇する
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シュウちゃん……ファビュラスだわ❤︎

 大きな手に、頭を撫でられている夢を見た。

 お父さん?お父さんに、頭を撫でられるのなんていつぶりだろう?もう、覚えていない……。

 もう……、お父さんの顔さえも朧げだ……。



 目が覚めると、知らない部屋の、えらく大きなベットで眠っていた。

 ものすっごくスプリングのいいマットレスのやつだ。高いに違いない。


 どうも、昨日あのまま、神経擦り切れて寝てしまったんだと思った私は、部屋をぐるりと眺める。

 遮光性の高い、大きなゴブラン織のこれまた高そうなカーテンの隙間から、ほんの少し日が差している。今は、何時なんだろう?

 スプリングのいいベットからは離れがたかったけど、そっとベットから降りて絨毯に足をつけると、こちらは毛足の長いとろけるような肌触りだ。

 このまま、絨毯の上で、ゴロゴロしたい。この上で、もう一眠りできる。

 

 ドアを開けて、廊下に出る。ドアのハンドルに緻密な細工がしてあったのにも驚いた。

 この大きなお屋敷といい、全てにおいて高価そうな調度品と言い、一体、竜凪さんは何をしている人なんだろう?



 そろそろと廊下を歩く。

 キョロキョロしていると、階段が見えた。二階の部屋に寝かされていたみたい。

 

 たくさんある、ドアの一つから、小さく話し声が漏れ聞こえてくる。

 何を言っているのかは分からないけど、男の人たちが話しているみたい。

 あたりをつけて、ドアをノックすると、

「どうぞ」

と、返答があった。竜凪さんの声だ。


「あの、おはようございます。すみません……、昨日寝てしまったようで、どなたかが……」

 そこで、私の言葉は途切れた。だって部屋には、竜凪さんとシュウちゃんしかいなかったからだ。

 さっき、私の耳は、竜凪さんともう一人の男の人の声を拾っていたのに?

 

 私は、とっても耳がいい。小さな音も聞こえるし、どんな声かも聞き分けられる。

 自分でも、自慢の耳だ。なのに……部屋にいるのは、竜凪さんと、オオトカゲだけ?


「ああ、おはよう。昨日は、おつかれ……」

「竜凪さん、誰と話していたんですか?」

 竜凪さんの言葉をぶった斬って、ズバリ訊ねた私に、竜凪さんは固まってしまった。

「今、誰か男の人と、話してましたよね?

 話の内容は聞き取れませんでしたが、二人以上は人がいたと思うんですけど」

 更に言葉を重ねる私の顔を、竜凪さんはジッと見ている。

 

 あ!竜凪さんの瞳って、日が差すと金色がかって見える……。

 トカゲちゃんみたいでキレイ……。

 新しい発見に、ぽんやり竜凪さんのイケメン顔を見ていると、目の前のイケメンが、ハーっと長いため息をつく。


「お前さ、野性味溢れてるよな」

 全く質問の答えになっていない。しかも、ディスられてる。

「お前じゃ、ありません。私の名前は、」

「ああ、悪い。……陽菜子」

 竜凪さんに、名前を呼ばれて、私の心臓はドッキーンと飛び出した。


 くっ、やばい!心臓に疾患があるのかも……?

 ドキドキと脈が早い胸のあたりを押さえながら、じろりと彼を睨んでみる。

「あの、私の質問……」

「かわいいな……陽菜子」


 え?あれ?……今、彼はなんと仰った?

 皮、良い?シュウちゃんの皮のことだろうか?

 昨日、瘤を切除した時に切った場所を縫合しておいたが、出来るだけ跡にならないように気をつけて縫合したつもりだ。

 しかし、たとえ痕が残ったとしても、ワイルドさが増して、それはそれで良いんではなかろうか……。

 そんなトカゲちゃんの皮は、良いに決まっている。

 

 冷静に考えているはずなのに、私の心臓は、心拍数がどんどん上がって、呼吸が苦しくなってきた。

 これは、早急に検査が必要なレベルだ。

 胸を押さえて、ハアハアしながら、もし私が死んだら、残された遼ちゃんは悲しむに違いないと、悲嘆に暮れていると、竜凪さんがシュウちゃんを呼んだ。

「シュウ、構わない。話せ」

「………良いんですか?ルゥさま……」




 ……………??????………あれ?

 耳をホジホジしてみる。私、耳掃除サボってたかな??それとも急に難聴になった?

「陽菜子、聞こえたか?」


 竜凪さんに言われて、おもいっきし首を傾げる。

 ぽっきり横に、首が折れたんか?と言うくらい傾げる。

「ほら……、お嬢さん、理解できてないじゃないですか……」

「………っワーーーーーーーーー!!!!シュウちゃんが、しゃべってる?」

「はい。ワタクシが喋っております」

 オオトカゲが、喋っている。間違いなく、喋っている。

 しかも、はっきり喋っている!!!


「……シュウちゃん…………なんて素敵なの

 …………ファビュラスだわ❤︎」

 もう、私の心臓は、ズッキューンと飛び出したまま戻って来れない。

 つい、今しがたドキドキしていた心拍数よりも遥か上の速度で、私の心臓は脈打っている。

 すごい、オオトカゲとおしゃべりしちゃった。ヤバ……鼻血でた。

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