Ⅲ お昼時
ソフィ視点
「えっと?Last one break of trans old machine?」
「何それなっが」
今、ソフィこと私はとある遺跡に来ている。理由としては少し前にメイドの1人である咲さんからの頼みで趣味に付き合うこととなったのだがその趣味が古代遺物の探究というものだ。
実は彼女は神眼というユニークスキルを持っており、いわゆる鑑定眼の上位スキルに値するものである。
そのスキルを使って歴史を知っていくことが楽しいみたいだね。
「このクソデカロボット、そんな大層な名前つけられてたんだ……」
「え?ソフィさん何か言いました?」
「いや、なんにも?長いからロボットでいいよね。RobotじゃなくてLobotだけど」
「ええ、それでいいと思いますよ?しかしこれ、なんのために作られたんでしょうね?この遺跡のサイズ的にも外に出すことを想定していないように思えますが……」
「……案外この建物を壊して行くことを最初から視野に入れて開発してたんじゃないの?」
「こんな立派な建物を!?それこそありえない話じゃないですか!」
意外とありえたりするんだよなぁコレが、いやまぁ知らんけどさ?私が関わってる訳じゃないし。
「しっかし、この部屋ひんろいねぇ、この部屋だけで魔王城の庭と同じくらいのスペースがあるけど、ここ、全てこのロボット作るためだけに作られたのかな?」
「……いえ、恐らくそれがメインではあるのでしょうがそれだけじゃないと思います。えっと……部屋が広すぎて分かりにくいですね……」
「あー、隠し部屋?確かにありそうっちゃありそうだね、んじゃ、私も眼を使いますか」
眼を使うと言っても咲さんと同じ神眼を持ってるわけじゃない、神眼はユニークスキルであり、この世では咲さん以外持っている人は本来いないのだからね。
え?本来ってどういうことかって?いやぁ、昔なんやかんやあってね、私個人的に人工的な神眼を作ってたんだよね、一応一つだけ成功させてて、今、私の左目に入ってるのがそれ。つまり、特殊機能がある義眼って訳。
ただ本物の心眼と違うのが発動条件で、本物の神眼は任意で効果をだせるけど私の神眼は片目で見ることが重要なんだよね……左目に入ってる訳だから右目を瞑るなり塞ぐなりすることでやっと左目の神眼が機能するから視野が狭くなるし右目を塞ぐことを意識しないといけないしでめんどくさいんだよね。
ん?神眼を入れる時前の目はどうなっていたのか?
あぁ、確かに、義眼を入れてるわけだし、目が悪いのかって思うよね……まぁその話はまたいつかね。
「あー、あ?あれかな?床の所になんかない?」
「あ、ホントですね、試しに壊してみますか?」
「賛成、元々壊すことを想定されてるだろうし」
というわけで自前の爆弾セット!起動!爆発!穴が空いたァ!でもちょっと壊れ方が危ないんでピッケルでより細かく削っていこうか。
「思った通り、部屋がありましたね、さて、一体何が……え?」
「オオゥ……こりゃまた、凄い……」
「「財宝だね(ですね)」」
辺り一面金ピカり、宝石やら金貨やら選り取りみどりだってばよ。
「ふわぁ……!なんですかコレ!一つ一つが値打ちものなだけでなく全て年代物じゃないですか!これはもしかして数千年前の王国の?あぁ!こっちなんてまだ国ができる前に作られたものじゃないですか!」
「ハッスルしてんなぁ」
咲さんこんな一面があったんやね……
あれ?レイちゃんが私のことを考えてる気がする。ちょっと見て見よ。
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「ハァ……ハァ……凄いですね、これ、とんでもないお宝部屋じゃないですか」
「確かに、売ったらいくら位すんのかねぇ?」
「これほどのものがあればこの世界で1番と言ってもいいほどのお金持ちになれますね」
「そうだねぇ……そしたら3分の1は貯金でもして、後は魔王城に寄付するかなぁ」
「夢がないですね……ソフィさん結構豪快に使いそうなイメージがあるのに、お金には全く興味示しませんよね……」
まぁ大抵は自分でできるからね、お金使う意味があんまりないし。
「さて、とりあえずお宝は異次元ボックスに収納するとして……あれどうします?」
「……どうしようね?」
そう、1番気になるのがお宝に混じって置いてあるなんかサムズアップをした筋肉ムキムキオッサンの銅像である。
アンナノイラナイ。
「まぁ放置でいいですね、お宝お宝~」
そうやって咲さんがお宝をしまおうとした瞬間。
《保管庫の不法持ち出しを検出、盗人撃退マシンを起動します》
あ……(察し)
瞬間、物凄い振動が辺りを揺らす。
揺らす……揺ら……揺らしすぎて地面にヒビ入ってね?
「ソフィさん、これ、やばくないですか?」
「うん、まぁどう考えても危険だよね」
そして地面が崩れ落ちた。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!???」
「うわぁお、下、マグマだよ」
「そんなのんびりしてる場合ですかぁぁぁぁ!?」
「よっと」
とりあえず氷の床を作り出し、空中で咲さんをキャッチ、そして氷の床を靴裏につけた氷の刃で滑る。つまりスケートをしてマグマに落ちるのを避ける。
え?こんな場所が氷も溶けるんじゃないかって?私の氷は特別製だぜ☆
とは言っても咲さんを助けることに精一杯でお宝までは気が回らなかった。
「あぁ!お宝が!財宝がマグマに!」
「命の方が大事大事」
とりあえず咲さんを下ろす。
あ、銅像が、マグマに落ちて手だけが浮かんでる……サムズアップしてたせいかめっちゃ今ターミネ○ターぽくなってるんだけど……
あ、レイちゃんがまた私のこと考えてる気がする。
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「ソフィさーーーん!まだ走るんですか!?」
「いや、そりゃ追いかけられてるんだから逃げるために走るよね?」
「あんなロボットくらい倒しちゃってくださいよ!」
「属性耐性多すぎてめんどくさい。ヤダ」
「うわぁぁぁぁぁぁん!」
結局魔王城に帰る頃には私もソフィもボロッボロになって帰ってくることになった。




