表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷竜少女と魔王様  作者: スシェリー
2/5

Ⅰ レイナとソフィ

「ちょっと!?レイちゃん?また何か新しい書類押し付けたよね!」


青髪の少女はノックもせずいきなり部屋に入ってきてそう叫ぶ。


「はーいはい、変わってなーい、変わってないよーだ。だからもうちょい、ガンバ!」


対するレイちゃんと呼ばれた黒髪の少女はコーヒーを片手に目に隈を作りながらそう答えた。


「いや、絶対多いよね!?どんくらいかと言ったら残り2束だったのが5束になるくらい!」

「いいじゃん、いつもどっかに出かけてるんだから、少しくらい手伝ってよ」

「この前食堂で私の作ったカップケーキを無断でつまみ食いした人は誰かな……?」

「な……ナンノコトカナ?」


レイちゃんことレイナは思いっきり目を泳がせながらそう返答する。


「……書類2束……」

「……1束じゃだめ?」

「1束でもいいけど、後で買い物には付き合ってもらうよ?」

「うにゅ~……分かった……」

「ヨシ!現地は取った!」


青髪の少女、ソフィはガッツポーズをとる。


「……お金ないの?」

「……この世界って美味しそうなものほど高いよね……」


まるでソフィはこの世界では無いところから来たような言い方だが、実際そうなのである。

と言うより、レイナも同じである。


元々、彼……女らは地球に住んでいたのだが、ある時、謎の光に包まれ、この世界に飛ばされた……姿を変えられた(転生と言うもの)総勢約1万人ほどの学生が。


そしてこの世界に飛ばされた学生の殆どがとあるゲームに参加させられている。


ゲーム内容はこうである


____________________________________


半年に1度行われる。


グループ事に分けられ、そのグループは前世での同じ学校、より細かく分ける場合は同じクラスで組むこととなる。


1on1でのチーム戦となり、相手の拠点にあるコアを破壊した方の勝ちとなる。


試合中、死亡した者は本当に死ぬ訳では無く、生き返ることが出来るが、その後試合に参加は出来ない(蘇生などのスキルはOK)。


相手の拠点より後ろへは行けない。


勝者には貢献度に応じてポイントが与えられ、そのポイントを使いアイテムなどを得ることが出来る。


尚、ポイント交換でしか手に入らない世界で唯一の最強武器も存在する(バランス調整のため、デメリットもあり)。


基本的に戦闘にはルールはない。


____________________________________


と言ったところか。


これは転生させられた学生達で行うのだが、これを監視するのもまた、同じく転生者なのである。


それがこの少女、レイナなのである。


他にも監視者はいるのだが、それはまた別の機会に。


そしてまた、ソフィも監視者ではあるのだが、元々プレイヤー(ゲームの参加者)であったが、色々あって今は監視者となっている(それもまた別の機会に)。


あっと、ここで1つ、注意しておいて欲しいことがある。

それは……おっと、どうやらちょうど喋ってくれるようだ。


「はぁ……ソフィはまた何か食べ物買ったのか……まぁ買う理由が理由だから強くは言えないんだけどさぁ?」

「あっはは……というかさ?これってお出かけになんのかな?」

「ん~?どうだろ、確かにデートかお出かけか悩むね……」

「そうそう、今はともかく、転生前は”男”だったからね、分からんねぇ……」


そう、ソフィ、今でこそ美少女なのだが、転生前は男だったのである。


とはいえこの姿になった時間の方が長いので感覚でいえば女性と言ってもいいのかもしれないが、元々男であった記憶を持つ彼女からしたら複雑なのである。


ちなみにだが、レイナの性格も元々はこんなアホ……明るい感じではなかった。前は今とは逆の真面目で頭が固いような感じだったが、ソフィによって変わった。

どのようにして変わったかはまたいつか。


そしてだが、この監視者。役職というものがあるのだが、その中でもレイナはトップに位置する”魔王”の役職を持っている。


だがソフィは監視者としてはイレギュラーだったため、役職というものを持っていない。だからこそこうして自由に外を出歩いている訳だが……


「そういえばソフィ、この前孤児に炊き出しを行ってたよね?あれからどうなったの?」

「んぁ?あぁ、一応今でもちょくちょく通ってるよ?あの子らは最初からこっちの住人だからねぇ……チートらしいチートがないからさ、地道に育ててるよ」

「てことはいつか独り立ちさせるつもりなんだ」

「まぁじゃないとあの子らのためにもなんないしね」


基本的にどこかへ行っており、何をしているか分からないソフィだが、こういった慈善事業などは定期的に行ってたりする。


レイナも初めて知った時は少しだけ放心した。


「まぁとりあえず約束も取り付けたし、追加の書類はやってあげるよ。いつまでに終わらせればだいじょ……」

「ちょっと!魔王様!」


と、ソフィの言葉を遮る形で魔王城かんししゃのきょうゆうじゅうたくで働くメイドの1人が入ってきた。


「あ、ソフィさん、こんにちは、入りしたのですね?……てそうじゃなくて魔王レイナ様!」


ソフィも立場は偉い方の筈なのにさん付けで呼ばれていたりするのは結構ここのメイド達とは仲良くしているからであり、ソフィもこの城の使用人の名前は全員覚えている。


ソフィはそのメイドが入った時にレイナの引き攣った顔をみて怪訝に思い話を横で聞いてみることにした。


「南区域経済管理書類と転生者能力バランス調整書類、この2つの期限今日ですよね!?キチンと終わってるんですか!?」


その瞬間、ソフィの顔が笑顔に変わる。勿論暗い方のだ。


「あれ?レイちゃん、その書類、見たことある気がするな?主に私の部屋の机で……」

「またソフィさんに押し付けたんですか!?」

「ちょっと待って!いや、色々なところに行ってたり、戦うのが私よりも得意なソフィの方がそういう書類もの書くの得意かなっておもって……」


「「だったら早くに言え(伝えてください)!!!!」」




今日も魔王城は平和である。

次回はレイナ視点にしようかなって

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ