武器名 教科書
異世界転生ってのは思ってる以上に過酷なものなんだと実感した。異世界転生して1時間で死にかける主人公って絶対いないだろう。
本当にこのままどうしようかと俺は考える。
考えられるENDは
1 このまま餓死END 何も出来ずに死ぬ最悪な結果になる。
2 城に行けるEND 一番俺が求めている結果
3 コレは夢END…………なわけない
とにかく俺が避けなくちゃいけないのは餓死ENDだ 早く城に向かうって手もありだし、食料を探すのもありだがこの世界は何を食って生活しているかも何も分からない状況下手に動けば無駄に体力を消費するだけだ……
「やっぱり歩くしかないのか………」と俺は休憩を止めて進もうとした時また茂みから
カサカサ…と揺れる。流石に2回目は驚かない
「またスライムか?またツンツンしてや…………」と俺は一瞬で青ざめる。
目の前にはスライムとお世辞(スライムみたいだねってお世辞なのかと疑問に思ったが)には言えなかった。どう見ても毛がふわふわしていて目つきが鋭く、そして四足歩行している生き物が現れた。そして俺を見た途端に歯をガチガチ音を立てる。
「狼《ウルフ》………」日本にもいるがどう見ても日本の方の狼が温厚に見えてくる。
こっちの狼は俺を飯程度にしか見ていなかった。
「…………………」
「…………………」と俺と狼の睨み合いの末
「ワォォォン!!!」と狼の鳴き声を鳴き襲いかかる。
(普通のゲームオーバーなんて予想してねぇよぉぉぉ!!!)と俺は全力で走る。
理不尽じゃないか?
いわば俺はLv1の勇者
武器は素手 高校のバック
装備は高校の制服
どう勝てと?
狼はすぐそこまで迫ってきていた。
「来るなって!」と俺は咄嗟に高校のバックから教科書を取り出して狼の頭を角の部分で強く叩いた。
「ギャイン!」と狼は苦しそうに倒れる。
流石教科書!まさか異世界で教科書が役に立つとは誰も知らないだろう
だが狼もかなり執念深く俺の事を追う
いくら教科書の角で殴っても狼を倒せる感じがしない……そもそも教科書は武器じゃない。
「普通勇者って剣とか使うだろ!?何で俺は教科書なんだよ!」と俺は度々近づいてくる狼を教科書で殴り城まで走っていた。
それからどのくらい走ったのだろうか……1つ言えることがあるとするなら俺は人生で長く走った日なのは確かだ 後ろを見ると狼はいなかった。
「………っはぁ!」と俺は深呼吸をする。
「ホント死ぬかも……」このままだとダメだと俺は立ち上がろうとするがバックが教科書を取り出した時から開きっぱなしだった為中身が音を出した落としてしまった。
「やっべ!」と俺は慌てて頭を下げてバックに急いでしまう。折角狼が消えたのにまた襲ってきたら流石に死ぬ 30秒くらい頭を下げて息を潜めるが足音はしなかった。
「セーフ………」と俺はゆっくりと立ち上がり先に進むことにした。
30分が経過した 一向に城に着きませんおかしいと思う。
「ホント何なんだよ!」と俺は林から飛び出したすると変なものがあった。さっきと同じ種類狼が倒れていた。血がかなり垂れていて………………
「こ……これって………死体じゃねぇか!!!」もう最悪だ目眩がする。初めて見る生き物の死体心臓はバクバクしている。
まだ蟻とか蝶等の死体とは違う初めて嗅ぐ血の匂い……
そして俺は推理小説で覚えてた知恵を使う。
(血は乾いていないということはついさっき殺されたんだな………)と俺は嫌々ながらも地面に付着している血を触る。ベタってしていて二度と触りたくない……
(そして出血部分的に噛まれたんだな…均等に並んでるしな)確かこう言うモンスターの肉や皮毛って売れるんだよな……俺があんなに死を悟ったモンスターがこんな感じで死んでいるということは狼を超えるモンスターがいるということだ。教科書で抵抗出来るものなのだろうか。
「まぁここんところそんなデカいヤツに会ってなしい平気だろう」と俺は狼の死体を置いてって先に向かおうてした時だった。
ドサァ…何かが降りてくる音がした。
「あーこれがフラグを立てるという事か……」と俺は背筋が凍る。だって目の前にはさっきの狼よりも巨大な狼が俺を見ていたのだから………
お母さん お父さん 転生して2時間無惨な様になって死にそうです