表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/39

三 山崎闇斎という人(五)その学問と人となり(二)厳密な文献考証と漢文読解力

 オレが筆録などに引いた書に、本書を見ずに引く書はない。もし古書なければ、ナニナニを引いて曰と書いておいた。他日吟味してみよ。一字の違いはあるまい。(常話雑記)


 『四書』、様々の点本これ有り候へども、独り山崎点甚だ以て正意を得、殊に或問・輯略附属いたし、先ず十分の善本と存じられ候。…方今程朱の学行はれ候は、惺窩に本き山崎闇斎に成り。此の二賢は後学の者篤く尊重致すべき事に存じられ候。別て山崎氏、『四書』の点を正し…朱子の本意を明らかに致されしは、比類無き見識に御座候。   横井小楠書簡(本庄一郎宛)


 横井小楠(1809-1869)は幕末の儒者。既に羅山の道春点、佐藤一斎の一斎点、後藤芝山の後藤点といった諸本が出回っており、それらを比較して山崎点(嘉点)が優れているとした。嘉点は簡潔かつ正確であり、同じ文字には基本的に同じ訓を当てるなど、私見を排し原本を忠実に伝えようとする意図で貫かれているが、それ故に読みとしては柔軟性に欠けるという太宰春台(1680-1647)などからの批判もあった。

 闇斎は孫引きを排して必ず原本に当たるよう力め、また儒学・神道いずれにおいても諸本を集めて校勘し、原型を復原することに熱心に取り組んだ。嘉点本と呼ばれる諸本の刊行はその活動の一端を示す。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ