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一 中国儒学史(一)周王朝まで

1 儒学史概観:漢唐訓詁学と宋明性理学

2 孔子出現以前の中国:聖人堯舜と暴君桀紂

3 周王朝の成立:夢に周公を見ず

4 孔子の出現:「儒家」の成立と諸子百家

5 孟子と荀子:性善説と性悪説

6 漢~唐:朱子学以前の儒学と仏教の隆盛

7 宋~元:朱子学の登場

8 朱子学と陽明学:明代

9 明末以後

附 ざっくり学名箇条書き

【一】儒学史概観:漢唐訓詁学と宋明性理学


 そもそも儒学とはどういう思想で、それがどういった形で日本に伝わり、学ばれてきたのか。

 現代につながる「儒学(儒教)」は、春秋時代末期(BC500年頃)、魯国の孔子を祖として成立する。その後、始皇帝による中華統一(BC221)を経て、BC130年頃、前漢期になって儒学が中華統治の中心に取り入れられ、AD600年頃、その教義に基づいた官吏登用の試験、則ち「科挙」が導入される。だが官吏となるために学ばれる「注釈と訓詁の学」に堕した儒学への反省から、宋代に入って倫理的・思弁的な傾向の強い「理学(性理学)」が登場し、南宋の朱子によって体系化される。闇斎が「朱子と共に謬るなら本望」とまで言い切って学んだのは、この新しい儒学「朱子学」である。


【二】孔子出現以前の中国:聖人堯舜と暴君桀紂 -三皇五帝時代から春秋時代まで-


 儒学の経典のうちの一つ「書経」は、中国の歴史を(ぎょう)帝・舜帝から書き起こす。儒学では完璧な人格、聖人としてよく引き合いに出される人物である。舜の次が禹、禹は夏王朝の最初の王とされる。建国はBC1900年頃で17代続いた。最後の17代目が(けつ)で、「酒池肉林」に耽った暴君とされている。

 臣下であったとうは、商の地を治めていた。舜帝が商の地に封じた「契」から14代目にあたる。湯は部下の賢人伊尹(いいん)の力を借りて桀を追放、殷(商)王朝を開いた。BC1600年頃のこととされる。

 殷は600年程続いたが、後半は暗君が続き、国力は次第に衰えた。BC1000年頃、妲己(だっき)を溺愛した暴君(ちゅう)王の代、周の地を治める昌という名君がいた。後に文王と追号される。昌は衆望を集めながらも最後まで殷の臣下だったが、その後を継いだ武王は、父の意志を継ぐとして諸国を束ねて兵を挙げ、殷を滅ぼして周王朝を立てる。呂尚(太公望)は文王に迎えられた軍師で、武王(当時は発)の挙兵の際に活躍した。

 聖人といえば堯舜、暴君といえば桀紂、そして後に儒学での論点となる、臣下による主君の追放「湯・武の放伐」など、儒学関係の文章でこれらの人名に出会う機会は多い。


【3】周王朝の成立:夢に周公を見ず


 武王は周王朝成立後しばらくして亡くなるが、後を継ぐ成王はまだ年少であり、その補佐を、魯の地に封じられていた同母弟の旦(たん:周公旦)と、文王の代からの功臣で斉の地に封じられていた呂尚(太公望)に托す。ちなみに後に孔子が「私も衰えた、長く周公の夢を見ていない」と嘆いた「周公」はこの魯国の旦で、孔子自身も魯国の生まれである。『史記』は当時の有力な国として魯・斉・晋・秦・楚・宋・衛・陳・蔡・曹・燕の11国を挙げている。有力な諸国がそれぞれ領地を持ち支配する、封建制の時代である。

 周は4代目頃から衰退に向い、BC770年頃に一度東西に分裂する。洛邑に遷った東周が勝利し、これ以降、周を東周、それ以前を西周と称する。時代区分上、ここからが「春秋時代」となる。孔子が整理したとされる「春秋」は魯の年代記のことで、BC722年から書き起こされ、481年で終わっている。それとほぼ重なる期間を「春秋時代」と呼ぶが、時代区分としてはもう少し下って、BC403年、晋が魏・韓・趙の三国に分裂した年を以て春秋時代の終わり、戦国時代の始まりとする。戦国時代は、紀元前221年、秦による天下統一を以て終了する。始皇帝の登場である。

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