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ある日突然父さんが死んだ…
ボクの父さんが死んだ。
突然の事だった。
母さんから聞いた時には嘘だと思った。
でも、母さんの表情を見ていると本当だと分かった。
葬式当日の事だった。
ボクは心の整理ができないまま斎場へ向かった。
お棺の中に本当に父さんが寝ていた。
お化粧のせいかいつもよりいい顔をしていた。
本当にただ眠っているようだった。
ボクは泣き続けた。
お経中も、火葬場へのバスの中でも骨を拾う時も。
あんなに大嫌いな父さんだったのに。
この世からいなくなるなんて夢にも思わなかった。
帰りの車の中で思わず母さんに言ってしまった。
「早く新しい父さんがほしい」
母さんはびっくりして大きな声を出した。
ボクもなんでそんな事を言ったのか分からなかった。
ボクは父さんに甘えたくてもなかなか甘えられなかった。
だから甘える大人の男の人が欲しかったんだと思う。
一緒にキャッチボールをしたりゲームをしたり釣りをしたり。そんな簡単な事だけどできなかった事を一緒にやってくれる大人の男の人がそばにいて欲しかった。
帰ってももう父さんはいない。
慣れっこだったけど、いつでも会おうと思えば会えると思ってから。でももう父さんはこの世にはいない。




