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住めば余計地獄

今年の僕は、どうも運って奴に見向きもされないらしい。

初詣で引いたおみくじが"大凶"だった時は、こんなの滅多に引けないじゃないの!なんて、呑気な事を言ってたけど。

それから…変なの数人に絡まれて、肋骨を骨折はするわ…人件費削減とかでリストラされるわ…

極め付けに、自分家の天井が落ちてきて、三ヶ月間ホームレス…なんて事になっちまうなんてなぁ。

前世でどれだけの大罪を犯したら、ここまでの不幸が一気に降り注ぐかねぇ。


なんて事を思いながら、ネットカフェの一室で、サービスのソフトクリームを頬張りながら、低予算のモンスターパニック映画を観るのが、すっかりここ数日の日常となっていた。


と言うのも、初めのうちは、同情心からか、親切心からか、多くの友人たちが、やれうちに泊めてやるだの、気の済むまでくつろぎなだの、そんな風に擦り寄ってきてくださっていたのだが…莫大な量の荷物と、人間一人が居座るのは、思っていたより何倍も居心地が悪かったようで、一ヶ月目にしてこの有様である。


住めば都…なんて、きっと王様なんかが、でっかい城のでっかい部屋で、マッサージなんかしてもらいながら言ったんだろうよ。

きっとそいつが、今の僕の生活をしたら、住めば都なんて言葉、口が縦に割れようと出てこないだろうね。

それくらい、この劣悪な環境と、やり場の無い憤りに、疲弊していた。


問題はもう一つある。

きっと、察している事だと思うのだが…

元々"宵越しの銭は持たない"ってのが、座右の銘だったので、バカスカバカスカ飲み歩いていたし、友人達への手土産なんかにもかかったりしたし…そう…金がない。

ネットカフェの代金も、地味に馬鹿にはできない。

かと言ってこの荷物…この荷物持ち歩いてバイトはなぁ…

頼りなくはなかったが、背に腹は変えられぬ…と、僕はある番号に電話していた。

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