32/129
猫になりたい
お寝坊さんな あなたの顔踏んづけて
手荒に起こしても 許される
気を引くために 着飾らなくたって
ただそこにいるだけで 愛される
ペットショップのケージで私を見つけて
わかるように壁を ひっかくから
灰色がかった白と黒のマーブルよ
生まれ変わったら必ず 見つけてね
あなたを奪った女に
恨みさえ抱けないような
こんな弱い私ならば
好きだなんて言えやしないから
猫になりたい 愛しいその手で撫でられたい
猫になりたい 悲しみなんて忘れたい
白い朝が訪ればカーテンを開けて
あくびをしたり うがいをしたり
日が暮れたら瞳を まん丸にして
可愛い声であなたを 呼んでみる
ふたりが並んだら
お似合いよとしか言えない
こんな弱い私ならば
人のままじゃ結ばれやしないわ
猫になりたい 愛しいその手で撫でられたい
猫になりたい 悲しみなんて忘れたい
胸が痛んで 涙が出るような
複雑な心などいらないわ
愛されてそれが幸せと
そう思えればそれでいいから
猫になりたい 愛しいその手で撫でられたい
猫になりたい 悲しみなんて忘れたい