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君を待つ傘
いつまでも残したいよ
そう思って写真を撮った
あどけない君の笑顔
あたしの空を陽が照らす
雨の日は傘をさして 元気づけてくれたよね
帰り道並んでこいだ おいかけっこの自転車
ああ何故だろう いつのまにか 離れていた
坂の向こうの空に溶けて消えるように
うれしそうに話す夢を
陰ではうらやんでいた
どこか遠くへ君がいって
しまうこと怖がっていた
君にとってのあたしが あたしにとっての君ならば
ふたり離れることなくそばにいれたのだろうか
ああ君が笑うなら あたしも笑い 見送るよ
坂の向こうの空に旅立つ君の背中を
ひとり帰り道 君を思い浮かべ
教えてくれた歌 少し口ずさむ
調子はずれたその声が たまらなく愛しかった
あたしが歌う声よりも 綺麗に思えたんだ
ああ雨にさす 君からもらった傘
取りに帰るまで待っているからね
曇り空晴らしてね 待っているからね