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コインランドリーダイアリー

東京、初めて会ったの

あなたみたいな男の人

声が優しくて


上京、してきたばかりで

洗濯機もない一人暮らし

コインランドリーで


同じ漫画を読もうとした待ち時間で

不意に手と手が触れ合ったんだ

そこからもう想い止まらなくなった


まだ乾いてないから もう一回まわそっかな

何気なく言ったその言葉

ひとり勝手に嬉しくなった

いつもこの時間に ここに来ているんですか

尋ねてしまったこの気持ち

あなたにはまだ知られたくない


もう今日、は会えないのかな

わざと乾燥機を回して

待っていたんだ


自動ドアが開くたびに

あなただったらいいのにな

なんて考える


初めて会ったときはすっぴんにジャージだった

ほら今ならばオシャレしてるよ

可愛いなんて言われたりしないかな


ほんと何やってんだろう ひとり呟いたとき

寒さに震えて俯くおでこ

缶コーヒーぶつけられた

たまらなく嬉しくて 思わず漏らした笑顔を

むくれて隠したけれど

あなたには気づかれてしまったの


もしこんな日々が続くなら

どうせ給料なんて少ないしさ

洗濯機なんていらないかな

そう考えるくらい

あなたのことばかりなの分かってる?


ある日、あなたは切り出した

東京離れることになると

聞きたくなかった


不意に身勝手な気持ちばかりが押し寄せて

でも気づいたの最初からこの恋

私が見ている夢でしかなかったと


まだ乾いてないからもう一回まわそっかな

何気なく言ったその言葉

これが最後のプラス10分

いつかまたここで会えたりなんてしますか

言ってしまいそうになったけれど

きっとここで終わりにした方が良い


明日になったら洗濯機を買おうかな

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