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飛行船
低空飛行の飛行船
まるで僕みたいだ
高度は下がるばかりで
やがて落ちるだろう
君の声を聞かなくちゃ
心が軽くなるから
重りと思って捨てた
けれど愛していた
一人で飛べるさと
強がってみたけど
地に足がつかなくなったら
途端に泣きそうになった
星を掴みに行くんだと
かっこつけたはずなのに
街明かりばかり見つめては
君のことを探してしまう
見えるわけないじゃん
強い風に煽られて
どんどん流されてく
もしビルにぶつかったら
君も気づくかな
強い君が好きと
言ってくれたよね
なわけないよ 君がいたから
バランス取れてただけさ
星を掴みに行くんだと
君を振り切ったからね
帰る場所なんてもうないんだ
誰もいない島に落ちよう
君に逢いたかった
またいつか飛べるようになっても
君のことはきっと忘れないよ
今はもうSOS書く気も起きないや
このままで独りでいさせて
僕がかつて飛んだ空を
見上げては馬鹿だなって笑って
もう二度と会えないと今更
流した涙が砂を濡らす
君に逢いたかった
空に叫んだよ