彼氏出来た親友...裏切りものぉ!!
拙い文章ですがどうかよろしくお願いします。
某 王城の書斎
僕は恋の魔導書だよ。
あなたは恋に悩んでいるのね。
あなたの悩み...解決に導いて上げましょう。
僕はあなたの運命の相手を見つけて、連れてきて上げられる素敵な魔導書なんだよ。
もちろん同意を貰ってからだけどねっ。
こんな仕事だからねっ。信用って大事なんだ~。
まあ、いいや。ルールを説明するねっ。
一つ、あなたの運命の相手をどんな所からでもあなたの前に連れてきて差し上げます。
二つ、その後、5日間その人に滞在してもらいます。
その間に仲を深めて貰います。
三つ、そして6日目、一度帰って貰って相手に考えて貰います。
四つ、7日目、あなたの前に相手が現れればカップル成立となります。
わ~、ぱちぱちぱち。
まあ、こっちも真剣に選びますんでぇ、カップル成立しなればへこみますよ。
まあ、そんな事はあなたにはどうでもいい話か。
ちなみにですがカップル成立したら、相手は制限つきであなたの所に訪れるでしょう。
制限は相手にしか伝えませんよ~。そうじゃなかったら、おもしろくないですし。
これ等のことを踏まえてあなたはこの私を使用しますか?
「はい」
ふぁいなるあんさぁ?って聞いても意味ないか。そんなキリッとした顔で言われたらねっ。わっかりました。それではあなたの運命の相手の選別に入ります。それではしばらくお待ちください。
「貴方に最高のパートナーを選んで上げましょう」
日本 某田舎
「夏っ、やすみだーーー!!」
暑苦しい昼下がりに元気よく上げられた手で汗が飛び散る。
私、神無 柚子はあまりの嬉しさで、そう声を上げてしまった。
ここは、◯◯高校の一年B組の教室なのにだ。しかもショートホームルームの真っ最中。
「お前はぁ、何をアホなこといってるんだ!!。
お前だけ夏休みを無しにするぞ!」
「へっ、へい~、お代官様ぁそれだけはご勘弁をぉ。」
「また、何を言い出すかと思えば、まあいい、私のぉ、
心はぁ、今ぁ、寛っ大だからなぁ。」
先生はこめかみをピクピクさせながら私に苦笑いを向けてきた。
「邪魔が入ったが今日はこれで解散だ。取り敢えず不祥事
だけは起こすなよ、絶対だぞ。私も暇じゃないからな。
後、不純異性行為もだぞ。私より先に卒業とかダメだからな。」
自分の都合と男性経験が無いことをカミングアウトしながら、一学期最後の授業が終わった。
「あれはないわ~、ゆずっち。」
帰り道、いつものバスに乗り、幼なじみの藤堂 蘭子と話していた。
「わかってるよ~、でもねっ、神様がそうしろと言ってた気がするの、これってぇきっとお告げだよね~。」
なにをバカなこといってんの見たいな顔を私に向けてきた。失礼な。
「それはそうと、今年の夏休みどうする?」
私は話をそらすために聞いてみた。すると蘭子は私に自慢したさそうなドヤ顔を浮かべていた。
「私ぃ、彼氏出来たんだぁ。」
蘭子はグングニルの性能を持った言葉の槍を私に投げつけて来た。クリティカルヒットだ。当然でしょっ、追尾してくるのだから。
「いっ、いつの間に? いつも一緒に遊んでたのに、いつそんな時間が...、まさか2次元とか...。」
かわいそうな目で蘭子を見つめると、怒ったような仕草をしてから、バックの中にある携帯に手を伸ばした。
携帯の画面を私の顔の前に突き出して来た。そこにはイケメンの男と蘭子がピースサインを目に当てている写真があった。
「この前ねぇ、東京行ったじゃん。その時にねぇ、たまたまこの人とカフェで相席になってね~。仲良くなってLINEするようになったんだぁ。そんでぇ、つい先日告白されてねぇ~、長距離恋愛になったわけさぁ。」
蘭子はいつものダルそうな様子からは想像も出来ないようなニヤケ顔で私にノロケ話をしてきた。うっ、うーっ、口から砂糖が...。
「そういやさぁ、長距離恋愛って上手くいかないって聞いたんだけど、どうなの?」
私は皮肉のつもりで、裏切り者にいってやった。すると蘭子はますますニヤケ顔になって。
「あー、それ私も聞いたことある~。まあ、私達は今のところベストカップルだよ~」
私に会心の一撃、9999のダメージを受けた。おーなさけない、ゆうしゃゆずこよぉー。
なんて考えながら今日のバスに乗っている間は蘭子のノロケ話を聞き流していた終わった。 キツい。
柚子の自室
「蘭子ズルい、蘭子ズルい蘭子ズルいズルいズルいズルいずーるーいー。」
ぼふぽふぽふぽふぽふぽふぽふ
あまりの悔しさに私は自室の枕を叩いた。
完全に羨ましかった。
家に帰り、自室の中に直行。胸元のリボンを外しカバンを机の横に投げ出してベッドにダイブ。そのままゴロゴロ転がり枕を叩くという行為に至った。
これが、友達に恋人が出来たのなら祝福して終わっていたのだろう。
しかし、幼なじみとなれば話は別で、どこか寂しい気がしたのだ。
「あ~あ、異国のイケメンと恋愛したいなぁ~。」
ガチャっ
「柚子ちゃんや、妄想を口に出す前に、晩御飯出来たから来て~、って呼んでるんだから、返事を口に出して欲しいな。」
急にドアの音がなると、おばあちゃんが顔を出した。
やばい、可哀想な人を見る目をしている。
「ごめんなさい、今行かさせていただきます。」
私は恥ずかしいのを我慢しながらお茶の間に行きテーブルに着いた。
今日もハンバーグがおいしかった。
晩ご飯を食べ終わり、風呂に入り自室に戻った。
するとなぜか部屋にある机の上に、本と置き手紙があった。
(ばあちゃんがおいたのかな?)
おもむろに手紙を手に取ってみると、そこにはこう書いてあった。
ついさっき、あなたからの願望を受信いたしましたwww
異国のイケメンと恋愛したいですってぇ。
たいそうな願望だね。
そんなうまい話あるわけないでしょ
...と、言いたいところだけどねっ。
実はあるんだなぁ~これが。
異国のイケメンと縁談話がっ。
もしその美味しい話に乗りたいならぁ~
この魔導書を開けて見てよ。
その瞬間から~僕の魔導であなたを5日間異国にご紹介しましょう。
いい話でしょ~だからねぇっお願~い。開けてよぉ~。
あと、開けるなら家族の人に旅行するといってねぇ~。
by恋の魔導書
な~にこれ~。胡散臭い☆
とりあえず、ばあちゃんで無いことだけは確かだ。
他の家族は海外だし...まさかっ、幽霊っ。
んな訳ないか。
とりあえず私は机の中から落書き用紙を取りだした。
そして、ベッドに放り投げていたバックの中のペンケースから、
筆ペンを取りだし一言、
「 一週間 遊びに行って来ます。」
そして、本を開けると七色の光が私を包んだ。
だって悔しいんだもん。