表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たった1つの願いのために……  作者: たかみん
10/11

第9話 欲望と聖戦 (下)

大学の講義中じゃないと執筆が進まず、遅くなりました。拙い文章ながらも残酷な描写がありますのでご注意下さい。




ラズヴェードという第一印象が変態よりも悪質な人間というイメージしかない青年と彼の側に立っていた獣人族のキャロルと出会ってからもう数年が経っていた。彼らは瞬く間に成長して中位の冒険者と同じくらいの実力を持っている。


そんな将来有望の彼らは聖戦という経験したくないほど惨い戦いに巻き込まれてしまった。そこに誇りや名誉なんて眩しいものはない。ただ生を求めて相手を嬲り殺したり欲を満たすために女性を辱めたりなど、人間や魔族の本性を目の当たりにし運や実力がなければ被害者になり、逆に勝者であっても"まともな精神"を持っていたらその精神を擦り減らして生きるのが辛くなったりするだけで喜ぶのは教会と国の上層部………


「……アレット、心配?」


そう声を掛けて来たローブの少女はセリア。彼女は幼少期から魔法について学んでいて、国内の魔法使いの中でも上位に入るほどの実力者でもある。


「あぁ。すまないな。さて、シルファ、セリア………私と共に逝ってくれないか?」


「……愚問。私達は3人で1人」


「私はアレット、貴方となら例え神と敵対しようとも着いていくと決めている。」


「………2人とも……ありがとう」


そうしてアレットは穏やかに微笑み、顔を引き締めて視線を前に戻す。目前には数え切れないほどの魔物が蠢いていた。




暫くして、遂に聖戦の火蓋が切って落とされた。激しくぶつかり合う人間と魔族。殺し、叫び、殺される。そういった事が続けられていく内に、どんどん時間の感覚が失われていく。倒せど倒せども次々に魔物と戦うことになり、各国の騎士団で構成された連合軍は安全圏で眺めているだけで終わりの全く見えない戦況は正規兵ではない冒険者たちの士気を滝が流れるかのように下がっていく。何時間が経った頃だろうか。冒険者たちが武器を捨てて逃げ出そうとした矢先に"希望"が現れた。その"希望"とは2人組で、片方は白銀の胸当てや篭手を装備しており、赤いマントを靡かせて右手にはロングソード、左手には五角形で表面には紋様のような呪文のようなものが描かれた白銀の盾を携えた色の髪で男で、もう片方は白いローブを身にまとい、右手には先端には高価で希少な素材として有名な水晶の付いた魔道杖を携えている。ローブのフードで顔が明らかではないものの胸の膨らみからして女性と窺える。


男がロングソードで一度(ひとたび)薙払えば魔物は数十単位で屠られ、魔物達の数にものを言わせた突進は女性が塞ぎ、そして彼女の魔法はたった1度の発動で数千の魔物が跡形も無く消されていった。彼らの登場から2時間で逃げ出すのは人間から魔物に変わり、その1時間後には冒険者たちが魔物を追撃するほどにまで戦況は覆った。こうして13時間以上の激戦は2人の登場で呆気なく幕を閉じた。この戦いで2人は「異世界よりこの世界を救いに来た勇者である」と教皇が告げ、民衆は歓喜した。一番の被害の大きかった冒険者は約3万6000人が行方不明・死亡するも大した報酬も無く連合軍と冒険者の確執は深くなった。しかし、冒険者だけで戦わせる訳にはいかないと命令を無視して前線で戦った有能で果敢な騎士は51名の殉職するも多大な名誉と金が遺族に送られた。


連合軍によって戦死者・行方不明者のまとめられたリストにはアレット、シルファ、セリア、キャロル、そして……ラズヴェードの名前が乗っていた。

この戦闘での詳細は後々明かしていきたいなぁ〜と思っております。



お………お、終わりませんからね!?これからこの話は始まるのですよ!!







フラグじゃないですからね!!!

それではまた会いましょう٩(>ω<*)و

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ