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女神の箱庭II =ツナガルセカイ=  作者: 山吹十波
第1章 世界と、世界
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#01-07 戦闘開始<オープンコンバット>

戦闘の最前線へと人間を超えた速度で駆けながら奏は作戦を考える。


「一番前に鋼蟻がいる以上、重火器だろうと戦車だろうとたいした効果はありません。下がらせてもいいですか?」

『構いません。弾代だってばかになりませんから』

「そういう事で、大塩一尉。陸軍部隊を後方まで下げてください」

『は!?いきなり何を!?』

「こちらフリューゲル1。クーゲル隊、聞こえるね?今から私が指揮を行います。まあ、私は制限付きで武器なしだから大した戦力にはならないけど――おっと、2時の方向から獣型3体、自衛隊の皆さんはそっちに戦力を集中させてください」

『こちらは大塩。突然、なんだ君は!?』

『彼女は私の部下です。指揮権は彼女に移譲していますので従ってください』

『しかし、まだ若い少女に』

「大丈夫です。死線は潜ってますから」

『こちら、クーゲル1。これより、フリューゲル1の指揮下に入ります』

「了解。すぐそっちに向かうから」


辿り着いた最前線。

目標は見慣れた魔物。


「わっ!やっぱり奏さんだ!」

「久しぶり、美咲」


唐突に抱き着いてきたミサキを受け止める。


「さ、早く片付けてお話ししよう」

「そうですね!クーゲル3、参ります!」


自衛隊の部隊は下がっており、美咲らクーゲル隊もある程度自由に立ち回れるようになった。


「クーゲル1と3はそのまま突っ込んで」

「「了解」」

「カイト――じゃなくてクーゲル2とクゲール4は前二人の補助と討ち漏らしを潰して。クゲール5は私とサポート」

「「「了解です!」」」

「鈴音さん私の索敵結果を送信できますか?」

『すいません、新型機じゃないとあまり意味がないかと』

「あ、そうですね。じゃあ、今回は私が指示を――12時の方向、敵数8、その奥に23」

「行くぞ、美咲!」「わかってる!」


奏の命令に翼たちが駆けて行く。なんだか懐かしい気持ちに浸りながら、奏は次の手を打つ。


「美星、メイン武器杖だけど、何ができる?」

「威力はイマイチですが魔法撃てます」

「なら負傷者の救護できる?」

「やります!奏さんはどうするんですか?」

「私はここで敵の数見ながら指揮かな、あとは――『覇道の幻神の名において、この領域の神域化を行う』」


周囲の地面が青白い光を発した。ただそれだけに見えたが、


「この光ってる範囲は少しの間魔物は不可侵の領域になってるから」

「恒久的に、とはなりませんか……」

「まあ、魔力もないしね……怪我人の救護はよろしく――クーゲル2、1時の方向に6体」

『了解です!』

「大塩一尉、本隊から10時の方向に3メートル級の蛾タイプの魔物15体。頭を潰せば死にます。それか羽を潰して落としから仕留めてください」

『あ、ああ、了解』

『クーゲル1、鋼蟻31体の掃討完了』

「了解、一度戻って」

『鈴音です。こちらの戦闘は終了しました。援軍を送りますか?』

「大丈夫です。すぐに片付きますよ――クーゲル3、5秒後にそこから2メートル北に3体出るよ」

『潜ってるんですか!?――わ!?ほんとだ!?』

『こちら、クゲール4。怪我人3名回収しました』

「一度戻って来て。美星」

『あ、はい!クゲール5行きます!』


マップを見る。

エネミーを表す赤い点はずいぶん減ったが、自軍の青い点が自分を含めて6つなのはいいとして、自衛隊が全員第三勢力(グリーン)で表示されているのは私が悪いのだろうか、と考えながら指示を出す。


『こ、こちら、クーゲル4。すいません1体逃がして本部の方に!』

『え、奏さん戦闘力ないんでしょ!?』

『い、急いで戻ります!』

『こっちも終わりました、すぐに戻ります!』

「あ、熊型か。ちょっとかわいくはあるけど、まあ、でかいよね」


こちらに走ってくる巨大熊を眺めながら奏が呟く。


「奏さん。ここからでなければ大丈夫なんですよね?」

「まあ、ね。でも、あのくらいなら」

「あ、え!?」


奏が駆けだす。


「自分で動けないって、やっぱりストレス溜まるんだよね」


ぐるる、と唸った熊の突進をかわし、臀部へ蹴りを放つ。

勢いよく吹き飛ばされた熊は、不可視の障壁に衝突し、高い鳴き声を上げる。

逃げようと起き上がった熊の腹に回り込んだ奏の掌底がきまる。さらに、そのまま腕を引き顎を撃ち抜く。


強い衝撃で脳が揺れた大熊はその場で気絶し、ずん、という音を立てて倒れる。


「まあ、殺すまではいかなかったかな。カイト、トドメ」

「あ、はい」


遠くから熊が落とされる姿を茫然と見ていたカイトがその剣で熊に止めを刺す。


「これで全部?」

「はい。そのはずです」

「こちら、フリューゲル1、掃討完了。帰還準備に入ります」

『お疲れ様でした。降下ポイント付近にヘリが着陸しています』

「了解。みんなもお疲れ様」

「奏さん!」「奏さーん!」


美咲と美星が勢いよく奏に抱き着く。


「二人とも久しぶりだねー」

「なあ、翼。これオレも行っていい奴かな?」

「普通に考えてダメだろう」

「……ええっと」


1人奏と直接的な繋がりの無いフリューゲル4――谺弥生子は5番隊所属。

翼、海翔、美咲は言うまでもなく元部下。

美星も第3研究室に所属していたため、奏の元部下。


「とりあえず、みんな無事でよかったよ。翼は大学生だっけ?」

「はい。実家神奈川なんで、東京まで通ってます」

「敬語使わなくていいのに……というか私か」

「いえ、気にしないでください」

「奏さん!お久しぶりです」

「海翔も、元気だった?そういえば、タツヤはどうしてる?」

「タツヤなら、東北・北海道周辺のメッサー隊に入ってますよ。ちなみに、クーゲル隊は中部全域です。といってもみんな神奈川か静岡ですけど」

「なるほど。東京は5つ置いてるけどシャッテン隊とかはしょっちゅういろんなとこに遠征してるね」

「そうなんですか。ところで部隊名って誰がつけてるんです?」

「キクロさん」

「え!?あの人来日してるんですか!?」

「うん」

「東京吹き飛んだりしないですよね?」

「まあ、フィリーネさん居るし大丈夫じゃないかな――じゃ、そろそろ戻ろうかな」

「えー!奏さんご飯食べに行きましょうよー」

「私も行きたいですー」

「えー……お財布置いてきたんだけど。それに遥人さんのとこのヘリで帰らないとだし」

「えー……じゃあ、ゴールデンウィークに遊びに行ってもいい?」

「まあ、それならいいけど。どうせ予定ないし……でも、美咲。同い年なら受験生でしょう?」

「うげ、それは言わないでくださいよ」


とりあえず全員と連絡先を交換し、弥生子には杏理の連絡先を許可を得て伝えた。


「じゃあ、またね!」


茫然とする自衛隊員を放置したまま奏はヘリで飛び去った。


――――――――――

響 奏

Lv.1 → Lv.11


獲得称号

『女神の聖域』 物耐+15%/魔耐+15%

『集う勇士』 物攻+5%/運+10%

『指揮官』 器用+100

『統制』 ALL+1%

『熊狩り』 物攻+1%

『神格IV』 ALL +3%/EXP+10%/SP+25%

『覚醒者』 スキル取得率上昇(極)



獲得スキル

《SS》“神格”

《B》“近接防御”


強化スキル

《SS》“神格”(1/999→999/999)

《B》“近接防御”(1/100→100/100)

《5S》“神格IV”(1/999→999/999)


複合・昇華スキル

“神格III”+“神格”→“神格IV”


――――――――――

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