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ハーレム厳禁異世界転生 転生したら恋愛経験で強化されるチートを貰ったのでゼロから頑張ってみる  作者: オザキイチロウ
プロローグ

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3/13

プロローグ③

「ちなみになんですけど」

「うん!」

「なんで恋愛する方を選んで欲しいんですか?」

「完全に下心だね」

「へっ!?」

 一瞬で返ってくるのは、あまりにあけすけすぎる回答だった。いや、下心って……。おいおい。女神の割りに俗っぽいな、この人。いやまぁ、尊大じゃなくて逆に信用できるけどさ。でも俗っぽすぎる。俺の中の神のイメージが崩れ去っていくぜ……。あと、急にこうなってちょっと心が追い付いていかないよ。まぁ気分変わって元気は出たけどね。

「やっぱり愛の女神だからさ、人の恋愛ってすっごく見たいんだよ。でも私の世界に居る子たちはやっぱり私の子供みたいなものだからさ、見てるとハラハラしすぎちゃうわけ。ああした方が良いのに、こうした方がいいのにって」

「は、はぁ……」

「だから、異世界人のキミってわけだよバンくん。キミならまぁ、私の子では無い訳だし?恋愛する様子を楽しんで見れそうかな~なんて思って」

「うわ。俺で恋愛リアリティショーってやつやるつもりですか」

「まぁ、ね?」

「うわ~」

 てかこんな質問も認めちゃったよ!?マジであけすけだな!?普通もうちょっと自分の欲望隠すよね!?

「あ、でもプライベートなとこにカメラは無いから安心して!」

「カメラ!?カメラって言いました!?まさか神様たちの間で俺の痴態を回し見したりするんですか!?そうでしょ!そうなんですね!」

「しないよぉ!私、友達居ないし!」

「……あ、すいません」

「許しません」

「そんなぁ」

 しかも女神なのに俺と同じような地雷あるし!?い、意外と寂しい人なのか?

……うん。やっぱりこの人、悪い存在じゃなさそうかもな。本当に悪かったらもうちょっと良いように取り繕いそうだし。

っていうか恋愛リアリティショーか。見応えあるものを提供できるか不安だけど、この神様ならあんまりドロドロしたのを見たいわけじゃないよなたぶん。だってさっき純愛過激派って言ってた。じゃあ普通に恋愛すれば良さそうか。なら気負わなくていいな。ま、それしか俺にはできないだろうけど。……それもできるか分かんないけどね。

「ちなみに、理由はもう一個あるけど、こっちは個人的なことで恥ずかしいから秘密ね。ま、キミの恋愛経験値がたくさん溜まったら教えてあげようかな」

「おぉ。っていや、まだそっち選ぶと決まったわけじゃないですよ?い、一応ね?あとで後悔してもいやなので」

「うんうん。分かってるよぉ~」

「うっ……。そのニヤニヤした顔やめてくださいよ……」

「えへへぇ~」

 正直まだ不安だけど、一度断ろうとした手前ちょっと恥ずかしいけど、なんか「分かってるよ」とでも言いたげな顔向けられて照れるけど、そうこうしているうちに天秤は恋愛の方へと少しずつ傾きつつあった。

だって、「真実の愛」は、すっかり忘れていたがひどい育ちの中でもずっとあると信じたかったモノなのだ。心のどこかでうっすらと、でも確かに求めていたものなのだ。小さい頃見た、とあるアニメの影響で。どれだけ人間関係というものに対して、恋愛というものに対して絶望させられようとも。

「でも、恋愛の経験なんてどうやって判断するんですか?」

「っ!よくぞ聞いてくれたねバンくん!何を隠そう、その質問を待ってたんだよ!」

「へっ」

 だから後悔の無いようさらに質問を重ねると、突然女神様のテンションが跳ね上がった。

「これを見てくれたまえ!」

「え?これって……何もない、ですけ――」

 大きな身振り手振りで彼女の左後方が指し示される。そこには、何も無かった。そのはずだった。

「えっ!?」

 だが次の瞬間には、小上がりとなった場所の上に円卓と、それを囲むように等間隔で置かれた5つの椅子、そしてそこへそれぞれ座る5人の、女神様とそっくりの女性達が現れていた。ずっと見ていたはずなのに、何の予兆も無く。まるで以前から存在していたかのように。

「はい!それじゃ、一応リーダーである理性の私から自己紹介して!」

「えっ、あの……」

「……はい。その前に、大丈夫ですか?恋ヶ崎伴さん」

「あ、は、はい……」

 全然大丈夫じゃないです。意味の分からない事が起きてちょっと気持ち悪くなってきました。正直なところそう言いたかったが、まぁ全能ってこういうことなのだろうと呑み込む。

……っていうか、恋愛経験を積んだらこんなこともできるようになるって事?それは、ちょっと楽しそうかもしれないな。あんまりやるとすぐ飽きそうだけど。……だから俺を異世界転生させて楽しもうとしてるのかな、この女神様も。全能で暇だから異世界人の恋愛を娯楽にしたいとか。う~んやっぱり俗っぽい。

「分かりました。それでは、私たちについて説明させて頂きます」

「あ、よろしくお願いします」

 対して円卓の一番向こう側にいる女性――眼鏡をかけている。ってか、スーツも着てる!?いかにも真面目って感じすぎるでしょ!?時代感もおかしいし!――は、こちらへ軽く会釈すると、なんだかイメージ通りの神様っぽく?やや抑揚のない声で話し始める。ちなみに容姿だけでなく声も女神様とそっくりだ。ていうか同じと言ってもいいかも。それでも見た目とかでだいぶ印象が変わるけど。

「私たちは……女神恋愛評議会。女神ラハヴェの複製体、いわばコピーです。そして、彼女の性格それぞれを強調して生み出されています」

「ほぉ」

「もし恋ヶ崎さんが恋愛によって強化される能力をご希望の場合、私たちがあなたの恋愛経験について評価し、そして結果に応じたポイントを付与させていただきます」

「なるほど」

 流暢に並べられていく言葉は、滑らかに頭へと入ってくる。やっぱりなんだかこっちの方が神っぽいぞ。いやむしろまともすぎて神っぽくないか?分からん。神が分からん。

「具体的には、か、神様ポイント、KPを、ですね」

「けーぴー?」

「……はい。そちらを自由に様々な技能や身体能力へ割り振って、ご自身を強化して頂きます」

 あ、ちょっと恥ずかしそうにした。確かにちょっと安直なネーミングすぎるよな。神様ポイントって。ってか女神恋愛評議会って。「理性の私」って言ってたし、勢いとか思い切りが薄い中だと流石に口に出すのは抵抗があるんだろう。

「んんっ。そして、強調された性格は私から時計回りに理性――」

「りせちゃんね」

「倫理観」

「りんちゃんかな」

「情熱」

「え~っと……」

「欲望」

「う~ん……」

「慈愛となっています。それぞれが何を好み何を嫌うかは、また今度にしましょうか。あまり一度に教えても覚えづらいと思いますから」

「ありがとうございます。助かります」

「いえいえ、気になりましたら、いつでも質問してくださいね、恋ヶ崎さん。各地にある教会などで祈れば、すぐにここへ来られますので」

「はい!」

 そして無視される女神様。やっぱりネーミングが安直だ。安直すぎて途中から浮かんでないし。それに引き換え理性さんは真面目だし意外と優しい。やっぱり愛の女神のコピーだから、根本には愛の強さがあるんだろうか。

「またその他にも、私共と致しましてはやはり恋ヶ崎さんに恋愛の方を選んで頂きたいので、先ほども申し上げた通り色々と特典をご用意させていただきました」

「おぉ。はい」

「一つ目は――」

 続く説明も非常に分かりやすかった。優しいどころか、めちゃくちゃに優しいかも。簡潔で、気になるところもしっかり押さえてくれた。あとなんか雰囲気が柔らかくて質問もしやすかった。

どうやら恋愛の方を選ぶと、少し前に言われた通り家とか貰えたりとかするらしい。あと何より顔が「普通」だと思われるようになったり、いわゆる清潔感が出るような髪型や服装に自動でしてくれたりするとか。ヒゲも勝手に生えないから剃らなくていいってさ。それに生えて欲しくなったら生やせるし。

う~ん。俄然興味が湧いてきたぞ。正直ちょっとそこも不安だったんだよね。前世で人から好かれなかったのは性格だけじゃなく顔も原因だったんじゃないかと思ったこともあり。そういうのが解消されるとなると、いよいよそっちを選んでいいかもしれない。

「では恋ヶ崎さん。転生の際の能力は、どちらを選ばれますか?あぁ、まだご質問がありましたらもちろんご自由にどうぞ。いくらでも答えさせていただきます」

「はい。ありがとうございます」

「それと、今から転生を取りやめることも可能ですので、わたくし共の事は気にせずお選びくださいね。最優先されるべきは、あなたの幸せですから」

「っ!はい!」

 ぶっちゃけたことを言うと、もう情も湧いてた。これだけ良くしてくれる人に何かお返ししたい気もする。それで前々からずっとしたかった恋愛もできるとなれば一石二鳥じゃないか?

「……それでは、説明は終了でよろしいでしょうか」

「うん。大丈夫です」

「では、お返しします」

「は~い。ありがとねりせちゃん。いや~助かったよ。私だと時々暴走しちゃうからさ」

「いえ」

 再び女神様の本体が目の前にやってくる。実際はもっと長い時間をかけて考えるべきかもしれないけど、もう心は決まりつつあった。優しい顔を見るとさらに強く思う。

 そういえば、前世ではあんまりやりたい事って無かったな。正確にはあったのかもしれないけど、最後の方はもう絶望と悲しみに占領されていた。だから、何かをしたいなんて思うことも無かった。どうせすぐ死んじゃうっていうのもあったし。

 でも今はとりあえずできた。うん。この女神様に喜んでもらいたい。ふとこれが死ぬ直前の夢かもしれないと思うけど、だとしてもこんな清々しい気持ちで死ねるなら構わない。世界と自分を憎しみながら消え去るだけだった俺にそこまで思わせてくれた相手が得して、さらに自分にだって得があるなら、選びたい選択肢は一つだ。

「それじゃあバンくん、決まったみたいだし、もう一回聞くね?」

「はい」

「キミは、どうしたい?」

「俺は――」

 そして俺は、異世界転生をすることになった。これまで全く経験無い恋愛をすれば強化されるとかいう、正直もう一個の方が賢い選択だったかもしれないチートを携えて。

でも!となればせっかくだし恋愛しまくるぞ~っ!それに、実を言うと女神様が求めるような純愛したかった気もする!ハーレムじゃなくてね!うん!そうなれば身体だけの関係とかもっての外だ!清い付き合いをしまくろう!いやしまくっちゃダメか?……ともあれがんばろう!せっかくだからね!そして最後には絶対に、心の底から愛されてやるぞ!好きな人に!

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