表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】『箱庭の贄姫』は呪い以上の愛を知ることに  作者: 櫛田こころ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/43

第40話 愛しい人がさらに美しく

 夜中にレティのことでメイドのひとりが式手紙を寄越してきたとき、今度こそ魔族らの襲撃かなにかかと思ったが、そうじゃなかった。


 レティに異変があったらしい。しかも、俺には良い意味で。年相応の成長が乏しくて控えめな体つきをしていたレティだったが、彼女が叫び声を上げたと同時にメイドらが確認したところ……『成長していた』とだけ、断定した言葉が書かれていたのだ。


 先に到着していた、シスファやナーディアにも確認されていたが『姫ですか?』『レティ?』と聞かれれば、少し高い声で『……はい』と返答があった。


 前のようにレティの年齢そのものの愛らしい声ももちろん、好きだったから『いつまでも聞いていたい』とかあったよ? 


 だけど、この声……俺より年下なのはわかっているけど、なんか……その、レティだったとしても『色っぽい?』と思えるくらいに胸の奥がドキドキしてきた!? 本当に俺のレティなのか確認しようとしたら、ナーディアに護身用の剣を向けられ……待ったをかけられた?



「殿下。今見たら、即刻でレティにキスとかハグしまくるだろうからダメでっす!!」

「なんで!? そんなにも」

「女のあたしから見ても魅力的なの同意したくなるからですよ!! だから、一度帰ってください。明日の朝までこっちはなんとかしておくんで!」

「そんな!? 愛しい女性の艶姿を拝めずに寝れるわけないだろう!?」

「だからですよ!!? 野獣と化して、襲いかねないだろアンタ!?」

「あ!? 幼馴染みの口調に戻ってもそうはいかないぞ!!?」



 ナーディアは乳兄弟の妹だから、近衛騎士団希望のときは『炎帝』の家系としては贔屓目はあったものの、実力で副団長のひとりにまでのし上がった実力者だ。だから、普段から気兼ねない話し方をしているが、ここまで砕けると奴の兄同様に身分とか関係なくなってきてくる。


 ちなみに、兄は文官なので将来俺の宰相候補とまで言われているエリートだ。



「……お静かに! いつの刻限だと思っているんですか!?」



 そして、シスファもそのひとりだが口調だけは砕けたものにはならないらしい。


 とはいえ、たしかに明け方にはまだほど遠い刻限に押しかけてしまったので……レティの顔を見たくても見れないのは悲しい。声をかけてあげようにも、シスファにしがみついているように見えるのが俺としては悔しいんだもん!!



「だってさ~? 殿下がレティ見せろ見せろってうるさいじゃん? まともに服着てないからだめっしょ? 輿入れ前の女の子に」

「それは私も同意見です。これはいけません」

「なんでふたりして俺をいじめるの!?」

「姫のためです」

「レティが嫌がっているようだし」

「レティ?!」



 声だけでも、とシスファの後ろにしがみつく銀髪……なんか、いつもより艶やかで長い? 帝国に引き取ってからは一度整えるのに毛先は俺が切ったけど、それ以上に長いような……? 『魔王』の反応は返ってこないのは城に戻ってきてから何回か聞いたけど、まさか今更なにか作用が出たのだろうか?



「……すみません。ジェイク、様。これ以上は」

「レティ……!?」



 掠れた声すら、絶対に綺麗で可愛く成長してしまったんじゃって予想がつくよ。そういえば、月のものとかが今まで来ないように毒獣を食べさせられていたし、あの死んだ魔族や魔力脈とかに……『贄姫の魔力』とやらをたっぷり吸わせたから、本来の成長が進んだのかもしれない。



(たしかに。美女とかにまで成長しているレティをたったひとりで拝んだとしたら……!!?)



 まず間違いなく。ハグとキスの嵐をお見舞いしまくって、引くぐらいに恐怖を与えてしまうだろう。可愛くて綺麗な婚約者がさらに魅力的になってしまったら、俺は……俺は、周りに誰彼いても関係なく愛情表現を露わにしてしまうんじゃ??


 そんな事態、まだまだ初心者のレティには『毒』に等しい!! 俺がきちんとリードしてあげなきだから……ここは我慢しよう。なんとか退こうと扉に向かうことにした。



「……ジェイク、様?」

「シスファ。俺は万が一のことも考えて、表に居た方がいいかい?」

「はい。そうですね……殿方としては、その対応で」

「わかった。レティ? ふたりの指示をよく聞いてほしい。俺が必要だったら、遠慮なく呼んで?」

「……わかり、ました」



 頷いちゃうくらい、恥ずかしいのを今すぐ抱きしめに行きたいんだけど!!? それが出来ないくらい成長具合とくれば、シスファたちに頼った方が賢明だ。メイドらにもあとを頼むように告げ、部屋の扉を閉めたが廊下には誰もいなかったのが幸いだ。


 転げこそはしなかったが、思いっきりしゃがんで強い溜息を吐いたくらいにはショックだったし。



「……いつ、見れるんだろう」



 元から肌は白い方だったし。血色が悪かったのが潤艶くらいに改善とか? 目もぱっちりがまつ毛ばさばさの可愛くて綺麗な女の子になったのかな? さっきの四人だと、俺の好み傾向は……などと、考えを逸らしておかないとここで待機できる自信がないので、仕方なく青臭い男の恋愛事情をもう一度考え直すくらいには頑張った。


 結局、呼ばれたのは明け方にはなったが『やっぱり、ダメです!!』とレティの服を母上のお古から持ってくるところからのスタートになっちゃったよ?! 俺ずっと耐えてきたのに、レティ……酷いよぉ。

次回は火曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ