表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

深夜のトイレ

作者: あい太郎

中学の時の話なんだけどさ、部活で遅くなって、夜9時くらいに学校を出る前にトイレ寄ったんだよ。

そのトイレって、古くて有名な「出る」って噂のある場所で、でも俺はそんなの信じてなかった。


トイレの電気は蛍光灯で、チカチカしてた。

中に入ると一番奥の個室だけドアが閉まってたんだけど、下の隙間から誰かの足が見えた。

真っ白で、細い足。靴も履いてない。


「あ、誰かまだ残ってんだ」って思って、小便してたら、個室から水を流す音がした。

でも、その音がやけに長い。ジャー…ジャー…って、20秒くらい止まらない。

変だなと思って振り向いたら、さっきまで閉まってた個室のドアが半開きになってて、足が見えない。


誰か出たのかと思ったけど、トイレから出ていく足音もしない。

ちょっと怖くなって手を洗わずに出ようとしたら、背後から水が一気に流れる音がして、同時に個室のドアがバン!って閉まった。


その瞬間、背中に氷水ぶっかけられたみたいに寒気がして、振り返らずに外に飛び出した。

廊下を走ってたら、トイレの方からコツ…コツ…って裸足で床を叩く音がついてくる。

曲がり角を必死で曲がっても、音は同じ距離でついてきた。


職員室まで走ってドアを開けたら、先生がいて助かった。

でも先生と一緒に戻った時には、トイレは全部の個室のドアが開いてて、もちろん誰もいなかった。


それ以来、俺は学校のトイレに一人で入れない。

特に、あの一番奥の個室は。

今でも、あの足の色と形を思い出すと鳥肌が立つ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ