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一発ぶん殴る

さて、気晴らしに書いてみました。

特に意味はありません。


天の川銀河で二つの派閥があり、派閥が利権争いの為

代表者を戦わせることになった。


その為に選ばれた6人の地球人がいた。


アメリカ人の女性

ロシア人の男性

中東の男性

中国人の女性

タイ人の男性


そして、最後に日本人の男性だ


つまり、オレの事。


戦いは三本勝負で二人ずつのコンビ戦。

機動兵器で行われる。


戦闘は一週間後、拒否権なし、だそうだ。

この戦いが終わらんと帰れんらしい。



一週間行方不明になるわけか…

変人扱いに続いて、失踪者の烙印が付くわけか…



まあ、いい。

後で考えよう。



とにかく今は、使う兵器を考えよう



機動兵器は、小型戦艦、戦闘機、人型兵器などがある。


一般的には、宇宙での戦闘になるので機動性と武器のペイロードがカギとなるそうだ。

だから、小型戦艦、戦闘機が使われることが多い。


まあ、当然のチョイスであるが…



…そんなこと知らん!。


ロボットは男のロマンだ!!


例え、戦いづらくとも

宇宙空間での姿勢制御が大変でも

武器の搭載量が少なくとも

機動性能が劣っていても

関節などがもろいからすぐ壊れるだの


そんなものはオレのロマンの前では大事の前の小事。

気にすることの無いお悩み程度。


問題にもならん。


それに武装は、拳のみで行こうと思う。



完全接近戦仕様。



そう男なら…



いや、漢なら細かな小手先など不要!



拳で語り合うのだ!!!



(どこの武道家だ)というツッコミは知らん!


まあ、人型機動兵器で


拳は、マニュピレータ無し、でガントレット装備型だ。


円柱を腕の先につけハンコを押すようにした形で

さらに上腕部を囲むように半円の円柱を付ける。

腕を手甲で囲むタイプだ。




もう相手を殴るだけだ。

他に武器などいらん!!




銃などでチマチマ攻撃するなど漢のする事ではない!!



まあ、よう射撃が苦手なだけだが…



後は、殴るだけなので機体の瞬発力だけを異常に上げてある。



なんてものをこさえた。

一週間かけてその為、宇宙での戦闘訓練をしている暇もコンビ相手を決めることもできなんだ。



で、当日。


そこには、あふれたタイ人男性がいた。

なんかご立腹のご様子。


何かしたかと思うと、何もしなかったからご立腹でした。

なんせコンビプレーの練習や打ち合わせもしないまま当日を迎えてしまったことに対して…ごもっともな理由です。



でも、ご安心あれ。


ちゃんと案件もある。

それを提示すると呆れられた。


頭おかしいの?みたいな。


失礼な、短時間で確実なプランですぞ。


タイ人の機体は高機動型の小型戦闘機。

その先にオレの機体を接続して箱で囲む。


ニコイチを隠すためでもある。

もちろん接続部もこさえてある。


もし、相方が高機動型じゃなかったらどうしようか、

なんて笑ってごまかしていたら


呆れられた、



何故に??



で、すでに最初のロシア人男性と中国人女性の物量力技で相手を倒していた。

ただ、武器を撃ちまくる。

単純な戦法だ。


でも勝っている。


もう一つは中東の男性とアメリカ人女性。

これは、無残だつた。

力技の中東の男性と戦略のアメリカ人女性。

一見バランスはとれている様だったのだが、


アメリカ人女性が囮になってスキを作る作戦だったのだが、中東の男性が見境なく攻撃するもんだから、味方も平気で巻き込んだため、ほぼ一対三の状態で

自滅することになった。


これは仕方がないね。



一勝一敗だ。


で、オレたちの出番となる。

さて、非常識な戦いを見せて進ぜよう。


あっ、自分で非常識って言ってしまった。


ああ、相方が不審者を見るような目で見てくる。


「アンタ勝つ気あんのかよ」

タイ人の怒号が飛ぶ。


因みに翻訳機が配られているので何を言っているのかはわかる。

便利な世の中だね、まったく。


「勝つ気あるに決まってんだろ。オレは射撃が下手だ。

なら単純で確実に相手を倒せる方法を選んだんだ。

相手に突撃して確実にぶん殴る。

これなら攻撃を当てられるし倒せる」

真剣な目でタイ人を見据える。


オレの言葉が真実で決意を秘めたものだと理解したのか、

たじろぐタイ人。


「だが、アンタが提示した方法は無謀すぎる!!」

それでも引かないタイ人。

言い分は、正しい。だが…


「いいかい、オレの機体は頑丈さと瞬発力の特化型だ。

いま提示したプランで壊れるほどやわじゃない。

それに圧力緩和と衝撃緩和システムも搭載されている。

死ぬつもりもない。でも負ける気もない」


「…ホントだろうな。このプランは自殺行為ではないのだな」


「当然だ、オレはこんなバカげた利権争いで死ぬつもりはない。

オレの帰りを待っているプラモたちのために」

と、オレは拳を振り上げて真剣に言うと


「はっ、ハハハハハ」

と先ほどまでの緊張はどこへやら、吹き出すタイ人。

失礼な、こっちは真剣だっつーの。


「何がオカシイ。こっちは真剣そのものだ。

まだ作れていないロボのプラモたちがオレの帰りを待ってんだ。

死んでたまるか」

と、真剣に反論する。


「すまん、すまん。

そうか、死ぬつもりがないか。

わかった、アンタのプランにかけよう。

時間も無いしな、冷静に考えればアンタの作戦が一番確実で確実な事は理解できる」


「よし、じゃあ頼むぜ相棒。

勝ちを意識してる相手に一泡吹かせてやろうぜ」

と、オレは手を差し出す。


その手をタイ人は握り、

「良いね、その言い分。死ぬつもりの奴が言うセリフじゃない。

頼むぜ、相棒」

オレたち二人の無謀で無茶な反撃の狼煙が上がる。



戦場は宇宙のとある場所。

そこでオレとタイ人は、機体に乗り込み待つ。

しばらくして、戦場に似つかわしくない音が響く。


そして、カウントダウンが開始され、ゼロの言葉と共に

アタックスタートの文字がモニターに表示される。


戦闘開始だ。

『どこにいるんだ。こう広くちゃわからん』

通信越しにぼやくタイ人。


「待てよ、今調べるから」

オレがそういうと深海ソナーのような電波を撃ち出す。

電波の波なので無害そのものなのだが、新技術の電波なので気取られることも無い。


そして、センサーモニターに敵を捕らえる。

二機いる。


間違いないだろう。

こんなところにいるのは、よほどの酔狂者か、対戦相手だろう。


「いたぜ、三時の方向でy60に二機を確認。

予定通り配達頼むぜ相棒」


『何でわかるんだよ。

まあ、いいか。これが終われば種明かしもしてくれるんだろ』


「もちろん。説明もしてる暇もないからな」


『ならした噛むなよ、荷物さん。

これより配達を開始する』


「了解」


機体が加速を開始する。

目標は二機のうちどちらか。


プランは単純、敵のどちらでもいい。

オレの機体ごとぶつけるというもの。


作戦なんてものじゃない、ただの突撃だ。

姿勢制御もろくにできない機体で訓練もしてないオレが出来る

作戦なんて限られる。


相手に取りつきさえすれば、ぶん殴れる。

どう取り付くかだ。


だからもっとも簡単で単純な方法を選んだ。

もしコレが出来ればオレにも勝ちが見える。


相棒は真っすぐ敵に向かう。


相手は、まだ動きが見えない。

まだ、見つけ切れていないようだ。

そう考えるとオレの考案したセンサーは、なかなかの性能なようだ。


これだと奇襲もうまくいきそうだ。

しばらくして、相手に動きがある。こちらに気づいたようだ。

という事は、相棒のセンサーにも捉えることができる状況だ。


なら、後は信じるしかないね。

こんな無謀な作戦に乗ってくれたんだ。


結果は出してやんよ。


敵からの砲撃がこちらに向かってくる。

だが、その攻撃は当たることはない。


直前で方向をねじ曲げ受けながす。


光学兵器も同様だ。

これは、オレの機体の腕に仕込まれたギミックだ。

攻撃力を上げる為に仕込んだ仕掛けが、まさか防御でも通用するとは驚く。


『まさか、本当に当たらんとな。

これだけのもんを作ってたから時間がなかったのか』

相棒が驚きの声を上げる。


「これだけじゃないぜ相棒。機体自体も頑丈だ。

硬い金属を圧縮をかけてさらに硬くした。

下手な盾より硬いぜオレの機体は。

だから遠慮なくぶつけてくれよ相棒」


『ああ、口だけじゃないことはわかった。

ここからは遠慮なしだ。

向こうさんはこっちからの砲撃をよけながら逃げるんだ。

向こうの攻撃無視してツッコめるんだ。速いのはこっちだよ』


「なら安心だ」

そういうとさらにスピードを上げる。


向こうは、けん制しながら蛇行する。

こちらからの砲撃をよけているのだ。


でも、こっちには関係ない。

弾が当たらないだからよける必要はない。



敵が混乱を始める

A「なんでこちらを捕捉出来る」


B「知らん。だが、確実こちらに向かってきている。しかも速い」


A「もう一機は何処にいる見当たらん」


B「索敵範囲外にいるのだろう。

それより動かんとまずい」


A「どうするんだ」


B「オレが囮になる。お前は旋回して後ろを取れ、挟み込む。

そうすれば隠れている奴も動くだろう。そいつが来る前に目の前の奴を叩く」


A「なるほど了解だ」


敵の片方がはじめ、もう片方が迎え撃つ為に前進を始める。


向かってくる敵は、もはや獲物にしか見えない。

彼らにしてもウエルカムなのだ。


敵は、機銃や光学兵器を撃ちけん制してくるのだが、彼らはよける事すらしない。

はじかれてばかりいるからだ。


ミサイルを撃ち込んで爆破を試みるが、傷一ついていない。


それでも敵は果敢に挑む。

敵からすれば自分たちが軽くいなしてやろう程度の相手のハズだった。


なんせ、


第一戦は物量に物言わせただけ


第二戦は見事なまでの仲間割れ


で、


この第三戦なのだ。


武器がことごとく効かない。

当たっても無傷。


その上突っ込んでくる。


この異常事態に困惑しているのだ。


それでも冷静に対処しようと戦っている。


相手の目的が分からない上にもう一機の存在が気になる。

おびき出すためには、何とか向かってくる相手に手傷を負わせる必要がある。


又は不利な状況に追い込む必要がある。


でも向かってくる相手は、ひるまず突っ込んでくるのだ。

もう脅威としか言いようがない。


応戦している相手は、さすがにツッコんでくるこっちにビビったのか旋回してよけようとした。


そのタイミングでそのまま相手の脇腹に激突する。

そして、

『配達終了だ、置いて行って構わんのだよな?』

と、相棒が聞いてきた。


「もちろんだ、残りは頼んだぜ相棒」


『まかしときな、一対一だ。問題ないだろ』

と、言うとオレの機体をパージして方向を変え、

その場から離脱する。


では、ここからはオレの仕事だ。

機体の外装をパージして

両腕のハンマーを叩き込む。


小型戦艦の脇腹に突っ込んでくれたおかげでもう殴り放題だ。

でも、まずはさんざんミサイルやら光学兵器やら打ち込むまくってくくれたお礼を兼ねて両手で殴る。


拳が相手の機体にめり込む。

思った以上にめり込んだので引き抜くのも面倒だったので

そのまま腕を広げた。

すると相手の機体が引き裂かれ爆発した。


もっと殴り倒すつもりが、一撃で終わってしまった。

オレは、物足りなかったので索敵を開始して残りを探す。


今追いかけっこしている相棒と敵の位置を確認した後、周囲を見る。

先ほどオレが引き裂いた敵の残骸が浮かぶ。


これをうまく利用して敵の逃げ道を塞げないかを考えた。


こっちの機体は、まっすぐにしか動けない。

ならこの残骸を敵の移動予定地点の上と下に向けて撃ち出し、

敵の移動を横に限定出来ればぶん殴りに行けるのではないか、なんて考えた。


もう戦艦だろうが戦闘機だろうがぶん殴れればいいともう安直に考えていた。


なので残骸を敵の移動予測ポイントの上下に向けて殴り飛ばし、

それに合わせてオレは機体のエンジンをふかす。


到達タイミングをそろえたいので残骸の位置を確認してから飛び出す。

敵は、相棒に追いかけまわされ、こちらに気が回っていないようだ。


チャンスである。

相棒の手柄を横取りする様で…なんて気持ちは毛頭ない。

キチンとぶん殴りたいという気持ちでいっぱいである。


なのでぶん殴る気満々で敵の到達予測ポイントに向かう。

上手くタイミングが合えば敵の逃げ場を確実に奪っているはずだ。


そう思いながらレーダーを確認しながら加速する。

左腕を前にかざし盾替わりにして、右手を振りかぶる状態で突き進む。


目標は、相棒から逃げ回っている小型戦艦タイプ。

それが、進む先に向かっていく。


出会い頭にぶん殴る。

それがオレのプランだ。


その為の逃げ道は敵さんの残骸で上下をふさいだ。


後ろから追われているから前にしか行けない。

敵さんの斜め左横から迫るので逃げ道は右側しかない。

それでも勢いがあるから右に逃げても追いかけることが可能となる。


つまり、敵さんは詰んでいるわけだ。

今は、こちらの速さで相手に突っ込むことで敵の考える時間を奪うことになる。


向こうは攻撃の一手になる。


こちらに気が付いた向こうは、後ろからの攻撃をよけながら、

オレを排除するために攻撃してくる。


機銃、光学兵器、ミサイルと撃ちまくる。

勿論後方にもけん制しながら、後方からの攻撃をよけながら。


忙しい事だ。

こちらは、来る攻撃を全てよけずに突っ込んでいくだけだ。

機銃や光学兵器は、左腕ではじきミサイルを受けてもびくともしない。


硬いからね、フレームも両腕のハンコ型ハンマーも。

強力なハンマーを作ろうとして硬いものを作ることを考えたことにより、

盾にもなったわけだ、思わぬ副産物である。


攻撃と防御手段を手に入れたわけだ。

射撃なんてうまく出来る自信がない。


ならシンプルにツッコんで

単純にぶん殴る。


それを選んだだけだ。

で、振りかぶった右手を小型戦艦の左先端に叩き込む。

機体の勢いも攻撃力に追加したため、

小型戦艦が見事に三分の一ほどひしゃげた。

そして、爆発する。


敵の後方から追いかけていた相棒は、オレが突っ込んできたタイミングで

回避行動にうつっていたので巻き込まれずにすんでいた。


爆発の中からオレの機体が現れたことでオレたちの勝利が確定した。

少し焦げていたが、ほぼ無傷のオレの機体を見た相棒は


『もう呆れるね、突撃して無傷なんて。

おたくの国ではその突撃を特攻とか神風とかいうんだろ』


「昔の戦争ではね。今それをやればただのバカだよ」


『やっといてそのセリフを吐くのかよ』


「勝算があったからね、もちろん生還できるからだよ。

それがない状態でやる場合は、自殺志願者かバカだよ」


『まあいいよ、勝てたからね。

無謀でも無茶でも生きて帰れた。

それだけでも十分だよ』


「すまんが、帰りも頼めるか?

推進剤がほとんどない」


『はっ?』


「さっきの突撃で使い切った」


『はっハハハハハ、勝算があっても後先考えないならバカと同じじゃねえか』


「わらうな、…オレもそう思うから」


『まあ、その思い切りの良さで勝てたんだ。

おおまけで乗せてってやるよ』


「助かる、どうしようか途方に暮れてたんだ」


『いいよ、おれもいい笑い話を手に入れたし…』


と、二人は和やかに話しながら帰還した。

遠くの地での利権争いは、とりあえず終わり。


また、呼び出されない限りは…だけどね。




なんか、何でもいいからぶん殴ってみたいという思いと

作った模型を見てこれを題材にしてみたいという思いで作ってみました。

もし、評判が良ければ続きを考えますね

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