「プロローグ」
この国には、「聖騎士団」と呼ばれる超真面目な精鋭部隊がある。
王を守り、民を守り、世界の平和(と書いて割と雑用も多い)を守る、超エリート集団だ。
そしてそのトップに君臨するのが──
リネア・グランゼール、最強の美人団長!
金の髪をきりっと結って、鎧を着たら天下無双。
剣術も統率も信頼も100点満点。
でも、ただひとつだけ大きな欠点がある。
──恋愛がとんでもなくド下手!!!
「強い男とかいらない! 私が守るから!」
「可愛げのある、弱くて従順な男がいいの!」
そんな爆弾発言、素面で放つあたり、最強なのはメンタルかもしれない。
おまけに甘やかされるとフリーズ、
告白されると「何かの罠?」と警戒MAX。
恋愛偏差値、たぶん5くらい。
そんな団長に、
密かに、めちゃくちゃ真面目に、恋してる男がひとり。
副団長・リュシアン・ロヴェル。
寡黙で、誠実で、ちょっと不器用。
剣も魔法もデキる超有能だけど、恋愛になるとポンコツに。
彼の気持ちはもう何年も前から団長一直線なのに──
本人にまっっっったく伝わってない!!!!
「え、副団長が私を? 冗談は顔だけにしなさいよ」
本気で言ってるリネアに、全国の恋愛神が泣いた(かもしれない)。
これは、最強だけど鈍感な女団長と、誠実だけど不器用な副団長による、
すれ違いすぎて奇跡の角度で進んでいく、
じれキュン(?)ラブコメ戦記!
果たしてこの恋、進展する日は来るのか!?
それとも、永遠に片想い団(仮)なのか──!?