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おっさんの徒然エッセイ

創作にリアルを求めることの不毛さ

あくまでも私なりの見解で、これが正しいという話ではありません。




 さて、小説作品などで。

 「それは現実的ではない」

 「時代考証が間違っている」

 「リアルでない」

 などの批判を目にすることがあります。


 奴隷はこの手の批判がしっくり来ない人間だったりします。  


 例えばですが、バリバリ時代劇の水戸黄門に時代考証を要求する人はいないと思うんですね。

 そもそもの話で水戸光圀は全国行脚なんてしてませんし、各地で悪人に懲らしめてなんていないし、だいたいに光圀じたいが若い頃はかなりヤベー奴だった説もありますしね。

 それでも、知り合いに。

 「信濃で蕎麦を啜るシーンがあるけど、あれおかしいよな」

 と言った人がいました。

 彼の言いたいことはわかります。

 そのシーンは奴隷も見たことがあって、水戸のご老公一行が信州に来て、盛り蕎麦をズゾーってやって。

 「やっぱり信州は蕎麦がうまい」

 って、ご老公がご満悦に言うシーンです。


 練った蕎麦を麺状に切って茹でる「蕎麦切り」が誕生したのは江戸中期ごろの江戸だとされていますから、光圀公が生きていた時代に信州で食べられていたのは恐らくは「蕎麦がき」です。


 でもねー、どんぶりで蕎麦粉を捏ねて、箸についた蕎麦粉をモサモサしてるシーンみても、誰も蕎麦を食べてるってわからないし、そもそも、蕎麦がきを知らない人の方が多いですよね。

 信州で食通のご老公が蕎麦を食べてご満悦なら、盛り蕎麦の方がわかりやすいんですよね。


 でも、時代劇じゃなく、もっと史実に根差した話なら時代考証が間違っているのは駄目だと言われる方がいるかもしれません。


 ただ、ストーリーとして展開する上で、人となり、セリフ、行動など、何処まで史実に忠実かなんて、誰にもわかりませんからね。


 坂本龍馬なんて、幼少期から青年期の脱藩する前なんて、ろくに記録も残ってなくて、歴代の歴史小説家の創作がそのまま史実のように語られてたりしますし、詰まる所、わからない部分や強調した部分で創作としての面白さがあったりする訳ですから、そこを気にしてもなー、なんて奴隷は思ってしまいます。


 現代小説でも、リアルじゃない批判はありますよね。

 裁判もので、「異議あり」なんてやらないとかって、そういうのです。

 

 でも、実際の裁判って、すごく地味じゃないですか、事前に検察と弁護士ですり合わせた部分を元に証拠なんかの提出書類を裁判官が確認するだけなんですよね。

 正直、公判前の書類提出の段階でほぼ決まっている内容を公判で確認するだけなんですよね。それを丁寧に書いて面白さを出せるなら、それは凄いと思いますが、テレビドラマやゲームの中の裁判なら逆転に次ぐ逆転で盛り上がるほうが楽しいですよね。


 アクション映画で銃撃を車を盾に隠れるなんてありますけど、ある程度、口径の大きい銃なら車のボディくらいは貫通しますし、車体下に入った弾は、アスファルトに跳弾して反対側に届きますよね。

 でも、その世界では相手は車の下を狙わないし、ボディも防弾仕様なんですよ。


 細かい設定のリアルさにいちいち神経質になるのって、奴隷が小学校時代に泊まりがけの学校行事で、夜にUFOだーっ、って盛り上がってる同級生たちに。


 「あれは役目を終えて大気圏で燃え尽きた人工衛星かなんかだよ。あと、あっちのは夜闇で山の稜線が見えないだけで山があって、そこを走ってる車のライトだよ」


 と話して、見事に場の空気を白けさせたのと同じですよ。


 まぁ、あとは小学校卒業の文集で「ドラ○もんがいたら」というテーマに、タケ○プターで空を飛びたいとかの可愛らしい答えの中で。


 「どこで○ドアで銀行の金庫にはいる」

 と書いた友人と。

 「どこで○ドアで足のつかない夜間金庫に忍び込む」

 と書いてドン引きされた奴隷の黒歴史みたいなもんです。


 創作にリアルさを求めることは間違いだとは思いませんが、「とんでもない大ボラをそれっぽく書く」のが創作の醍醐味ですから、読む側も、それを楽しむ方がいいと思うんですね。


 創作作品の登場人物の男性に女性名がついていたと目くじらたてるより、その世界ではそれは男性にもつける名前だと思うほうがいいし、もっと妄想して、何かのムーブメントや地域の因習などで男児に女性名を敢えてつけるところがあったなんて考えるのも楽しいですよ。


 かのマッカーサー提督は幼少時には、因習を信じて子供が健康に悪魔にイタズラされずに育つようにとスカートをはかされて、女子のように育てられたなんてエピソードがあるそうですし、そういうバックストーリーを妄想するのも楽しみ方のひとつだと思うんです。



 創作作品の世界は、それが史実を参考にしたものでも、現代ものでも、あくまでも「限りなく現実に近いフィクション」ですし、ましてやファンタジー作品なんかはそもそも、その世界とこちらとはリンクしてない筈ですから、時代劇を見る感覚で気楽に見るほうが楽しいのになーと思う奴隷だったりします。



感想お待ちしてますщ(゜д゜щ)カモーン

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― 新着の感想 ―
[良い点] たまたま拝見し共感を得て感想を書きました。 なろう・ノクターンに大好きな作家様がおりまして、 普通の書籍しか買わない私が、その方の書籍の何冊か買うほどなのですが、 昭和38年にタイムリープ…
[一言] またまたお邪魔Summer!でございます! ……「もの」書くのって、難しいよね。 線の細い美少女が、大剣ふるって怪物倒すのって、「筋力は 筋繊維の太さに比例するからおかしい!」とか、加速…
2023/12/13 15:29 退会済み
管理
[良い点] ただの笑い話ですけど、ふと思い付いたので。 [一言] 映画の『ホビット』シリーズ見て、配給元へ「設定と違う!ゴブリンは緑色の筈だ!」ってクレーム付ける奴が居たら、ある意味『勇者』ですね(笑…
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