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第四話 門出

やっと本題に入れる

次回から…

◯前回のあらすじ

 妹に諭されたネモは冒険者として本格的に活動を始める決心がつく。

=====================================

—皇都中央部・冒険者協会前—

 待ち合わせは正午。10分前に到着するよう、目的地の噴水広場に向かっている。腰に差した短剣をひと撫で。今日からまた頼むぞ、相棒10ステリア(¥100にも満たない)


 ここは東西南北、各エリアに向かう上で集まり易い為、待ち合わせ場所として人気がある。そのせいか、カップルや冒険者の溜まり場と化している。


 そうか、パーティというシステムがあるから冒険者同士で待ち合わせしていたのか。関係ないと見限って調べていなかったな。


 到着し、ゲントを待「友よ」!?

居たわ…待つつもりが待たせていたようだ。背後に急に立つのは辞めて欲しい。ああ、心臓が心臓が


「すまない、待たせたな」


 謝罪に対しゲントは笑顔で今きたとこだ、ナイスガイは中身も良い漢のようだ。この漢とは昨日会ったばかりだが、正直なところ好印象だ。一人の男として尊敬出来る。


 さて、待たせてばかりは良くないな。昨日の返答を伝えるか。


「ゲント、単刀直入に言う。僕とパーティを組んでくれ!僕は強くなりたい。その為にも昇進し、より強い敵と戦いたいんだ。お互いの目的の為に協力しよう」


 あれから何故強くなりたいか、眠り落ちるまで考えたが思い出せなかった。しかし、必ず成し遂げなきゃいけない。考えれば考えるほど、正体不明の焦燥感に苛まれる。強くなるしかないのだ。


「ありがとう我が友、否、ネモ。これからは仲間として筋肉に磨きをかけて行こう!ムンッ!!」


 気合の入ったムンッと一緒に手を差し出してきた。握手ね、しますよ勿論。うん、いい筋肉なんだけどね、まず友になった覚えが無い。強くなりたいのであってタフガイを目指している訳でもないんだけどな。



—冒険者協会入口—

 パーティというのは冒険者協会で、一度申請する必要があるようだ。承認されて初めて公認され、パーティ専用の任務を受けることが出来る…らしい。

うん、知識不足


 冒険者協会、石レンガを主軸に建てられた城と見紛う立派な建物。ここ日本大陸が本部なだけはあり、協会以外の建物も隣接している。

何時も思うが、かくれんぼしたいな


 圧倒的権力の塊に物思いにふけていると、目の前に重厚な木製扉が現れた。この扉一つにしても細かな装飾が施されている。


 各大陸に最低でも一つは協会があるようだが、全てここまで徹底した造り込みなのだろうか。


 内装もいつ来ても見事なものだ。埃はおろか塵一つ見当たらない。床に使われているのは大理石だったか。天井には巨大なシャンデリアが吊るされている。この部屋一つに一体幾ら注ぎ込んだのだろうか。


 ゲントが受付で契約している中、僕はというと壁に寄りかかり、取り止めない考えを巡らせる。そんな中いつもの雑音が耳につく。


「見ろよ、半端者が来てやがる。ここも質がおちたな」

「半端者風情がパーティとは、いいゴミ分で。冒険者の面汚しがノウノウと」

「あいつまだ生きてたのか、運のいい奴だ」


 皮肉、嘲笑、軽蔑etc…いつものことだ。飽きもせず、愚弄に精が出ますね冒険者の先輩方。旧人類の日記を偶然読んだことがある。今も昔も人は変わらないようだ。


「ネモ!ちょっと来てくれ!」


 ゲントに呼ばれ受付に向かう。無事契約が完了したようだ。これからはコンビでこの世界に立ち向かう。想像するだけでワクワクする。


「此方、現在お二人が受諾可能な依頼リストです。どうぞ、ご覧ください」


 一人の時は受けられなかった、普段よりワンランク上の任務がズラリと並んでいる。Lv3ダスト討伐から用心警護、ダスト巣窟偵察任務など、初見の数々に洋紙を捲る手が止まらない。


 隣ではゲントが温かい目で見てくるが気にしない。こんな興奮はいつ以来だろうか。ふと、とあるページで手が止まる。


「変異種偵察任務か」


 主に汚染区域と呼ばれる12のスポットから無尽蔵に生み出てくるダスト。“成長”し討伐指数たるLvが一つ繰り上がるのが一般的だが、稀に”進化”と称される、ノーマルから別種へと生まれ変わることで討伐指数が格段に跳ね上がる個体がいる。


 どう言う原理か詳しくは協会は明かさないが、そういった変化に伴い起こる星力の振れ幅の変化を、大まかに読み取る装置があるらしい。協会の力は絶大だと感じるが謎が多い。


「変異種偵察ですか。こちら、お二人が受けられるボーダーギリギリの水準となっております。協会側としましては、安全マージンを確保することを踏まえた上で任務を選択する事を推奨致します。それでも、お引き受けますか?」


 やんわりと辞めた方がいいと忠告を受けた。彼女らは毎日、何百何千の手続きをこなして来た。多くの冒険者と向き合う。自分が立ち会った冒険者がパーティが帰らぬ人となった経験も0ではない。


 まだ早いと、目は口ほどに物を言う。が、しかし、僕には悠長にする気は更々ない。ゲントも同意なのだろう。確認するまでもなく返答する。


「ああ、引き受ける。俺達はその任務を受諾する」


 受付嬢はやはりいい顔はしなかった。渋々、仕方なくといった様子で此方に洋紙とペンを差し出した。


「では、此方にサインをお願いいたします」


 ここから、新たな冒険が始まる。酒場で燻っていた少年、突如現れた筋肉。今各々の目的に向かって一歩を踏み出し


「その依頼、暫し待って貰おうか」


 新生パーティの門出に、背後からの水を差す者が現れた。

少し世界観について触れられた

まだまだ語るべきことが多いぞ

さて、では

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