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第三話 分岐の行方

短めです

◯前回のあらすじ

お使い忘れて帰ったら目の前に修羅(妹)が居た

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 脚が痛い。一体いつまで正座するのだろうか。目の前の阿修羅系妹の気分次第です。痛い


「それで、お肉は?」


 5時間の苦行を耐えing(現在進行形)、妹の口からは返答し難い質問が「肉は?」…


「この度は大変申し訳ございませんでした。瓶でツンツンはいたしましたが、ご購入し忘れており、つきましては「肉。」ごめんなさい」


 事実は言った。駄肉を小突いたのだ、嘘は言ってない。あ、お昼にお肉食べてるわ。まあいいか、言わなきゃバレない。そう、バレなきゃ罪にはならないって本にも


「私お昼食べてないだよね。ところでお兄ちゃん、唇がやけにテラテラしているね」


 低脂質とはいえ油がついていたか。おのれ、証拠隠滅し忘れた過去の自分め。釜茹でにしてクッタクタにしてやる。あ、違うわ。帰りに屋台料理を食べ歩きしてたんだった。


終わった


 その日、ネモは妹様の膝枕として、忠義を尽くしましたとさ。めでたしめでたし


《翌朝》

 聖人寝モは無事任を解き、朝食の準備をしていた。重い脚、瞼に鞭を打ち台所に立つ様は、最近巷で子ども達に人気の水飲み鳥のようだった。あんな過去の遺物がなぜ今になって人気なのだろうか”ゴンッ‼︎” 「アダムッ!」


 鈍痛で意識が覚醒する。痛みの伴わない起床を堪能した記憶がない。おのれアネモネ、可愛いから許す。


 旧人類が残した”食”という文化において、調味料のさしすせそは栄誉勲章ものだと思う。はぇ〜、今日も味噌汁が旨い。この一杯の為に早起きしていると言っても過言。


ーーーダダダダダダダダダ。二度寝姫の足音が近づいて来る。

「おはようお兄ちゃん!今日もいい朝だね!」


 眩しい。昨晩の地獄のような圧は何処へやら、春の暖かな日の光を彷彿とさせる笑顔を向ける我が妹。

はい、かわいい。さて、ご飯にしますか。


 食卓では昨日の出来事が話題に上がった。アネモネの興味を特に引いたのが、やはりと言うべきか漢ゲント。おのれイケメンと私怨に燃える愚兄を他所に、妹が話を切り出した。


「それで、お兄ちゃんはパーティ組むの?そのゲントっていう人と」


 それについては昨晩、地獄から現実逃避する為に寝る間を惜しんで考えた。寝れなかったからやむを終えず考え抜いた。結論は


「いや、お兄ちゃんはあくまで、小遣い稼ぎ系冒険者だから。折角の誘いだけど断ろうと思うよ」


 現状維持。これが一晩で絞り出した答えだ。身体は動く方だと自負している。低レベルの冒険者程度なら相手にならない。レベル2以下のダストなら身体能力でゴリ押せる。


 しかし、街の外は未知の世界。常に予測不可の危険と隣合わせ。楽勝に思われたレベル1相当のダスト討伐に行ったきり、帰ってこない冒険者は数えればキリがない。それに


「知ってるんだよ、お兄ちゃんが本当は冒険者に成りたがっていたこと。お店のことなら私に任せて!お兄ちゃんは本当にやりたいことをやって、ね!」


 僕は今日もよく出来た妹に救われた。この娘に拾われてから早2年。何度感謝したことか、何を返せば割に合うのだろうか。全く、兄としてしっかりしないとな


「ああ、分かったよ。ありがとうアネモネ」


 燃えるような赤い髪を優しく撫でる。気持ちよさそうな顔しやがって。全て見透かされていたなら仕方ない。これからは、自分に正直に生きよう。


「それはさて置き、これからは僕が冒険に出ている間、調理も買い物もアネモネがやるんだよ。今まで僕に任せていたこと、自分でやるって宣言したんだからちゃんとやるんだよ。いいね?」


 そう言うとアネモネは、しまったと言わんばかりに顔を真っ青している。本当にかわいいな。


 さて、ゲントの為にも僕の為にも、これからは命を懸けないといけないな。僕の目的の為に。目的、何度考えても思い出せない。強くなる、単純明快な目的の理由が。

キャラの説明とか街や世界情勢のこと

どのタイミングで説明すれば良いんだ…しれっと話の途中に混ぜ込む形で伝えていこうと思います。

はい、では

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