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子猫伯爵の気のままに  作者: yura.
1部-2章.シャルル・ミオンの学院生活②
122/566

▽.知りたがり男爵の恋の行方

――シャルルがカイトに弄ばれるその頃。

「キース先生!希望届(きぼうとどけ)の提出に来ました!」

声も高らかにユージーンが教員室へと入室する。

迷いなく目的の場所へと向かい、表情のないキースの顔をにこにこと見つめるのだった。

「……次からはもっと静かに入室するように」

「次って事はまた来て良いんですか?」

「………理由なく生徒に教員室への入退室を禁止する事はありません。用事があるのであればどうぞ」

希望届の書類を受け取り、キースは淡々と答える。

視線を合わせたのは受け取る時だけだ。

すぐに書類へと目を向け、シャルル、ハンス、アンナ、レフ、ジョン――そしてユージーンの届けをぺらぺらと(めく)っていった。

顔色を変える事もなく、6人分の書類を一通り確認する。

「不備はありません。戻って大丈夫です」

「その前に良いですか?」

にこにこと笑い続けるユージーンを、キースはやはり無表情に見つめ返した。

しかし、その程度でへこたれるユージーンではない。

「昨日は助けて頂きありがとうございました」

「教師としての務めを果たしただけです」

「そうだとしても僕は感動しました!先生の務めを果たそうとするストイックな性格にも、何事にも動じない冷静さにも、流れるような美しさにも感銘を受けたんです!」

適当にあしらおうとするキースに構わず、ユージーンはずいずいと距離を詰めていく。

「冗談だって思われるかもしれません。でも先生に惚れてしまったんです!先生の事が知りたいんです!先生のお力になりたいんです!授業の準備でも何でも僕に出来る事があれば手伝わせてください!」

「……手は足りていますので」

「そんな事を言わずに!僕は本気です!」

あまりに押してくるユージーンに、座ったままのキースは少しずつ上半身を逸らしていく。

キースの体幹だからこそ出来る技ではあるが、このままいくとキースの体は床と平行になってしまうだろう。

そこに、キースの向かいの席に座っていた教師が割って入る。

「良いじゃないですか!折角トラスティーナ先生に好意を寄せてくれてるんですよ?」

にやにやと下卑(げび)た笑みを浮かべ、その男はキースたちを不躾(ぶしつけ)に嘗め回した。

「ピーカック先生。好意を全て受ける事が教職者としての責務ではありません」

「ははは、トラスティーナ先生はお堅いね。そいつが騎士道ってやつなのかな?」

派手に着飾った教師の名はリュディガー・ピーカック。

礼節や教養の一つとして音楽の教師を務めるピーカック子爵家の当主である。

甘いマスクの彼は女生徒との浮名(うきな)も数知れず、常日頃、異性に囲まれているのだった。

そんな(ただ)れた生活を送りながらも人気(にんき)が絶たないのは、整った顔立ちもさる事ながら、豪華に飾った華やかな出で立ちと、潤沢な資産のおかげだろう。

幸運にもエメラルドの鉱脈を引き継いだリュディガーの家は、派手な女遊びを塗りつぶす程の力を持っていたのだった。

人々が羨むものを手に入れたリュディガーは、尊大な態度でキースへと進言する。

「先生みたいな人にそこまで入れ込んでくれる生徒なんて、そうそういないだろう?少しばかり大人の手解きをしてやるくらいしてやったらどうかと思うんだよ」

「生徒の前です。口を慎んでください」

「そんなだから怖がられるんだよ。アーチボルト君だったかな?君も見る目がないね。こんな不愛想で遊びも知らないような男はつまらないものだよ。いつだって女性に好まれるのはそう――私のような男だ。年長者からのアドバイスだが、君も現実を見つめ直した方が良いんじゃないかな」

僅かに眉を吊り上げるキースを意に介さず、リュディガーはぺらぺらと口を開いた。

「そもそも私は不思議でしかたないんだよ。先生みたいな人がこの学院にいるっていう事が。騎士崩れは騎士崩れらしく、後進の育成に励むべきなんじゃないかと思うのだが……ああ、失礼!先生はもう剣を握れないのだったね」

「…………」

「ああ、怖い。そんな恐ろしい目で見ないでくれ。これだからどこの馬の骨とも知れぬ奴は嫌なんだ。いくら騎士(ヴァン)の名を頂こうと所詮は賤民(せんみん)騎士(ヴァン)の名もそうだが、どんなコネを使って学院に来たのやら……」

「僕もそう思います、リュディガー先生」

止まらないリュディガーの話にユージーンが相槌を打つ。

わざとらしく嘆きながらもリュディガーはほくそ笑んだ。

(さげす)むようにキースを一瞥(いちべつ)し、自身に迎合してくれたユージーンへと笑いかける。

しかし、その顔が凍りつくのは一瞬の事だった。

「リュディガー先生の仰る通り、本来であればキース先生は騎士団に身を置き、学院に来られる事はなかったでしょう。それを自らの知識と技術、研鑽(けんさん)を騎士団だけのものにせず、より広い後進の育成のためにと指導の場を学院へと移してくださったのです。キース先生のような素晴らしい考えをお持ちの方が神学院(アーク·マナリア)におられるという事は、本当に奇跡のような事だと思います」

(よど)みない言葉にリュディガーは声を詰まらせた。

一つとして望まないユージーンの返しに、にこやかだった顔は引きつってしまっている。

「は、はは…。奇跡ですか。先生が立派な方だとはいえ、奇跡は言い過ぎではないのかな…?」

「教師を務められる皆様であれば、キース先生が騎士(きし)だった際に築かれた功績はご存じのはず。そうでなくとも騎士(ヴァン)の名を頂く事がいかに誇り高く誉ある事かは理解されているでしょう。けして奇跡という言葉も過言ではないと思います」

「き、君は若いから知らないんだ…!トラスティーナ先生は当時の騎士団長の養子でね。騎士(ヴァン)の名誉だってコネで(たまわ)ったって――」

「学院の教師ともあろう方が、そのような虚言(きょげん)を信じられているのですか?」

ユージーンは真っ直ぐにリュディガーを見据えた。

あまりに真っ直ぐな目に、教師であるはずのリュディガーの方が気圧される。

「虚言も何も有名な……」

騎士(ヴァン)の称号は団長を始めとする有数の騎士からの推薦の後、王族並びに諸侯より功績が認められてようやく賜るものです。キース先生の冠名を批判されるという事は、リュディガー先生はゲオルギウス国王陛下の決定を否定なさるという事で間違いありませんね?」

「なっ……!?そんな事は一言も……!!」

「もちろんリュディガー先生の憂慮(ゆうりょ)も分かります。ですので申し立てしてみてはいかがですか?神殿による公正な判断の下、真実が明るみになれば、リュディガー先生の憂いも晴れる事でしょう」

「それは………」

リュディガーは何も言えず歯を食いしばった。

影で噂をする分には見逃されても、事が大きくなればユージーンが意図するように処罰は免れない。

自分に不利になると分かれば簡単に切り捨てるのが貴族だ。

ここにいる教師にして貴族の面々も、いざ事が取り沙汰されれば容赦なくリュディガーを売るだろう。

だからこそ余計に、名だたる教師陣の前で言い負かされた屈辱は計り知れない。

(何なんだこの生徒は……!!)

自分に媚びの一切を売らないユージーンに、リュディガーはただ歯を軋ませるしかなかった。

普通なら身分も高く資産を持つリュディガーの肩を持つはずだ。

いかに騎士爵(きししゃく)とはいえ、生まれも育ちも卑しい平民の、しかも人徳のないキースに味方をするわけがなかった。

恋や愛なんて感情も、リュディガーの持つものの前ではあっさりと塗り替えられるはずのものだった。

それなのに、ユージーンという生徒は何一つ折れる事なく立ちはだかったのである。

場所が場所だけに権力や資産をかざして支配する事も出来ない。

リュディガーは侮蔑の視線を浴びながら椅子に尻をついた。

「生徒に言い負かされるなんて恥ずかしい」

「地頭が違うのでしょうね」

「親の遺産で良い思いをしているのはどちらやら」

耳に着く声が怒りを誘うが、リュディガーはこれ以上の醜態を(さら)さない事だけを考える。

「……アーチボルト君はとても勤勉な子なのだね。試すような真似をしてすまなかった」

かろうじて出た言葉もただの負け惜しみだ。

気のせいなのか、実際に笑われているのか。

クスクスと耳障りな笑い声が耳につく中、リュディガーは発端(ほったん)とも言えるキースを睨み続けるのだった。

当のキースは椅子に座ったまま、茫然とユージーンを見つめている。

視線を感じたユージーンがキースを見つめ返し――

「先生?」

「あ……」

呼びかけられたキースはハッとした。

視線を一身に受けながらも、急いでユージーンに頭を下げさせる。

「ピーカック先生。生徒の不始末は私の不始末です。どのような罰でも私が受けましょう」

自身もまた頭を下げ、ユージーンの手を引いて教員室を出る。

何も考えずに歩いた先にあったのは修練場だった。

誰もいない倉庫へと入り、キースはユージーンへと詰め寄った。

「アーチボルト」

普段よりいくらか覇気のある声で名前を呼ぶ。

ユージーンは臆する様子もなくキースへと向き合った。

「何ですか、先生?」

「二度とあんな真似はするな。僕はどうなろうと構わないが、生徒であるお前に不利益を被らせるわけにはいかない」

茶色の瞳を見つめ、キースは鋭く言い放つ。

鬼気迫るキースの姿にユージーンは目を見開き――すぐに唇をふにゃふにゃにして喜んだ。

「せ、先生!僕のこと心配してくれるんですね!それに僕って!先生って自分のこと僕って言うんですね!口調も今の方がずっと良いです!」

空気を読まずはしゃぎ出したユージーンにキースは顔を(しか)めた。

そして一字一句丁寧に諭し直す。

「君は、自分のした事を、分かっているのですか?」

「今更(つくろ)っても無駄です!バッチリ聞きましたからね!先生が僕って言うのちゃんと覚えましたからね!」

「……………」

キースを襲うのは急激な眩暈(めまい)だった。

ユージーンの事は突っ走る気はあるものの、聡明で機転の利く生徒と評価していたのだが、一度冷静さに欠くと容易に戻らないという一文を付け足さなければならなそうだ。

先程までの冷静沈着な物言いはどこへやら。

黄色い声をあげて騒ぐユージーンを見て、キースはため息を吐き出した。

「あ!先生!そんな呆れないでくださいよ!僕だって自分のした事くらい分かってます。でも先生のためにやった事ですから、後悔はしていません」

「助けてくれと頼んだ覚えはありません」

「ですから僕が勝手にやった事ですよ。最後だって先生が頭を下げる必要なんてなかったんです」

ああ言えばこう言うを地でいかんばかりに、ユージーンはキースの忠告をすり抜けていく。

眼圧で黙らせようにも、もはやユージーンにその手は通用しない。

キースは諦めように息を吐いた。

「あの程度いつもの事です。気にする必要もありません」

「気にしない事と、傷ついてない事は別です」

あしらおうとするキースの手を掴んで、ユージーンは青い瞳を覗き込む。

真剣な眼差しがキースを捉えて離さない。

「先生は強い人だから、ああして酷い事を言われても耐えられるのは知っています。でもどれだけやり過ごしたって、どれだけ耐えたって、傷はつくんです」

ユージーンはそう呟いてキースの腕をなぞった。

ボロボロの体を労わるような温もりが指先から伝わってくる。

射抜く瞳の中に垣間見るのは懐かしい面影で――


トスッと小さいなリスの体に矢が刺さる。

『また当たったよ!流石キース!』

『ワルドが獲物の位置を教えてくれるからだよ』

狩りに出かけた事は数知れず。

ナイフを持つのも、矢を射るのもキースの役割だった。

『そっちいったよ!』

『任せて!』

狩りそのものに長けたキースとは逆に、ワルドは森の中を見る目に優れていた。

獲物を見つけ出し、狙いの場所に追い立てる腕前は群を抜いていたのである。

キースとワルドはそっくりなようでそっくりではなかった。

互いに足りないものを補い合って、二人でやっと一人前だった。


――思い出された光景にキースは目を見開いた。

(また……)

ユージーンの中に双子の弟の姿が重なって見えた。

リュディガーの悪態を払いのけた時にも、自分とは逆に社交的で、それでいて負けん気の強いワルドの面影が重なったのだった。

(僕もヤキが回ったか…?)

下手をすれば息子と言ってもおかしくはない年齢の相手だ。

そんな相手にもういない弟の影を見るのは馬鹿げている。

けれど、懐かしいあの森の日だまりのように優しい眼差しを見ていたら、失ったものを見つけたような気分がした。

足りないものを補って、絶えず温もりを与えてくれる、自分の中からはとっく昔になくなってしまった大切な温もりを、ユージーンの中に見いだしてしまった。

果てのない憎悪にも満たせなかった空白。

そのぽっかりと空いた穴を埋めてくれるのではないかと、期待とも言える感情を抱いてしまう。

一度でもその面影を見てしまえば、その手を突き放す事は難しい。

「キース先生」

ぼんやりとユージンを眺めるキースへと、ユージーンの手が触れる。

ゆっくりと肩を抱き、それ以上には近づかない。

「先生の事が知りたいんです」

「……知ってどうする?知りたい事を知ったらお払い箱か?」

ぶっきら棒に答えるキースが不貞腐(ふてくさ)れているように見えたのだろう。

眉を下げたままユージーンは笑みを溢した。

「心配しなくても、一生掛かっても先生の事を知り尽くす事は出来ませんよ?昨日までの僕と今日の僕と明日以降の僕は同じようで違うものです。それは先生だって一緒でしょう?」

「つまり明日には飽きると?」

「信用ないなぁ。でもそんな事を聞くって事は、少なからず意識をしてくれているって事ですよね?」

茶目っぽく笑ったユージーンにキースは何も答えなかった。

代わりに震えの消えない右手で頬を撫でる。

ゆっくりと形を確かめるように触れ、閉じられた唇へと半分だけが残された手のひらを押し当てた。

ユージーンも何も言わずその手のひらへと頬を擦り付け、キスとも呼べないキスを落とす。

「痛くないんですか?」

「………痛くないと言えば嘘になる」

「じゃあ優しくしないとですね」

痛々しい傷跡に何度も唇を触れる。

布に覆われていない指先を(ついば)んで、ユージーンは余裕のなくなってきた眼差しをキースへと向けた。

性急だと笑われようと、灯っていく熱を止める事は出来ない。

ユージーンとてもう180㎝近い大の男なのだ。

熱を向ける相手に比べれば遥かに未成熟だとしても、ただ手を繋ぐだけで満足できるほど子供ではなかった。

「止めなくて良いんですか?」

「止めて欲しかったのか?」

「複雑な気持ちです。受け入れてくれるのは嬉しいですけど、このままだと本当に止まれなくなりそうで……」

「はっ……青いな」

吐息を漏らすユージーンの前でキースが笑った。

呆れたような、それでいて挑発するような笑みに、ユージーンは居ても経ってもいられずキースの体を壁際へと押し込める。

壁に手を付き、いくらか視線の低いキースへと覆いかぶさった。

「好き。先生が好きです」

「僕なんかのどこが良いんだ。ヨナを殺す事しか出来ない――今となってはまともに食器すら持てない死に損ないの何が良いっていうんだ」

キースに問われ、ユージーンは目を細めた。

吐息がかかるすぐそこの位置で、優しく語り掛ける。

「あなたの支えになりたいと思ったんです。あなたの事を知りたいと、あなたの傍にいてあげたいと思ったんです。あなたは強い人だから、誰も気が付く事のないあなたの悲しみを一緒に抱えてあげたいと思ったんです」

服の上からキースの肩へと触れる。

肩から腕、腕から手首へと少しずつ手を下げていった。

最後に指先を握りしめ、額へと小さくキスを落とす。

「先生が誰かに守られる必要がないくらいお強い事は分かっています。でも僕は先生の力になりたいんです。僕は先生の剣にも盾にもなれないかもしれない。それでも……先生の心だけは僕に支えさせて欲しいんです」

唇を離し、ユージーンは青い瞳と見つめ合った。

森の中に静かに佇む、湖畔(こはん)のような青色だ。

無言で視線を交わし――じっと見つめ合うのが照れ臭くなって、ユージーンは眉を下げて笑った。

「まあ、要するに……かっこつけましたが、少し遅い一目惚れってやつですね」

かっこつけるのは性に合わないとでもいうように、ユージーンはふにゃりとはにかんだ。

愛おしそうに緩んだその顔をキースの手が包み込む。

血の巡りの悪い指先が、迷うように何度も輪郭をなぞっては離れていく。

こそばゆい感覚にユージーンは空いていた一歩分の距離を詰めた。

「好きです」

「さっきも聞いた」

「じゃあキスしても良いですか?」

疲れの抜けきらない青白い顔に頬をすり寄せ、耳元で囁く。

その唇にキースの指が触れた。

そっと触れているだけなのに、そこにはそれ以上近づかせない気迫があった。

「二年後――卒業を迎えてもお前の気持ちが変わっていなければ考えてやる」

キースの宣言にユージーンは動きを止める。

お預けを食らう形になった事で僅かに顔を顰め、すぐにキースへとすり寄った。

「そんなこと言って後悔しませんか?」

「随分と自信があるようだな」

「当然です。何年だって気持ちは変わりませんよ。先生こそ恋人を作ったり、学院を辞めたりしちゃ駄目ですからね。約束ですよ?」

キスは無理でも抱擁(ハグ)だけはしておこうと、ユージーンはキースの体を抱きしめた。

鍛えているはずなのに、自分よりよほど細く薄い体に庇護欲(ひごよく)が湧いてくる。

恐らく、キースとしっかり目が合ったのは昨日が初めてだっただろう。

時間が止まったかのような中に滑り込んできたキースは、戦場に舞い降りた天使のようだった。

光を受けて金にも銀にも輝く髪の美しさは筆舌に尽くし難く、一目で心を奪われてしまった。

あの青を見た瞬間、ひどく胸が締め付けられた事は記憶にも新しい。

ぎゅっと心臓を握り潰す――けれど熱くて幸福な感覚に、これが恋なのだと直感したのだった。

(先生も素直じゃないなぁ)

黙って抱き締められてくれるキースの髪をすく。

キースが本気で抵抗すれば近寄る事すら出来ないだろう。

大人しく触れさせてくれる時点で、気を許してくれていると感じられ、ユージーンは頬を緩ませる。

(先生の髪…あとで調べておこう)

気になる事があるが、今はキースの温もりを堪能(たんのう)する。

衝動に襲われそうになる反面、ひどく温かくて落ち着くものがあった。

(ハンスがシャルルにくっつきたがる理由が分かるなぁ)

心地の良い熱を感じながら、キースが許してくれる限り時間を過ごすのだった。


この日の接触が、キースが気まぐれかつお情けに起こした事であると気が付くのは少ししてからの事である。

(かたく)なにお触りすら許さないキースに、ユージーンは卒業までの期間をヤキモキする事になるのだった。

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