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プロローグ
「皆、ついに期は熟した。兼ねてより言っていた通り、我々魔王国がジグラド帝国に侵攻する時だ!」
「おお、ついにこの時が来たか!」
魔王ベリアルの発した言葉に、場は沸き立った。
「今回あなた方を呼び出したのは、この戦争のための作戦会議という訳です」
「そうだ。この戦いで、我々は魔王国の威信を見せつけ、また新たなる安寧の土地を手に入れるのだ!」
「オオー‼︎」
エイジがこの世界に来ておよそ二ヶ月強。こんな摩訶不思議なことが起こる前は、彼はまさかこんな事になるとは少ししか思っていなかった。
__最初魔王城に飛ばされた時は終わったと思ったが、此処まで至れたとは、我ながら悪運があると思う。この二ヶ月、振り返ってみるとなかなか感慨深いものだ。だがしかし、これはゲームじゃない。ラスボス前とかじゃないし、こんなところで終わるつもりなんてさらさらない。むしろこれからが本番だ__
感慨に浸ったのち、皆を見回して、宰相は口を開いた。
「では早速、ジグラド帝国対ソロモン魔王国、即ち帝魔戦争についての作戦会議を始めよう。」




