幕間 モルガンの誘惑
勅命を受けた日の夜、エイジは自室のベッドの上で考え事をしていた。命を受けた会合が解散した後、翌日の任務に備えて装備を整え、ベリアルといくつか相談をして、あとは寝るだけだった。
さて、彼の考えていることであるが、それは主に今までのことと、明日のことについて。今までのことを感慨深く思い出す。異世界転移して魔王の御前に投げ出され、それから勉強し鍛錬し努力してついにここまできた。宰相という地位は目前である。
このベッドは他の一般兵達に比べて格別に上品な方だ。ベッド一つとっても別格の好待遇をしてくれているということは、それ程に期待されているのだろう。
実を言えば、彼は魔王ベリアルに惚れ込んでいた。正に理想の主君なのだ。我の強い魔族達を束ねるカリスマ性、他を圧倒し支配するに足る武、物事を臨機応変かつ柔軟に判断する聡明さ、先見の明や鑑識眼。そして何より自分の事を認めてくれた事だ。前の世界では彼は別段特別な人間ではなく、誰かに認められる事が殆ど無かった。だから認めてくれるだけで彼にとっては主君として仰ぐには十分だったのだ。
しかしそこで彼は違和感に気づく。なんか甘い匂いがするのだ。
__なんの匂いだこれ?嗅いだことがあるような……__
「……っ!」
突如足元がモゾモゾし始める。気味が悪く、背に何かがゾワゾワ走る感じがする。それは少しずつのぼってきて、そこから出てきたのは
「こ〜んば〜んわァ〜」
モルガンだった。
「な、何の用だ⁉︎」
「サキュバスとしてのお仕事をしにきましたァ」
「サキュバスとしての仕事⁉︎ となるとやることは……一つしか………てことはつまり」
「ええ、エッチなことをしに来ましたァ。ウフッ」
「や、やっぱりか…」
「じゃあ、早速始めるわねェ、んっ」
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