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4.出会い

「登場三度目だよ……まったく」


 俺は恐らくスタート地点として全く同じ場所に着地する。

 どうせこうやってリスタートするなら何かマークでもつけておけばよかったよ。


 というか、どうせなら街の中にでも出てくれればいいのに。

 お約束と言えばお約束だが……



「街でも目指すか」


 どこに向かうべきか知らんが頑張るか。

 


「……あれ、何か音がする」


 川のせせらぎとかそういう音を探していたのだが、少し歩いた先で聞こえてくるのは何か怒声というか叫び声というか。


 多分モンスターでもいるんだろ。

 本当にやばくなったら自爆すればいいし、行ってみるか。



 俺はすり足差し足忍び足で近づいていくと途中で音はぱたりと止まり、そこから進むこと数分。目の前には巨大な熊型のモンスターの死骸。

 ……これはグロテスクだ。近づくにつれてあった血の匂いがしてきたのはこれだったのか。


「うわ、人が倒れているじゃん」


 実際それよりも気になったのは、神とは比較はできないが俺よりも年下であろう可愛らしい美少女が地面に倒れ伏していた。

 近くには剣が落ちており、鎧を身に纏っている様子からこの子が倒したんだろうか。


 軽装な防具で頭部は守られておらず、流れるような銀髪が肩まで伸ばされているのはわかる。とりあえず俯せになっているから仰向けに戻してみる。



「おーい、大丈夫か?」


 硬そうな金属なのに、随分と軽い素材だな。

 力なくぐったりしている少女に明らかな外傷はないものの、気絶しているみたいだ。


 この熊みたいなモンスターのせいではない?

 とりあえず出血しているわけでもないし、俺は安心して少女を見る。


 偉く美人だ。

 眼は閉じているが、輪郭はシャープで鼻は高く日本人離れしている。

 身長は恐らく160cm少しですらっとしている。胸当てをしているからスタイルはわかりにくいが平坦という感じではない。



「う、う……」


 俺が軽く揺らしながら起こすと、少女は呻きながらその青い瞳が焦点を会わない状態で開かれる。


「あ、な……たは?」


「それより大丈夫か? どこか痛むか?」


 とりあえず状況を把握に努める。

 少女は半身を起こしてふるふると頭をふる。


「だい……じょうぶ」


 鈴の音のような可愛らしい声だ。

 とりあえず大丈夫そうだ。可愛らしいという風に思うが、雰囲気だけで言ってしまえば凛としている気はする。


「そっか、それは良かった。俺は天雷新。名前はアラタだ。君は?」


「私は……ブレンダ」


「そうか、ブレンダ。ここで君が倒れていたんだけれど何があったんだ?」


「そこのキラーベアーを倒した後に……」


 はっとしたように少女は目を見開く。

 明らかな驚愕。そして俺と会話しているはずなのに、視線は俺を向いておらずその後ろだ。


 俺もつられて視線を後ろに移すと、そこには何かを構えた男がいた。

 いつの間に近寄っていた。


「は?」


 既に目の前には鈍器が迫っていた。


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