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11.王宮

「はっ!?」


「クリス、おはよう。随分ぐっすり寝てたようだが、もう王宮に着くぞ」


 クリスが起きた。

 その頃には王宮に到着していた。


 デックスは空中の時点で飛び降りていて、王に事前に通達に行ったらしい。

 その辺り魔法は使わないのか、警備状況と関係あるかもしれないけれど。



「え、マジっすか!」


「おう、マジだマジだ」


 そんなことを話していると、デックスが甲冑を外した状態で現れる。

 俺の髪色と比較的近い茶髪で短めのポニーテールにしている。ちょんまげみたいな感じだろうか。

 


「深夜でしたので、王は流石に就寝中でしたので時間がかかりました」


「え、これから王に会うのか?」


 デックスは首を横に振った。

 この時間に起こすのは恐ろしいよな。でも、普通は愛娘が誘拐されたという事実を伝えれば親であればという感じはする。


 ただ、第三王女ということは他にも一と二がいるはずだ。

 ブレンダが第一王女であれば、そもそも森で狩猟をする様な事情もないだろうけれど。



「代わりに王妃が是非あなたにお会いしたいと」


 ……王妃が?

 寧ろそっちの方が違和感を覚える。


 そもそも王と王妃が寝室を共にしていないということか。

 そこに何か事情があるのかもしれないし、この世界ではそうなのかもしれない。



「王妃はブレンダの母親ということでいいのか?」


「……そうですね」


 なんだその間は。

 すごく嫌な予感しかしない。


 デックスは困った様な、いや困っているんだろう。そんな表情をしている。


「直接王妃よりお聞きされた方がよろしいかと」


「……会わない選択肢もないんですよねー」


 俺は覚悟を決めて建物に入る決意を持つ。

 クリスは口笛を吹きながら後ろからついてきている。


「余裕だな、お前は」


「まあ俺には関係ないっすから。それに、自由にしてくれた上にお金まで取れましたしかなり良かったっすよ」


 と言いながら、腰からはジャラジャラと袋を取り出して鳴らした。

 ……多分、気絶している男たちにリングをつけているときに金目のものを取ったということか。


 別にそれに関して俺に関係のないことで文句はないけれど、人道的な行いではないのはわかる。

 俺も聖人君主ではないから、目を瞑ろう。


「もしも謝礼が貰えなかったら、お金少しは分けてあげるっすよ」


「……そんなに金に困っているんですか?」


 前を歩いているデックスが苦笑しながら話に割り込んできた。

 恐らくクリスの言っていることも聞こえているんだろうけれど、そこは見なかったことにするつもりだろう。


「まあ、そこそこは」


「わかりました。明日で良ければ準備します」



 クリス。お前はもう盗ったんだから物欲しそうな顔をするな。

夜の城でも常に兵士が巡回しており、通り過ぎ様にきちんと立ち止まって敬礼している。


 それだけでデックスが如何に地位の高いかがわかってしまう。



「あ、そちらのあなたはこちらでお待ちください」


「それだったら乗り物で待ってればよかったすね」


 一応デックスが言うには、今日は王宮に泊まらせてくれるみたいだ。

 ブレンダは既に自室で休んでいるようだし、最早俺も眠い時間ではある。


 ただ、王妃がこれから俺と会ってくれるというのはありがたい話か。



「こちらが王妃のいる部屋になっています。失礼します」


 ノックをしたのち、夜にも関わらず凛とした返事が返ってきた。

 すごいな、これが王族ということだろうか。


「失礼します」


 俺はなるべく発生を正しくして、少し緊張しながら寝室に入ることにした。


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