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お役所冒険者!?  作者: る~にゃん
8/71

7 ピタゴラス○ッチ

地道に書くしか・・・

(投稿したら俺、釣りの予約するんだ・・・)

翌日、面接の日。


心地良いとは程遠い目覚ましの音で起こされる。

取っ手の無い水バケツから片手鍋で水を酌み顔を洗う。

丁度良い物があったがどんどん冒険用品が実用品になってしまう気がする・・・

少し曇った気分を朝の空気でも吸ってリフレッシュさせるか。


鉄板を叩き終わって山側から道を降りてきたのはキャナルだ。

昨日とリズムや音量が違ったのはそのせいか。

「キャナル、お早う。ずいぶん早起きだね」

「なんかドキドキして眠れなかったのよ」

子供かっ!!と言いつつキャナルだからと納得。

「顔しっかり洗えよ、目が死んでる」

「うん今すっごく眠いの」

遅刻するなよ・・・



村長兄妹を奥さまと共に迎えに行く。

正直に言おう、サキに頼んで手伝ってもらう事にしたのはメイドさん対策だ。

面接中に・・・事故?が起きても対処できる人材が居れば少しだけ安心だからな。

回復魔法とかできないから大事故の時は面接中でも呼んで構わないと念を押してある。


空と大地の狭間亭で朝食を。

現状、宿屋が無いので裏に有る店主の自宅にお偉方が泊まっているらしいのだが起きてくる気配が無い。

食べ終わってしまったので先に役場で準備を始める。

冒険者達が朝飯を食べる頃になっても寝てるならお偉方を起こすよう頼んでおく。



と、言ったものの準備する物はそれほど無い。

2階の面接会場は既にセッティング済みだし、1階は長椅子があるので待合室として十分だ。

精々入り口の横に受け付けの机と丸椅子を置く程度。

机も3枚の石板をコの字型に開いて天板を乗せて、天板裏の溝に脚になる部分を嵌め込むだけだ。

だが、入り口の横に準備してあったのでわずか3分でやることがなくなる。

受付担当のメイドさんが面接者リストを取りに行っている間に村長と雑談する。

雑談しかすることがないとも言う。


「机が重すぎるんだが全部石で作るのはどうなんだ?」

「いやこれしか作れないからな」

「見た目は良いんだがもう少し軽くならないかこれ」

「組立式だから強度的にはこれ位の厚みがないと上に乗っただけで割れるんだ」

軽くて強度の有る石を作るにはまだまだ腕が足りないらしい。

そしてサキ、試しに乗って跳び跳ねるのはやめなさい。

揺れをガン見してる奴等がいるから。


オーバーアクションで目をそらせた木こり組と冒険者らしい装備の集団が、向かいの食堂兼何でも屋に入って行く。

これから朝飯だとまだまだ暇だな。

キャナルも他の女の子に引っ張られて入って行く。

あれはエルフか?いや待って奥さん腕つねらないで、珍しいから見てただけだから。


鼻唄を歌いながら入り口からメイドさんが出てきて机の上を布巾で拭く。

土足で上に乗ってた誰かさんをジトリと見たら目をそらされた。

中に戻り今度は紙とペンとインク壺を持ってくる。

この世界、和紙に近い紙が作られている。

厚みは0.5mm程、表面もザラザラしているので文字を書くには慣れが必要だ。

価格も意外と安価だがそれでも数枚で夕飯代位にはなるらしい。

羊皮紙も存在しているが国家間の伝令、もしくは魔術的な物に使うのがほとんどでしかも高価らしい。

らしいだらけだが買う機会も無いし店売りしてるのも見たこと無い。


あっと言う間にサラサラと書き上げたのは今日面接予定のリストらしい。

この紙にこの早さで綺麗な字を書き、気配りも出来る受付嬢。

そう言えば兄も村長候補の役人なんだからハイスペックも頷ける。

格好がフリルだらけの秋葉系メイドなのが唯一の弱点か。

足首までのスカートは似合っている。

うちの奥さま用に一着ぜひ欲しい。



そよ風が吹く。

紙が飛ばされかける。

左手を伸ばして上手くキャッチする。

丸椅子ごと左に倒れ。

右手で机の脚になってる横板を掴む。

板が外れて転がる。

机崩壊で天坂が落ちる。

丸椅子にぶつかり・・・

右肩にぶつかる。


椅子に先に当たってるから少しはダメージが減ったのか、それともテコの原理で速度が増したのかは解らない。

重いから痛いだろうが骨折は無さ


天番が坂になりインク瓶が動き出す。

側頭部直撃。


無さそうだし瓶もそれほど勢いがあるわけでは無いから、やはり痛


インクがこぼれだす。




嗚咽を漏らすメイドさんを俺と奥さんで天坂をどかして救出する。

村長が回復魔法をかけた後、中から布巾を持ってきてインクを拭いている。

メイド服は幸い無事だった。

だがカチューシャと金髪と顔の半分以上は無惨にも黒く染められてしまった。

メイド服が弱点どころじゃない、致命的なのがあったの忘れてた・・・


結局、顔は拭いてもうっすら黒くせっかくの綺麗な金髪も後頭部だけ黒く染まったままなので帰る事になったメイドさん。

夕方まで温泉入れないので物を洗う場所で髪を洗う事になるだろう。

受付は引っ越しの挨拶を兼ねて俺とサキでやることになった。

場所は1階のカウンターを使い、机は裏に片付けておいた。

サキに頼んだメイドさん対策が無駄になったが、面接中に何か起こるよりは・・・良かったと言えなくもない。

丁度面接中の受け付けも必要になったし正解、と言うことにしておこう。


「すまない、遅くなってしまった」

一息ついた頃にお偉方達と先輩がやってくる。

どうやら距離がありすぎて鉄板の音では全く聞こえなかったらしい。

村長が鐘のために教会を誘致して欲しいアピールをしながら二階へ案内する。

住人が十分増えて村と認められたら、とあっさり避わされていたが。


さてさて、やっと仕事らしい仕事が始まるぞ。

面接まで行けないし牛歩小説となってしまった・・・

メイドさんは転んで服が汚れて替えがない、の予定が服だけ無事と言う完成形。

(注意)メイド虐待は伏線で趣味ではありません、がそういう趣味の方は要相談。


前回の小ネタ:こんな材料用意すれば桶なんて簡単に・・・あれ?

後は言葉の概念で日本語で知らない物は、現地で実物と名前を聞いても実物の発音は出来るがそれが何かは解らないままなのです。

実物が日本語で何かを理解したら一瞬で解消されてしまうのですがツバサは言語の翻訳能力が訳あって貰えなかったためこう言う事になっています。

そりゃ女神に暴言吐きたくなりますよね・・・え?ならない?

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