5 雑草と言う草は無いし雑魚と言う敵も居ない!
とりあえずのんびり書くべさ~。
追い討ちは計画的に。
お話は流されるままに。
「すまない、数日前の事なのでまだ引きずっててな」
「その時の狼の皮はここにあるよ」
マスターが持ってきた物は確かに普通の・・・
「いや、スノーウルフ?」
毛皮の色は茶色の普通の森狼と違い白と黒だが体格も強さも変わらない。
「この辺りはこの色ばっかりさ」
「すまなかったな、不意を突かれたら2匹でもヤバイもんな」
「ああ、普段はゴブリンも狼も多くても5匹程度だから怪我で済むんだが」
油断していればウサギでも首はねしたり頸骨砕くもんな。
居るのがわかっていれば魔法一発、ある人達なら100匹でも一行もかからんけどな。
「さて、そろそろ家に案内しよう」
よし、もう少しで荷物から解放される。
「その前に役場に行って妹を」
マスターに明日払うと言って先に役場へ向かう村長。
重い荷物を背負って後を追う。
中に入るとメイドさんがタオルと水差しを持ってカウンターの裏へ歩いている。
「それ片付けたら帰るからな」
村長の方に首を向け口を開きかけた瞬間、姿が消えてカーンと言う音が・・・
カウンターの裏に走る村長、俺達もカウンター越しに覗き込む。
後頭部をかかえて唸りながら転げ回るメイド、頭の横の位置には木製のコップ、足の少し先にはトレーが・・・
「トレー踏んで滑って、たまたま頭の位置にコップがあったのか、この程度ならいつものレベルだな」
これ、俺は慣れるとは思えないんだけど・・・
役場の裏に井戸があり、奥さんが血のついたタオルを綺麗に洗って来た。
メイドはそれを受け取り後頭部に当てて冷やす。
そのまま兄の手に引かれて家に向かう。
石作りの建物が見えてくる。
「これも村長(仮)が建てたんですか?」
「雑な作りで申し訳ないが不便な点は言ってくれ、改良するから」
近づいて見えてきたものは・・
「団地?」
四角いコンクリート制で数件がくっついた形状、横に階段が無いのとベランダが入り口側にあるのが違う点かな。
横に四角い小さい建物があるが自転車とか入れてる物置では無いだろう。
「あの小さいのがトイレで手前のこれは独身用で4人暮らせる」
「2階建てとは意外な作りだ」
「1階は雪で埋まる時があってな」
あー雪国の作りか。
「最悪、屋根から脱出することになるが」
どんだけ積もるんだよっ!!
「あたしここだからっ、これからよろしくっ」
独身エリアの一番奥が女性専用になっているらしい。
その奥が・・・
さっきの団地の一軒分を切り取り横を1.5倍に広げた建物が並ぶ。
「同じ物を作るのが楽でな」
贅沢は言わないが全てが同じ色で特徴がなく間違えそうだ。
「ここを使ってくれ」
2列目の山側っと。
「鍵は・・」
「無いぞ」
そう言えば役場も鍵閉めて無かったしそもそも鍵穴も無かった気が・・・
「鍵を作れる人材も居ないし買うと高いってのもあるが、実は扉は体当たりすると簡単に破れるので意味が無い」
「木のしっかりした扉が破れる?」
「蝶番を留めている釘が石材からすっぽ抜けるんだ」
「木枠を扉の回りに・・・」
「木枠ごと倒れた」
・・・
「じゃ、また明日な」
中に入ると奥側に炊事場、階段以外に何もない。
2階は何もない。
炊事場に水をためる何かを用意しなければな・・・水をくんでくる桶も・・・
「確かに住めるけどなんっにもないな、サキ」
「私がいるでしょ、と言いたいけどこれはちょっと不便よね」
そしてどちらともなく荷物を広げ始めた。
収納も何もないから床に置くだけ、10分もかからず終わる。
「温泉行きましょう」
「そうだね、地元の人も居るかもしれないし」
着替えとタオルを持って・・・上着が血まみれだがこのまま行こう。
外に出て少し歩くと丁度トイレの所で体格の良い男の人と出会う。
挨拶を交わし、ついでにトイレの使い方を教えてもらう。
ふむ、この葉っぱを見かけたら採取して入り口横の箱に入れる、と。
この後風呂と伝えると後から追いかけて使い方を教えてくれると親切な人だ。
追いかけて来たのが男5人に増えてなければ・・・
全員木こりで最初に会ったのが木こり頭のマストさん、ベテランで初心者に指導をしているとの事。
木の高さとか種類とか色々聞けたが視線は・・・
村長(仮)、湯気全然足りねーじゃんか。
不便さをもう少し入れたいので本格始動の前にもう少しシーンを追加です。
一万文字越えてもメインの人達が放置されるのは予想外ですが・・・
前回のチョイネタ:某ドラマのあれをファンタジーでやってみた。
ガラスのコップとか無いから木製ジョッキ、指に乗らないから手の甲・・・
成り立たなかった!!