53 怪盗・ナイトスターリリー参上!!(しません)
元々どこかで今回のあのネタを入れる予定で名前を付けました。
実は内容は大人限定になるので外伝的に書く予定は全くありません念の為。
ただしきっかけ的な物は話の流れによっては書くかもしれませんが・・・
そしてそろそろフェイクな戦闘じゃないのを書きたくなったが・・・
そう言った展開に持って行けるプロットは無いのだった・・・
「おい、どうしたんだ?」
「いや・・・行方不明だった村の仲間だったよ・・・」
「そいつぁ・・・」
何と続けていいのか判らず、戦士はゆっくり目を背けた。
だが隣のリリの眼は輝いていた。
「最悪の大当たりね・・・村で居なくなったの?」
「いや、町での冒険中にはぐれていたんだ」
「町でそういう事件は起きていたの?」
「いや、その時のは大量の狼の集団で・・・でもそれ含めて被害はそれほど出ていなかったはずだ」
「それはいつ頃?」
「秋の始め頃だったな」
「うん、これはやっぱりおかしいわ」
そう言ってリリは立ち上がり周囲を念入りに調べて行く。
「荷物になって悪いけど、周りに転がっている骨もなるべく集めて頂戴!」
そう言うと袋を片手に巣から崖までの色々なゴミを集め始める。
考える事に集中しているのか、拠点への帰り道も上を向いたり腕を組んで目を瞑ってみたり・・・
こんな岩場で転ばないのが不思議な位だ。
それを見ながら歩いていた俺は何回か痛い目に合ったのだが・・・
拠点に戻ると、リリは小隊長に何かを相談し始める。
手や顔を濡れた布で拭き、食料を持ってマリーとエーデルの近くに腰を下ろす。
「ああなると止まらないのよ・・・」
エーデルの説明に、先に戻って状況を知らないマリーが続ける。
「いつものアレか?こんなとこで・・・」
「いつものってそんなにあるのか?」
「ああ、街中でも何か気になるとああなっちまうのさ」
「探偵ごっこ・・・いえ、ごっこではないわね」
「ほぼ毎回、なにかしらあるからな・・・」
「家出した猫から貴族の・・・まぁ色々よ」
「最近はリリじゃなくてリリーだったよな」
「ん、なんだそりゃ?」
「あれ、この辺りではリリー・ザ・ナイトスターの話は知らないのか?」
「初耳だよ」
「王国で夜を騒がす魔法使いさ」
「貴族相手にも一歩も引かない、正義の使者と名乗っているわ」
「リリが色々調べて結論が出そうになると、出し抜かれて先に解決しちまうんだ」
「リリも事件に巻き込まれてから慎重になった分、動きが遅くなってるんだけどね」
「罪を暴かれた貴族が官権に手を回して裁判で無罪になった翌日に、王国の城壁やら道やら全ての人が見れるように不正をした奴等の罪と証拠をこれでもかっ!と貼りまくったんだ!」
「誰かさんの鎧のお尻とかね」
「誰かさんのほっぺたとかな」
いやそれは・・・リリだろ・・・行動的にもパターン的にも・・・
「衛兵達も血眼でリリーを探そうとしたんだが、住民は完全に敵に回っててな。で、名前が似てるからってリリを無理矢理連行しようとして住民に囲まれて・・・その場に嘘を見破れる魔法を使える奴を連れてきたんだ。髪の色も違うのにな」
「勿論リリは魔法を使えないから無罪放免、その衛兵には沢山の石がプレゼントされたわ」
「今は魔法は使えない、魔法のアイテムを使えば別だけど。とか答えたんだろ?」
「おお、当たってるぞすげえなバサ!」
やっぱりか・・・
そしてやっぱり背中をバンバン叩かれる・・・いってぇ・・・
「お、盛り上がってるねー、何の話?」
「リリ、話は付いたの?」
「うん、調査は騎士団に丸投げー」
「こっちはナイトスターの話だったのよ」
「突然バサがあの時の答えを言い当てて驚いていたんだ!」
また背中バシバシ・・・
早いとこ鎧を手に入れないと、って女性のコミュニケーションで思う俺に罪はあるのでしょうか神様・・・
あ、どっかの神様にだけは聞きたくないけどな・・・
ふとリリの方を見ると、目で何かを訴えているようだ・・・
ふむ・・・
「そう言えば、レイは無事に村にたどり着いたかな?色々骨折だらけな事情だし」
ウインクで返された。
事情はお互い様、なんだがこう言った事も気付かないまでお約束か・・・
「そう言えば小隊長と何話していたんだ?」
「遺品と思われる以外の骨とか食べ残しも持ち帰って鑑定して欲しいと頼んでたのよ」
「何がそんなに気になるんだ?」
「ハーピーが彼処に居付いたのが秋の始め、だったとして・・・まぁ二ヶ月だとするわ。それから卵を生んで食べ盛りの雛ができた、と。そうすると、食べた獲物の数が少なすぎるのよ」
「ゴミを崖下に落としていたとか?」
「その可能性があるなと私も思ったの。それで落ちている骨を調べたのだけど・・・それでおかしいと確信したわ」
ゴミの少なさはきっかけに過ぎなかったと言う事か?
「下はゴブリンやコボルドがうろうろしている森になっていると予想されるんだけど?」
「たぶんそうだな、そこから村にまで流れてくるやつらも居るし・・・」
「繁殖の為なら人間を襲うのはわかるけど、純粋に食料としてなら反撃を受ける可能性のある手強い人間、しかも山の裏や町の方までわざわざ出向いて狩りをする?」
「たまたまゴブリン達がこの周辺に居なかったとか?」
「二ヶ月で一匹も居ないってのはおかしいわよね?」
「まぁ・・・確かに」
「それで落ちている骨が家畜の骨ってもっとおかしいわよね?」
「なんでだ?それはおかしいな」
「でしょ」
「って事で、マリーごめんっ!」
「・・・すっげえ嫌な予感がする・・・」
「村まで、冒険者の一人を運んでっ」
「おまっ・・・・」
予感、辺りで完全に土下座しているリリ。
「はぁ・・・村に居る間、おまえずっと食事当番だからな」
「ありがとマリー、愛してるー」
マリーに抱きつくリリの横でエーデルが小さく呟いた。
「漁夫の利」
翌日。
拠点に別れを告げて村へと向かう。
遺体は一人はマリーが担ぎ、もう一人は小隊長が担いだ。
他の布や骨等は何人かで手分けして持つ。
平騎士は、一応何かあった時の為に武装はそのまま、隊列の2番目を歩かされていた。
幸い何事も無く、村まで無事にたどり着いた。
調査隊のラバス隊長・・・一応中隊長らしいが・・・に揃って報告し、小隊長と平騎士を残して解散となったのは夕方も終わりに近づく頃だった。
明日も聞き取りがあるので詰め所に出頭しなくてはならないが・・・
昼過ぎでいいや。
腹も減ったし、レドの所にも顔を出したいがまずは荷物を置いて、風呂でサッパリしよう。
「ただいまー」
「お帰りなさい」
「ご飯とお風呂は?」
「お風呂はこれからです」
・・・夫婦の会話は略させて貰おう・・・
着替え等を持って露天風呂へGo!
ほら、急いで正解。
俺とサキより前に入っていたのは、3人娘とクリファさんだけ。
そして残念だがここではたいした会話も無かったので略させて貰・・・
いやほら、これからダースさんの顛末を話に行くのにここで気持ちと言うか流れと言うか・・・それを途切れさせる話題は・・・
有りだな。
正直、決闘で相当神経すり減らして敵の発見に失敗して・・・本当は俺のミスで死人が出た事が、隠しているが結構心にキテるんだ・・・
サキがすぐ横で湯に浸かっているが、目を閉じて何か考えている風に・・・
そうだな、この四人の外見とか装備を今更ながら・・・
まずはクリファさん、銀髪を肩の辺りで切り揃えている。
白いローブに騎士団の紋様が左胸に入っている物を着ているが、戦闘時の装備は不明。
文官なのか戦えるのか全く不明。
スクエアタイプの眼鏡を掛けさせたいクールビューティーな感じ。
マリーは筋肉結構あるのだが、ガルドと同じように筋肉パツパツって感じでは無い。
顔も美人なタイプで肩より下までのウェイビな金髪。
ああ、アメコミのヒロインっぽい。
頭と二の腕以外のプレートメイルで頭は幅4cm、厚みは2cmもあるリング状の物を防具として着けている。
うんうん、アメコミアメコミ。
武器は両手持ちの大剣をメインに、予備の武器として大剣の鞘の横にメイスを取り付けてある。
リリは金髪のポニーテールを腰まで届かない位に伸ばしている。
かわいい系統の顔なんだが・・・あえて童顔と言っておこう。
俺は年齢聞く勇気は無い、がもしかしたら微妙なお年頃かも・・・
装備は胸前面と腰、腕と膝までの皮鎧。
武器はショートソードがメインだが、腰のポーチにダガーが3本指してあったり肩から弓を下げてたりと色々使えそう。
最後はエーデル。肩で切り揃えた髪はクリファさんと同じだが、明るい金髪。
良く見ると顔も似てる気が・・・いやそうでもないな。
こちらもクール系だが美人と可愛いの間位か・・・
装備は普通の服にズボン、それに白いフード付きの腰までのポンチョの様な物を着ている。
山道を歩くだけでも怪我しそうだったので鉄板でも入っているのかと聞いたのだが、下に魔法の鎧を着ているらしい。
こう見ると一般人っぽいが手に持つ杖は長さ1.8m程もある、頭に羽のような大きな装飾の付いた金属製の杖だ。
温泉からだと手前側に治療院があるのでレドの顔を見るために扉をノックする。
あれ?誰も出てこない・・・
ならしかたがない、空腹に耐えられずに10秒しか待たずに隣の空と大地の狭間亭に。
「こんばんはー」
と扉を開けると正面のカウンターにレドが寄りかかって物を食べている。
「レ・・・もう大丈夫なのか?」
「いえいえ、こんな様でして・・・」
良く見ると、片足と片腕はブロック状の石と化していた。
勿論白い仮面は新しく・・・なんで頭蓋骨風?
「ギプス?」
「添え木の変わりに石で完全に覆って動かなくしているんです。ギプスって言うんですか?初耳です」
確かにこちらの世界での医療技術で・・・と言うか、医者は石を作り出す魔法は使える奴の方が少ないだろうし、すぐに硬化する素材も有るかもしれないが高価だろう・・・
「ああ、俺の知識ではそう呼ばれていたな。血や筋が圧迫されたりする時もあるからおかしいと感じたら夜中でもすぐにアクアに言えよ?」
「わかりました。でもなにより動き回れるのは嬉しいですね。動けないとトイレとか不便でして」
「お見舞いの奴がそれに落書きとかしてたな・・・割る時にもったいなくてな」
「村長に頼めば綺麗に切断してくれますね」
「相変わらず便利だな村長」
「その便利な村長にそろそろ報告しような」
背後からポンと肩を叩いたのは村長本人であった・・・
そろそろ話の区切りになるのでここでリリの設定を入れておこう。
あれ?その前にメインに格上げかサブか迷っていて外見とか書いてなかったじゃん・・・
なんとかこの話の中で・・・で冒険から帰ってまずお風呂だからそこで書きました。
女の子だらけで目を閉じて考え込む旦那をとなりのサキちゃんはどう思っているのでしょうか・・・
花組の名前の小ネタ:出て来てない二人は変える可能性もあるので保留。
エーデル・ワイス=エーデルワイス(大切な思い出・勇気)
マリー"ザ・ゴールド"=マリーゴールド(絶望・悲しみ)
リリ"ザ・タイガー"=タイガーリリー(華麗・愉快・賢者)
リリー・ザ・ナイトスター=ナイトスターリリー=アマリリスの別名(誇り・輝くばかりの美しさ)
カッコ内の花言葉で過去の出来事や性格等を・・・
前回の小ネタ:大型の鳥が5分滑空したらとんでもない距離進みます。
ツバサの生物関知が半径2kmだったとしても2分掛からないので実は後続組で関知していても判らなかったのです。
レドはある理由でこんな無茶をしていますが、魅了の歌がかなり強力な物だと勘違いして一度着地した時に歌を使われたら抵抗する自信がなかったのです。
最悪、飛行中に歌われても体当たりになる様に調整して飛んでいます。
ほぼ全員とかサイコロで決まったら話の展開を変えなければいけなくなるとは・・・
リリに顔を見られてしまったのは・・・リリならこうすると考えた結果。
なのでツバサに弱味を握らせ口止め・・・悪人だな、バサ・・・




