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お役所冒険者!?  作者: る~にゃん
36/71

33 そのコートは・・・

作りからして戦法がバレバレなので戦闘まで行きたかった・・・

夕方。

宿の扉をノックするがやはり返事は無い。

俺は一言だけ声を掛けて立ち去った。

「明日の朝、狼の討伐に皆で行く」



夕食時。

「バサ、そう言えばお前はあの防具のままでいいのか?」

ケニーの疑問。

そう、アキタカに作って貰ったのは腕、足、首だけの部分で鎧とは言えない代物だ。

「鎧扱ってる店に行ったんだが、金属鎧はサイズの調整とかで間に合わないと断られたよ」

「どうすんだよ、この前みたいになったら全身食われてお陀仏だぜ?エリスは高みの見物だからいらねえと思うけど」

「なんか手が滑る気がするのよねー」

「げ、後ろにいたのかエリス。でもいらねぇだろ?」

「あっても重くて着ないわよ」

「一応、革製の厚手のコートに金属の肩当てを付けたのを頼んで来た。後で取りに行くけど、肩幅とかベルトで調整出来る奴だから寸法違っても調整できるんだぜ」

「それって最初調整したらただの飾りになるやつだよな、割高だし」

「いいんだよ、ケニーのお陰で財布の中身が半分も残ってたんだから」

一瞬止まったケニー。

「そうか、俺の努力で買えたんだから良しとするかな」

席を離れて他の仲間のテーブルへ向かうケニー。

(残りの半分はケニーの懐)

かまわないよ、女神からの利子がケニーに渡っただけだ。

(嫁さんへのお土産でまた財布が空にならないようにね)

・・・この件終わったら、サキの服のサイズ教えてくれ。

(買える状況に落ち着けばいいね)

やれるさ・・・多分。



早目に切り上げ、酔っぱらい共を振り切り、すでに閉まっている防具屋の裏口の扉を叩く。

それを受け取り宿へと戻る。

代金は注文時に支払い済みだ。

肩幅調整は下に金属のネックガードを着けるために、首回りの幅が変わるので必要だった。

腕は袖を捲れば長さを調整できるし、スカート状に広がった足首近くまである裾は最悪切って調整すれば良い。

打撃には弱いが、狼の牙なら殆ど止められると思う。

噛む力強いから痛いけどな・・・

顔もむき出しだし・・・



さて・・・どうかな?

スキル>生物関知

うん、居ないな・・・一つづつ探すか。


井戸のある広場でベンチに座っていた。

隣に座る。

・・・暫し無言。


「やー、水に濡れた乾燥肉に当たっちゃって寝込んでたよー」

「泣きながら、か?」

「そうそう、すんごく痛くて・・・」

「うん、嘘だよね」


「ツバサは意地悪だねぇ」

「たまにはね」



「私、このパーティーで3つ目なんだ」

・・・

「前の二つは皆死んじゃった」

・・・

「人間ってあっさり死んじゃうんだよね・・・」

・・・

「今度も・・・また・・・」


「強くなればいい」

「え?」

「敵を確実に倒す戦闘力、罠や地形に対する直感と経験、敵を見つける捜索能力、全部を出来るようにすればいい」

・・・

「先は長いが、仲間が死なないように努力する、色々考える、ダメなら逃げる」

・・・

「落ち込むな、とは言わない。泣くなら泣いていい。でもまだ途中だよな?」

・・・

「まだ、途中だし、まだ、駆け出しだ。力が無いなら・・・もがいて何とかするしかない・・・と思う」

「・・・弱気になった」

「俺も駆け出しに毛が生えたようなもんだ。今回の事も俺の責任が大きいし・・・そんなのが偉そうな事を言ってるな、と・・・」

「あー、狼に揉みくちゃにされてただけだしねー」

「悪かった。少しは格好つけて励ましたかったんだが・・・慣れない事はするもんじゃないな・・・でも終わりまでは立ち止まってないだろ?」

「うん、とりあえず私も今から今度の終わりまでは立ち直った事にするよ」

「よし、じゃあプレゼントだ」

手に持った物を渡す。

「後は風呂入ってから飯食うぞ、あいつらはまだ飲んでるから別の店にするか?」

「え・・・に、臭う?」

「顔洗う位じゃバレバレな位目が腫れてるんだよ」


・・・君は本当に意地悪だ・・・





翌日、決戦の日。

皆が集まってる中、キャナルが現れた。

「おはよぉー」

皆の視線が集まる先には、皮のコートを纏ったキャナルが居た。

「お待たせっ」

「そのコートは?」

真っ先に反応したのはベイリー。

「え?バサが君へのプレゼントだよって。奥さんには内緒でって」

「いやサキに言っても良いけど・・・」

「あら、奥さん公認で二号なの?」

「キャナル・・・勘弁してくれ・・・」

俺のなら首の防具しているからサイズは計れるが、キャナルのサイズはわからんからな・・・



「で、お前さんは防具どうするんじゃ?」

「ああ、始まったら引き寄せて浮遊で逃げる事にするよ」

「なんじゃ、あの姿は見られんのか・・・」

「いや、本気で残念そうに言わないでくれるか?ガルド」

「楽しみにしてた奴手をあげろ」

・・・ほぼ全員・・・村長は一瞬上がりかけたの見えたからな・・・


「でー、あいつはー?」

キャナルが指差す先に首、上腕、腿の部分が無い、所謂ハーフプレートを着込んだローレンスが居た。

武器はやはり長剣。

「新入りじゃ、名前は新入りでいい」

「バサより下ができたんだー」

「キャナル、今日俺への攻撃ひどくね?」

「新入りと囮はどっちが上か判らないわね?」

「エリス・・・おまえもか・・・」

「まぁ今日は全員荷物持ちですけどね」

レド、何でそんなに嬉しそうなんだ?

何時もは一人で運んでるからか?

「レド、今日はおまえも囮だろ?」


討伐の拠点となる場所の最終打ち合わせ。

村長が居るから村の時のような拠点が作れるのは非常に有利だ。

「一番条件の良い場所はここだが、俺は二番目のここがお勧めだ」

「先輩、何か考えでも?」

「あ・・・」

エリスが何か気づいた。

「ここ、ここしかないわね」

「なにか有利になる点があるのか?」

「ここは・・・」




大量の荷物を抱えて道を歩いていく。

今回のメンバーは村長、先輩、俺、ホセを除く冒険者・・・6名。

それに加えてやっぱり来ちゃったギルガさん。

「受付ちゃんの歌が無いのが残念だけどな」

ケニー、止めてやれ・・・まだちゃんと声が出ないんだぞメイドさんは・・・

「私が歌うかなっ」

「お、キャナルダメ元でよろしく」

出発前にキャナルはコートをエリスに肩幅等調整をしてもらっていたので動きに支障は無さそうだ。

・・・やっぱ俺もあれ欲しいな・・・でも、色を染めて変えてもお揃いって言われるのが目に見えてるし・・・

黒は定番だし赤いコートは・・・キャラ的にアキタカか・・・

おっといけないそろそろ・・・

スキル>生物感知

「ちょっと離れてるけどあっちに一匹・・・離れていくな」

「了解」

「しかし、矢も纏まると意外と重いのな・・・」

俺の背中の背負子には約200本程の矢が積まれている。

身長より50cm程高く積まれているのでさっき木の枝にぶつかってしまった。

「じゃぁあれ持つか?」

ケニーが指差したのは新人。

大量の血が滴る肉をごっそりと持たされ、血や油でベチョベチョ・・・

「いや・・・これでいい・・・」

弓の人は荷物無いし、戦闘で頼りになる人も片手ですぐ投げ出せる程度にしか持っていない。

「村長がうらやましいですね」

「レド、冒険者ではない村長に持たせるわけにいかないだろう・・・」

レドリックは今日は鎧じゃなくて適当に買った服だが、肉持ってるからやっぱりグチャグチャなんだよな。

「私の鎧を着れば良かったのに」

「いや・・・それはなんかいやだ」

サイズが合ったとしても人の鎧は抵抗が・・・

「それか、キャナルさんに私の鎧を着てもらって皮ドレスをバサが着ると言う手も」

「キャナルじゃ重すぎて動けないんじゃないかな?」

本音は流石に女の子に男の鎧は・・・

それに一応そこそこのサイズの胸も・・・

「なんか呼ばれた気がする・・・誰か呼んだ?」

「呼んでないよー」

おっと、生物感知っと・・・



目的地までに襲ってきたのは3匹、2匹と2回だったが接近される前に矢の餌食となった。

それもついでにズルズル引きずって持ってきた。

「じゃぁ、川近くに荷物を置いて・・・」

「あったっ!」

ベイリーが大きな声をあげる。

キャナルとエリスが急いで近づく。

この棒・・・どこかで・・・


ここは、ベイリー達が川に飛び込んだ場所。

ダースさんを最後に見た場所だった・・・


「少し休憩しよう。その辺りに作るからな」

俺は生物感知で狼の接近を警戒しながら他に何か残っていないかを探す。

・・・訂正、皆探しているようだ。

新人は疲労でぶっ倒れていたが。


結果、引きちぎられた血の跡のある茶色いローブの切れ端がいくつか・・・

上流方面の森へと向かっているようだった。

村長に預けておく。





さてさて、突貫工事の始まりだ。

川原から少し離れた土の地面の大きめの広場になってる場所。

レドの火系統の魔法で爆発力の高いもので穴をなるべく大きく・・・

「行きますね」

ドゴォン・・・・・

一瞬で皆が土まみれだよ・・・

「あははは、こっち風下でしたね」

無言でゾロゾロ風上、上流方面に向かう。

「では改めて」

ドゴォン

ドゴォン

ドゴォン・・・

その間にも生物感知を欠かさない。

「エリス様、あちらから2匹」

・・・結構距離あるのに殆どみんな外さない・・・

「凄いねー」

「あの弓の精度すごいよな、キャナル」

「ううん、その感知のスキル」

ああ、確かに先手を取りまくれるからな・・・

「うん・・・キャナルには覚えると良いかもな」

二人とも顔が緩む。

「今度教えてね?」

「今からだ、今」

「せめてご飯の後でっ」

「だーめーだ」

「うん、やっぱり奥さんに報告した方が良さそうね?」

「ちょ、エリス様違いますよ?」



「あんまり掘れないもんですね」

「お疲れ、レド。俺も予想外だったよ」

十発近く撃ってみたが1mも掘れない・・・

「普通はそうなんだよな・・・あの人の悪い影響かも・・・火球で大穴開けてたし」

「そんな人が居るんですか?」

「お話の中だけど、ドラゴンが避けて通るとか」

跨ぐと尻尾が当たりませんか?



「村長、ちょっと変更。これを無くしてここを広くして・・・」

「うん、これなら魔力が足りそうだよ」

「ではお任せします」


まずは地面の形を帽子をひっくり返したように整える。

と、簡単に言ったが直径100m程のでかい物。

つばの部分は5m程でそこからは深さ4mまで一気に傾斜がキツくなる。

この魔法が意外に魔力を消費するらしい。

だから道を作る時は人力で穴埋めしたりしたらしい。


「バサ、こんなもんか?」

「先輩、ケニー、どう?」

罠のプロに意見を伺いましょう。

「これなら落ちたら登れないな」

「ですね」

「村長、OK出ました」

「じゃぁ、次っと」

先程の表面を石でコーティング。

真ん中辺りに高さ7m位の柱を何本かサークル状に立てて、上に直径20m程の円形の足場を作る。

本当は3層にして一番上を弓部隊と村長乗せて安全性を確実にしたかったが・・・

そして、縁から上段に繋がる1.5m程の斜めのスロープを十字に・・・

「バサ、ちょっと魔力が怪しい」

「じゃぁ、川側の通路は無しで」

T字になった。

上段真ん中に2m程の穴を開け縄梯子を降ろしておく。

ここがベースになるので荷物を運ばせる。

もちろん新人一人に。

後は傾斜のキツい部分は全部、縁の部分は残りの魔力ある限りガラスでコーティングしてもらう。

これで完成だ。

「村長お疲れー」


あ、もう既に倒れてましたか・・・ほぼ魔力切れで・・・

い、いやキャナルはからかってるだけでハーレム化はしませんよ?

そして一言も喋らない新人君・・・


前回の小ネタ:若いな・・・

エリスのお目付け役ですが、可愛い女の(エルフ)と強そうだけど足負傷の男がいて、悪い人達の集団がいたら隙を狙って・・・と言う可能性も無くは無いのでボディーガードです。

レドはあまり顔をあちこち出したくないけど鎧のまま町長室は・・・ってのもありますが。

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