9 W(olf)の悲劇?
今回いつもの1.5倍(当社比)なのにネタはほぼ無し。
そして一部語り手視点では無くなり更に視点が変わります。
「ではまず、志望の動機を聞かせて下さい」
いつも思う、履歴書に書いてあるじゃんよく見ろよと。
で、書いてある事より長く体裁整えた回答をする自分・・・あるよね。
「先日、パーティーの一員が戦死して依頼に失敗しました。それにかかった費用や今後の活動の困難等を考えて悩んでいた時に、レイナールせ・・・さんから冒険以外でも生活の安定性が上がると聞き応募しました」
リーダー、見かけによらず穏やかな声で淀みなく喋るな。
うっかり先輩と言いかけたけど。
「・・・戦死した時の状況がギルドの者として聞きたいのだが良いだろうか?」
町役場の人の次にギルドの人が聞きにくい質問をした。
話が重くなりそうだな・・・
この前の依頼は、あまり無い町での依頼だった。
今は居ないジャックが町に出た時に受けて来た物だ。
急ぎの仕事だったので馬車を貸し切りで村まで来たので、俺達は急いで準備して折り返しで町に向かった。
依頼は狼10匹程の群れの殲滅。
皮を証拠として8匹程度は持ち帰る事。
3日後の昼までが期限だ。
既に日も暮れているので森に入るのは無謀。
翌日の朝に出発した。
昼過ぎには足跡を見つけ追って行ったが、奴等の足に重装備では追い付ける訳が無い。
運良く野兎を捕まえたのでキャンプを張り、風上に兎の血を撒いて待つことにした。
火を嫌う狼を追っているので焚き火も出来ない時にジャックが酒瓶を数本取り出した。
珍しくギャンブルで勝ったらしく上機嫌で飲み始めたんだ。
俺達も少しご相伴に預かったが、奴は一人で一本空けちまった。
これから戦闘があるからとそこで飲むのを止めた。
なかなか襲撃や寄ってくる気配も無いので交代で仮眠する事にした。
斧のガルドと魔法のレドリック、そして寝たら起きそうにないジャックを先の見張りにして横になった。
「やっぱり寝てしまいましたね」
「役に立たん奴じゃの全く、馬車代も後払いという話じゃし酒なぞ依頼終わった後で買えば良いものを」
「珍しく勝って気が大きくなってたのでしょう」
「珍しくで悪かったなぁ」
「なんじゃ起きたのか」
「おお、ちょっと漏れそうでな」
「とっとと行ってこい!」
「足元フラフラですが大丈夫でしょうか?」
「下手くそな鼻唄が聞こえるから遠くはないじゃろ」
「兜も置きっぱなしですよ」
「ギャンブルで勝ったのがよっぽど嬉しいのか気が緩みすぎだぞ」
「それが最後の一華、とか縁起でもないですね」
「ちとばかしお灸は必要じゃな」
「うわっ!!」
「どうしたっ!?」
「ガアァァァァァァァァ・・・」
「ワシが行く、起こしてくれ」
「あぁ」
明るい夜だった。
急いでガルドの元に向かうと、木に向かって倒れているジャックの横に頭を潰された狼。
ガルドは2匹の狼と戦っていた。
レドリックと盗賊のケニーがガルドの応援に入り、俺は狼をどかしてジャックに回復魔法を使った。
手遅れだった。
幸い、夜が開ける前に12匹狼を退治したが、装備品を分担し一人の遺体を運ぶとなると毛皮は持てない。
皮を剥ぐ時間もかかるのでそのまままとめて狼を埋めて、目印に棒を立てて空の酒瓶を逆にして差しておいた。
そして町に帰り依頼人に事情を告げて持ち帰れず依頼は失敗となった。
目印の場所に別の人をやり、俺達は町の教会に向かった。
「鎧の両足首と顔に少しの擦り傷、後は首への一撃。冒険者として有り得ない定番のやられ方でお恥ずかしい」
「木に向かって用を足すなぞあり得んわっ」
鎧マッチョ2人組が熱くなっているようだが、血の臭いで誘き寄せてる最中に飲酒は無警戒すぎる。
更に冒険者は基本的に単独で用を足す時は、何かを背にして可能な限り背後を取らせないようにする。
恥ずかしいなんて感情よりも命の方が大事だからだ。
複数人で一緒に行く方が更に危険度は下がる。
素人か冒険者かを判断する質問に使われる位の常識だ。
「つまり足首噛まれて倒れて木に顔面を打ち、首を守らずに顔を押さえてやられたと?」
「その通りだと思います」
ギルドの人は顔をぶつけたのも判ったのか、俺はそこまで気づかなかったな・・・
「それからはどう活動している?」
町役場の人に盗賊のケニーとか言ったっけ、が答える。
「まだ弔われて一巡り半なんすよ」
「本当に少し前だな、辛いことを聞いてすまない」
「いえ、気にしないで下さい。なのでこの話は渡りに船だったんですよ」
この世界にも諺があるが、ニュアンスが近いもので脳内変換している。
俺の使い方が間違っている可能性も多々ある、が流して欲しい。
一巡りと出てきたがこれは8日間の事。
一週間は7日なので違和感があったので、別の呼び方で助かった。
4巡りで一月、は32日だが地球の一月は不定日のため違和感がない。
そして一年は・・・はい12月。
もっと短い時間の単位だが、秒・分・時間までは大体同じ。
正確には両方の時間の流れが違うからこちらの一秒があちらの数千年と言う可能性もあり、比較が不可能となっている。
体感的に大体同じ、と言うこと。
そして一日は、日の出から日の出。
日の出が見えなくても光の神の協会ではわかるらしいが、村レベルでは曇ってればわからないので大雑把だし離れた場所では時差もある。
「確かにずいぶんの出費だがそこまで困る額でもないと思うのだが」
町役場の人の鋭い質問。
たしかにその程度ならそこそこの冒険の依頼を一つ片付ければ十分取り戻せる額だ。
余程の借金でもあるとかなら別だが・・・
「この村、いや集落でどんな依頼が役場から出され、その報酬がどれ程かご存じでしょうか?」
リーダーが珍しく質問を返す。
言葉には出してないがちょっと気にさわったのかな?
「ギルドで把握している限りで、隣の町含めても狼とゴブリンやコボルドだけだな。頻度もそれほどでもない」
ギルドの人はそこで顔色が変わる。
「すまん、ちょっといいか」
町役場の人に耳打ちするギルドの人。
そして町役場の人の顔色も変わっていく。
あぁこの二人、名前を覚える気が無かったのだが・・・正直、の人の人と面倒だ。
だがこれで通そう、止めたらなにかに負けた気になる。
(チッ)
・・・名前を知るためだけに超複雑なキャラシート使うの頼もうかな二人分。
(土下座なう)
絶対にしてないが、勝った。
「こちらの役場でも相場より少しは色を付けてましたが、日々の食事代考えると殆ど無くなります。冒険者が居なくなればここの開発も一回の襲撃で潰されるでしょう。だから今回の件をお願いしたのです」
村長、決める時は決めるな。
具体的に、町での狼一群れの相場は町の夕飯代2人分程度。
しかも全員で。
子供のお小遣いレベルだが収入はこれがメインではない。
毛皮がそこそこの値段で売れるのだ。
10枚あれば町の夕飯代で3ヶ月は食べて行ける。
この集落だと食事の質と補助金で3倍は長く遊んで暮らせる。
今回はそれ以上の大金の元を依頼人の安心のために他の人に譲り、更に埋葬の為に教会等にお布施をして貸し切り馬車代・・・両方、相場は知らないが狼の毛皮10枚程度では余裕で赤字だろう。
普通ならその場で遺体を埋めてでも毛皮を持ち帰るのに、仲間思いの良いパーティーじゃないか。
余談だがゴブリン達は基本報酬が高いが持ち物がほぼゴミレベルなので追加の報酬は少ない。
だが、毛皮を剥ぐ等面倒な作業も無く希にそこそこ価値がある物を持っているので、安定して面倒な作業も少ない初心者や女性向きの仕事と言えなくもない。
相手の数と武器次第では危険度は跳ね上がるが。
「こちらの認識が甘かったようだ。すまないな」
町役場のお偉方、と言っていたがこの腰の低さはそれ程偉くないのかもしれない。
「次の方も居ますのでそろそろ個人の聞きますか?」
長いので少し巻きを入れてみた。
「すみません、話が長くなりまして」
「いやいや、こちらこそ色々。では一人一人聞くことにしようか」
なんだろう、ハ・・・リーダーさん大人すぎないか見た目とギャップが有りすぎる。
時間の概念はいつか説明入れたかったので流れで今回に。
名前覚えたくないせいで書き方グダってる気がする。
そして距離はメートル法、お金の単位も決まってますがこの作品では使わない方針です。
ちなみに、0.5をビット鉄貨、1をバイト銅貨、1000をキロ銀貨、1000000をメガ・・・
前回の小ネタ:子供2人組を兄妹と判りやすく急遽家名を付けたが・・・あの年の兄妹が冒険者とか事情ありまくりなんだから家名は隠すよな普通。
名前や家名の由来は単純に職業とかだったりするがそれはそのうちに。
そして構想段階では余り使わないはずのサキ奥さまを使い始めたのは・・
マッチョ、イケメン、チャラ男、一途な清楚系、癒し系、ショタ、ロリ・・・あれ、色気要員・・・
あ、いたいた即退場メイド・・・ってもう人妻しか居ないと気づいたからだ・・・
てのは嘘で受付に使えるキャラが奥さんか新キャラ作るのニ択だったのだ・・・