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特別配達人舞衣  作者: 東都新宮
1.1~2キロ:旅立ちまで
6/38

1.1キロ

1.1


「就職先決まったんだね。おめでとう!」


 クラスメイトがわざとらしそうに、祝ってくれている。

 どうせ嬉しく思っていないだろう。

 彼女達は私が不幸な目に遭うのが絶対楽しいのだから。私の就職先が決まるのは、真逆で不幸な目じゃない。

 ざまあみろ

 とは言えないかも……

 見る感じでは……


「ありがとうございます……」


「それで何処の会社?」


「せ、世界鉄道……交通事業です……」


「そうなの。それは良かったね!!」


「きゃっ……」


 そして私はクラスメイトから、思い切り腹を殴られてしまった。

 痛い……

 いつものことだけれども、私ばかりどうしてこうなってしまうのだろうか……

 この世は理不尽だ……

 私ばっかり、酷い目に遭う……

 でも、まだ良いのかもしれない……

 一応は生きていけているのだから……

 それでも嫌だ……

 どうしてこんなことばかり……

 あともう少しが越えられないの……


「それでいつ、就職するの?」


「来週……です……」


「へぇ、じゃあそれまで痛めつけてあ・げ・る!」


「あうっ……」


 今度は水を掛けられた。

 冷たくてかなりぬるぬるしている。

 水じゃないかもしれないけれども、水と思うことにしておこう。


「思いっきりやるからね」


「や…やめて……」


 私に向かって、クラスメイトがどんどん暴力を奮ってきた。

 痛い……痛い……助けて……

 これから毎日、こうされるのかな……

 それまで私の身体が持つと良いけれども……


「じゃあ、また明日ね」


「はい……」 


 それからクラスメイトは交通事業に行くまでのほぼ毎日、私に向かって殴る蹴る、頭に水を掛けられるなどをされてきた。

 しかも決まらない時よりも酷く。

 それでも耐えてきた。

 あと少しで就職先へと行けるのだから。

 我慢……がまん……

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